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OKR相談室③年間目標や業績予想開示が必要な場合OKRはどうすべきか

 OKRの主要なルールのひとつに「目標を四半期毎に設定する」というものがあります。これによって、その時々の環境変化に合わせて柔軟に目標を設定出来るという効果が得られる訳ですが、OKR導入を検討している企業でよくあるお悩みが「年間目標との連動」です。

 多くの企業では年間の業績予想や年間の事業計画などを立てているため、四半期毎に目標をコロコロ変えられる可能性があるのは困る、というわけです。私自身、上場企業の経営企画で3年ほど業務に従事していた為、一度公開した業績予想などを無視してその時々に応じた目標を立てられる気持ち悪さは判ります。ただし、これらは運用で対処が可能です。

長期目標がある場合はマイルストーンをOKRにする

 1年・3~5年単位などの大きな目標が存在する場合、これを無視して四半期毎に立てると徐々に方向がずれてしまいかねません。そのため、大目標を3ヶ月毎に細分化していくとよいでしょう。マイルストーンをOKRにするということですね。
例えば「1年後に新事業で売上を立てたい」という目標があるとすれば「企画作成」→「試作品完成」→「周知活動」→「営業・提案活動」みたいな感じで分割するようなイメージです。
 こうしておくことで、最終的なゴールをブレさせることなくOKRのメリットを活用することが出来ます。

長期目標がある場合のOKR

業績予想開示が必須な企業におけるOKR設定方法2選

 ステークホルダー(この場合は株主が主)に対して年間業績予想の開示が必要となるような企業では、年間OKRと四半期OKRの併用はほぼ必須になるのではないかと思います。しかし「ステークホルダーに開示するような年間業績予想ってだいたい必達目標じゃないの?」ということです。必達目標を立てると「高い目標に取り組むことで成果を最大化しよう」というOKRのメリットが得られなくなるかもしれないわけですね。こんな時はどうすべきでしょうか。

解決法①必達OKRとストレッチOKRの併用

 一つ目は、必達OKRとストレッチOKRを併用するやり方です。こちらは、よりOKRの原則に近いやり方になります。まずはOKRの原則に従って普通にO(=Object/定性目標)を設定したあと、達成可能性が半々となるようなKR(ストレッチKR。山本造語)を設定します。
 その後、一旦冷静になって確度の高いKR(必達KR)を設定します。株主からの期待に答えられるような多少のストレッチさ加減は必要になるかもしれません。こちらを業績予想のベースとして活用します。
 この方法を取ると、OKRのメリットが活かせる一方、管理が二重になるというデメリットがあります。部署内で週次進捗確認の際はストレッチOKRの進捗度を把握するのが主となるでしょうが、経営層や業績管理系部門は必達OKRに意識が向きやすくなるでしょう。

業績予想がある場合のOKR①

解決法②業績予想を先行させる

 二つ目は、業績予想をKRとして設定するやり方です。そして、KRを定性的に読み替えて目標を設定します。この場合、大原則であるO→KRではなく、KR→Oという流れになります。そして、その年間OKRにおけるマイルストーンを四半期OKRとして活用します。
 この方法を取ると、OKRのメリットは少し限定されます。まず「達成確率半々」な挑戦的な目標にするというのは難しくなるでしょう。しかし、それ以外の「最優先事項へのフォーカス」や「透明性による縦割の打破」「進捗の把握」と言ったメリットは活用することが出来ます。また、解決策①のように必達OKR/ストレッチOKRの二重管理は必要無くなります。

業績予想がある場合のOKR②

さいごに

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セレクションアンドバリエーションシニアコンサルタント・中小企業診断士
山本遼