15冊目*水曜日の手紙(森沢明夫)
<あらすじ>
家族が寝静まると、心の毒をこっそり手帳に吐き出すことを日課にしている井村直美。そんな自分を変えたいと、夢を叶えた理想の自分になりきって空想の水曜日をしたため「水曜日郵便局」へ手紙を出す。一方、絵本作家になる夢を諦めた今井洋輝も婚約者のすすめで水曜日の手紙を書いていた。会うことのない2人の手紙は、やがてそれぞれの運命を変えていき…
◆水曜日郵便局について
水曜日の出来事を記した手紙を送ると、誰かの水曜日の出来事が綴られた手紙が送られてくるという一週間に一度・水曜日にだけ開くプロジェクト。現在は閉局されているようです。
<感想>
数年前、Twitterの裏垢で毒を吐いた時期があった。吐いて解消されてるつもりが、逆にその言葉で全身蝕まれてるような感覚に陥った。
言葉は言霊、ということを痛感した出来事だ。
井村直美という人物が重なる。
隣の芝生が青いどころか、色とりどりの花が咲き乱れ輝き、イングリッシュティーパーティまで催されてるように感じてしまう。うちといえば雑草ボーボー目も当てられない…(良い風に言うとジブリ)
だから嫉妬の化身となっていたのだ。
井村直美は動いた。
そして理想だった自分を記して手紙として手放した、葬ったという方がいいのか、私にはそう感じた。
けれど、物語は続く。
この「水曜日郵便局」というプロジェクトは、誰かの水曜日が手紙として送られてくる。
自分は平凡だ。
そういえば先日、メンタリストDaiGoさんのYouTube「これを受け入れたら人生変わったこと」というものを見た。その中で言っていたことだ。
平凡だからこそ努力し、習慣を身につけてコツコツやっていく。というのだ。隣を見ながら嫉妬してる場合ではない!!
直美も一歩踏み出す。
傍から見れば小さな一歩だ。けれど足は2本ある。一歩踏み出したらもう一歩、慎重に、ゆっくりと。
私自身も隣家から目の前にと目線を動かした。
じっくりとした勇気が湧き出すような一冊だった。
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