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『天国へ届け、この歌を』スマホ版

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#日記

短編小説『あなたを想いながら、ひとりお酒を飲んでいます』

単身赴任で大阪に行っている夫の裕司の分まで夕食を作った。 テーブルに差し向かいでそれを並…

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短編小説『ビルの隙間の打ち上げ花火』

やっと、小川の土手に着いた。 風景が一変した。 空が広がった。 日の名残りは、入道雲を紫…

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短編小説『そよ風にかき消された私の中に潜む悪魔』

二人並んで歩く。 駅前の歩道橋を渡り,香田美月が住んでいる反対側の,自分が住んでいる方へ向…

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短編小説『黄昏をすり抜ける爽やかな風』

落ち着かないから、約束の時間よりだいぶ早く家を出てしまった。 駅についてみると、これから…

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短編小説『落日の憂鬱』

久々 に浴衣を着て、角帯を締めた自分の姿を鏡で見る。 我ながら年を取ったなと思う。 スー…

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短編小説『夢のつづき』

夢はまだ続きます。 泥の中に埋もれそうになっているワタシ。 最後に現れたのが、オトーサン…

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「あなたを助けたい」

どうして? オトーサンは、ずっと黙ったまま私を見つめているの? 最初のうちは、相づちを打ってくれたのに。 いまはだまったままじっと私を見ている。 初めて見るこんな悲しそうなオトーサンの顔。 どうして? そんなに悲しい顔をして、私を見つめるの? オトーサンの気に障ることを言ったのかしら? オトーサンの目に、涙がたまっている。 大きな両粒の涙が、流れ落ちた。 それは、お父さんのお葬式の時にHARUTAに落ちた流れ星と同じように見えた。 オトーサンの目から、お

オトーサンと呼ばせてください

向かい側に座っている貴島支社長を見ていると、亡くなったお父さんを思い出す。 生きていれば…

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