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白木の棺

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知恩院の七不思議のひとつである「白木の棺」にまつわる物語です。
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#スマホで読む小説

短編小説「伝えておきたかった知恩院三門の秘密」

年のせいでしょうか、とりとめもなしに色々なことが思い出されます。 宮大工の娘に生まれたも…

大河内健志
1か月前
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短編小説「命をかけて守りぬくもの 」

話は前後してしまいましたが、そもそも五味様が、何故お亡くなりになられたのかをお話しなけれ…

大河内健志
1か月前
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短編小説「雪が降ると思い出す 悲しくて美しい光景」

前にもお話しましたように、知恩院三門の工期は二年とあらかじめ決められています。 奈良でし…

大河内健志
1か月前
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連作短編小説「伝えることが難しくなった千年後の理想と現実」『白木の棺』

この世界は、妥協の許さない厳しい世界です。 到達点と言うものはありません。 常に、理想を…

大河内健志
2か月前
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連作短編小説「物価の高騰による悲劇の予感」『白木の棺』

直ぐに若い大工が、模型が出来上がったので、見に来てくださいと呼びに来ました。 今までの見…

大河内健志
2か月前
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連作短編小説「天才左甚五郎の片りん」『白木の棺』

「どんなに緻密な計算をしていても、誤差が出てくるものだ。五十分の一の模型でさえ、これだけ…

大河内健志
2か月前
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連作短編小説「計算し尽くせない人智を超えたもの」『白木の棺』

主人らは、早速設計図の作成にかかりました。私は、父から宮大工たるものは、頭の中にしかと図面を叩きこんでおくもので、紙に書き込むものではないと教え込まれていました。 誰かに見せる必要もないので、棟梁の頭の中にさえきちんと頭に中に入れておけさえすればいいと言われていたので、正直主人らを見て驚きました。 主人も、中井様に通い詰めて徹底的に教え込まれたのでしょうか平然としております。 驚く私に、まずは大まかな図面を書いて、縮小した模型を作り、寸法や材料の修正をして、正式な図面を

連作短編小説「小堀遠州様の教え」『白木の棺』

家康様の喪が開ける間なしに、造営奉行の五味金右衛門様に呼び立てられました。 何やら、中井…

大河内健志
2か月前
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