『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』を見に行き、
原作を読んでみたくなったので、今日は原作の感想を
戦時中に書かれた本だけあって、
人間として本当に大切なものは何か
ということを問い続けてくれる本でした。
まず、主人公のコペル君は頭がよくで成績は良いのに
いたずらっ子でいつも先生に注意されている
というのが何とも好感が持てます。
物知りで大人ぶらないおじさんが
コペル君のよき理解者となり、導いてくれます。
この2人の関係が「大人と子ども」ではなくて、
「人と人」であるというところもまたいい。
大人が子どもにえらそうにしてしまうことって
わりとよくあると思うんですけど、
長く生きているというだけで同じ人には変わりない
ということを私は常々思います。
先に生きるものとして、後に生まれた人に
どのように接したらいいのかを体現してくれている
ようなおじさんでとっても素敵です。
コペル君の日常とおじさんがコペル君のしたことや
考えたことに関して意味づけをするノートで物語が
進んでいくのですが、
おじさんのノートの中から好きな一節を。
人間としてのねうち
を見失わないように生きていく
これが、この物語の核心だと感じました。
自分の価値を地位や名誉、持ち物など自分以外のもので決めてはいけない。
わかっているようでも、生きていく中で無意識に見栄をはってしまって
いたりするので、「人間としてのねうち」という言葉を胸に
これからも生きていこうと思いました。
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