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【ネタバレ無】「蒼穹のファフナーBEHIND THE LINE」:すき間を埋めてくれる、ファンに向けた最高の作品

自分にとっての「蒼穹のファフナーBEHIND THE LINE」、一言で言い表せる。

BTLはすき間を埋めてくれる、ファンに向けた最高の作品。

ボーナスステージ。この作品は単体では意味をなさない。シリーズを味わうからこそ成り立つ。そこがいいんだ、BTLは。


なんとなく、ファフナーに対してこう考えていた。

(ROL)一期・HAE  ┃  EXO・TBE

HAEとEXOで作品がわけられる、そう感じていたのは作品で描く世界の規模感からだと思う。
一期・HAEは島が主人公たちの世界。
EXOで一気に世界が広がって、島の外がより描かれるようになった。

物語の広がりが楽しく嬉しい半面、相対的にキャラクターの心理描写(特に真壁一騎)が少なくなったように感じられどこかさみしさもあった。
細かい日常、生活を垣間見たいのに圧倒的な情報量に押し流されてしまう、EXOの最終的な印象はそれだった。
一期とHAEは感情を軸に描く、EXO以降は情報を軸に描く、ふわっとそんな考えがあって。私はファフナーが好きなんだけれども、感情を軸に描く物語が好きだから一期とHAEのほうが好みだった。これはずっと変わらないと思っていた。


そして、EXOの先の物語TBEも完結し「蒼穹のファフナー」シリーズが完結したいま、「平和なファフナー」として描かれたのがBEHIND THE LINE。
「HAEとEXOの間に大きな溝がある」、そう思っていた私にとってBTLはそのすき間を埋めてくれる作品になった。

知らなかった。彼らにこんな日常があったなんて。なんにも知らなかった。
BTLで描かれるのは感情・会話・日常。戦闘もない、敵もいない。本当に平和なファフナーだった。しかしこれはEXOに続く平和な小さなひと時。EXOで見えなかったあらゆる感情が詰まっていた。BEHIND THE LINEの全てがEXOと、その先のTBEに続いている。

BTLを見たことで、これまで体外にあったEXOがじゅっと自分の中に入ってきた。EXOは心理描写が少ないんじゃなくてそれを汲み取れていないだけだったんだ。はちみつが溶け込んだフレンチトーストにナイフをいれたみたいに粘度も糖度も高くてずっしり重いのに幸せに満ち満ちた感覚。
何年もどこか他人事だったEXOが今どうしようもなく見たい。見たくて見たくてたまらない。
それと同時に、TBEも目の前にやってきた。いまならようやくEXOがしっかりと理解できる。その上でTBEを見たい。劇場で胸が痛くて泣いて怖くて遠ざけていたTBEを今真っ正面から受け止めたい。そんな思いになった。

BTLはこれだけでは絶対に成立しない作品。ドラマCD含め、一期からの積み重ねとこの先のEXO・TBEがあるからこそ意味を持つ。
そんな作品を「平和なファフナー」として描いてくれたことが本当に嬉しい。
パンフレットにもHPにも書かれている。「まだ誰も見たことがなかった、輝く蒼穹の続く彼らの物語が今ここに紡がれる」ですって。この平和な日常もまた、「彼らの物語」なんですよ。私の好きなファフナーはここにあった。そしてそれはEXO以降にも続いていく。

EXOで敵が来て新たな戦いに身を置く。
それを知っている上でも、ほんの僅かな時間でも平和な中でどのように生きるかどこで生きるか、それに悩んだ一瞬があったことが幸せ。
18歳、進路を考えるタイミング。等身大の悩みがあったことが、その上でそれぞれが生き方を選択できたことが嬉しい。

BTL、感動ポイントはたくさんあるけど私はエンディングが一番刺さった。みんな考えて決断した。そんな平和なひと時の笑顔が大切で愛おしくてたまらない。

この先ファフナーは、本当にBTLが最後の作品になるのか、もしかしたら続編があるのか、わからない。
それでも、いま現時点で約束された「最後のファフナー作品」の最後が平和な彼らの笑顔であることが、何よりの幸福だと思う
BTL、本当に大好きだ。BTLによってファフナーがもっとずっと深く大好きになった。


蒼穹のファフナーが改めて大切になった。
ありがとうございました

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