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こんなこともあったなあのシリーズ

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#大丈夫

273. 向かう先が一緒なら嬉しい

273. 向かう先が一緒なら嬉しい

深夜0時はまわっていなかっただろうか。
日中は賑わいを見せる、この小さな商店街の一本道も人通りが少ない。
気温は0度近かったか、寒さに震えながら家路を急ぐ私の視界の右端に彼が現れた。

「ここはなんの店なんだ?」
通る度に気になって覗いてみるも結局はよく分からなかった、そんな馴染みある店舗「らしきもの」の入り口ドアの前、2段だけある緩やかな階段に彼はもたれ掛かっていた。
怪我でもしたのか仰向けに近

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