生徒が寝るのは誰のせい?
熊大大学院の講座「インストラクショナルデザイン(ID)」に出てきました。キャッチコピーは「教え方教えます」ARCSモデルを中心に、授業を設計する10の道具について学び、ディスカッションする内容でした。
ARCS(アークス)モデルとは
教育心理学者のジョン・ケラーが1983年に提唱した、指導者が取るべき行動を注意(Attention)、関連性(Relevance)、自信(Confidence)、満足感(Satisfaction)の4つの側面で捉える学習意欲モデルです。
研修会を実施していくうえで、学習者に意欲的に取り組んでもらい、継続してもらうためにはどうすればいいのか、その原因を探る方法に使えるなと思いました。
学生が寝ているのは誰のせい?
1つの例として挙げられたのは、寝ている学生の写真でした。例えば自分の授業中に寝ている学生がいたらどうするか、、、
私の場合
1.彼のためにも起こす
2.やる気のないやつは知らん
くらいしか思いつきません。
しかし、ARCSモデルは学習者のモチベーション向上・維持のため、指導者が取るべき行動を提示しています。IDを受けて、これは相手のせいにしているだけであることに気がつきました。やる気がない学生が悪い。と学生が寝てしまう(つまらない)授業をしている自分は棚に上げていました
…耳が痛い
ARCSモデルで分析
「学生が寝てしまう授業」をARCSに沿って分析すると、
A:注意の欠如
淡々と喋ることで、飽きてしまう。
R:関連性の欠如
既に知っていることだから、やらなくていい。
C:自信の欠如
内容について行けない。これ以上聞いても意味がない。
S:満足感の欠如
真面目に受けても、褒めてもらえるわけではない。
4つに分類して考えてみると、授業のやり方、内容を工夫出来そうな気がします。
ARCSモデルで対策
A:注意に対して、講義+ワーク、そして、最後に発表してもらう。
R:関連性に対して、全員が同じレベルをやるのではなく、習熟度に合わせて自分でやるタスクを選べるようにする。
C:自信に対して、その授業についていける(授業を受ける前提条件を合わせる)ように、事前課題で学ばせる。
S:満足感に対して、発表に対するコメントをつける。
授業をする側が工夫できることが沢山発見出来ました。
授業や研修を「しゃべる」ことを目的にするのではなく、受講者のやる気を引き出し、「習得」させるために、授業を設計する。
ID、もう少し勉強してみようと思います。※「ID沼」って言葉もあるらしい…