ゲイの出来上がり方③ 〜2度目の初恋〜

前回記事もご覧頂きありがとうございました。
筆者が色々忙しくしており、更新がかなり遅れて申し訳ありません🙇‍♀️

大変お待たせ致しましたが、第3回を書いていきたいと思います。

前回は同世代男子の身体の変化から、「男性の身体」に興味を持ち始めたところまで書きました。
前回記事はコチラ↓

それでは今回のお話をしていきます。



高校に進学した私は、ここで新たに自分の中に新たな発見をします。

それは、「極度の人見知り」ということ!

小学校→中学校はほぼ持ち上がりで、友人関係もそのまま継続でやってこれました。
しかも我が校、2クラスしかないという密度の高い学校だったのです。

しかしながら進学した高校には、同じ中学校からの出身(同級生)が1人のみ。

実に99.5%が初対面。

そりゃビビるでしょ(笑)

前回書いた通り、私は男付き合いよりは女の子と談笑している方が楽に過ごせました。
だけど新しく入った学校で、中学のノリで馴れ馴れしく女の子の輪に入っていく訳にも行かず。
と言いますか、それなら男子相手も同じなんですけどね。

単純に、知らない人だらけの環境、まだ自分を出せず、自分から話し掛けるのもそりゃ緊張するし、ましてや変な目で見られたらどうしよう…

という、ただ普通に「友達作るのが下手」になったという。笑

まぁよくあることかもしれませんが、僕の場合は本当に自分に自信がなく、よく人目や顔色を気にしてしまうタイプだということがこの時期で明らかになりました。

ですが、そんな中で一つ確実な変化がありました。

その内徐々にクラスメイトとの交流ができていく訳ですが、
やはり自分は男子ですし、順番で言えば男子の友達が先にできていく訳です。

中学の頃は女の子の輪にいることが多かった自分が、男の子とつるんでる…!!

と、「男の子の輪に入っている自分」という光景が、自分自身でとても新鮮で、過去の自分とは違う自分になれている気がして、何だか高まったのを覚えています。

今思えば、本当は昔から、男の子らしく男子同士で絡むことに憧れていたのかな。

そして、「意外と男の子同士って楽しいな」とその心地良さも覚えていくことになりました。

逆に言えば、女子への接し方が段々とわからなくなっていったのです。



もう一つこの時期、自分の考えを変えていった要因があります。

それは「吹奏楽部への加入」です。

まぁこの部活については、自分が普通に「音楽系の部活に入りたい」と思って選んで入ったんですけど。

そしたら何とびっくり、

同学年で男子は僕一人だけだったのです。笑

まぁ、吹奏楽部ってそもそも女子の多い部活っていうイメージはあるけれども。

そんなことある?笑

ちなみに先輩と後輩の学年には複数人ずつの男子がいましたので、それが救いでした。

まぁ、入部当初は決して仲が悪いとかはなく。
むしろ学年に一人しかいない男子を面白がって、仲良くなろうとしたり興味を持ってくれようとした時期はあったと思います。

しかしながらどうしても女子がマジョリティの環境、
男子の立場や意見は弱いと感じる部分があったり、
意見交換の場では、一人の男子に対してまとまって来たりすることもあったり。
いつか話せたらと思うけど、性別を理由としたかなり酷い言葉でこちらの主張をねじ伏せられたこともあります。
そんなことされると、尻込みしてしまうよね(-_-)
良く言えば、同じ部活の仲間だからこその本気のぶつかり合いかもしれない。
しかし悪く言えば、男だから我慢しなければいけないという理不尽な環境と関係性を、そこに感じてしまいました。
ここで思いっきり、男としての自信が無くなってしまった気がします。

ただこれについては、必ずしも周りが悪かった訳ではなく、僕自身の不甲斐なさもあります。
楽器も上手くならない、まともな意見も言えない、後輩の見本にもならない、
自分自身何も上手くいかず、周りの信頼ばかりが欠けていく自覚もあったし、それによって周りからの目が怖くなって自信もなくなって、
何もかもが控えめになってしまいました。

自己肯定感や自己評価をより低くしがちになってしまった原因かな。
だから、頑張っていなかった訳ではないんだけど、あの時にあれ以上努力していれば、何か変わっていたかもしれません。

あとはまぁ、女の子の集団を間近で見てると、まぁー黒い部分もいっぱい見る訳です。笑
表向きではキャッキャと仲良くしてても、本人のいないところで陰口していたり、
男によって態度をコロコロ変える子がいたり。

「女って怖ぇ」というのを、高校生の16〜18歳ながらに感じてしまうコミュニティにいました。

※誤解のないように申し上げておくと、女性全員がそうだとは思っていません!
その後大学生や社会人になって、仲の良い女友達は沢山できています👍(それでも腹黒い人はいっぱい見てきたけど。笑)



話の時を少し戻して。

この吹奏楽部に入部する、16歳の4月。

新入部員の勧誘コンサートが音楽室で開かれ、見学に行きました。
そしてコンサートの後は楽器の体験会。

吹奏楽など経験のない自分(人見知り属性追加)は、どうしたら良いかな、と狼狽えていると。
男子部員の獲得を目論む(笑)男の先輩から、いくつかの楽器に誘われました。

やっぱり男の子だから、と大きい楽器を次々持たされ、最終的には一番大きな楽器、チューバを気付いたら抱えていました。

経験のある方はわかると思いますが、金管楽器のマウスピースはただでさえ音を鳴らすのが難しく、
大きなチューバで必要な息量は半端じゃありません(…と、その時の私は記憶してるんだけど実際はどうなんでしょう?)。

楽器の重さと息量の多さに疲弊し始めた頃、
「どう?大丈夫?」
とチューバの先輩(♂)が顔を覗き込んできてくれました。

あ、はい…と、先輩の顔に目を向けた瞬間。

あの時の感覚は今でも覚えています、急にブワッと風が吹いたような、その人を中心とした衝撃波を喰らったような。

それが、男性に対する初めての「ときめき」でした。
(一目惚れかよ)

その瞬間、この世に1人のゲイが生まれ、
私の2度目の初恋が始まりました。



このシリーズは次回で最終回(の予定)です!

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