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助けたいというエネルギーのトラップ

いつの頃だったかもはや覚えていないけれど、一時期、とあるエネルギーの矛盾を感じていました。

父が癌という病にかかり、闘病生活をしていた頃だったか、それより随分前の話だったか、知人友人の誰かしらが若くして亡くなったという話や難病認定されている病に罹ったという話をよく耳にすることがありました。心が痛くなり、何かしら私にできることはないかと感じてしまう出来事だけれど、そんなことを耳にすることが多いというのは「あなた自身は自分の人生を生きていますか?」というメッセージでもある、と。そんなことを毎回、感じていたのです。なぜ、そう感じるのか。またなぜそんなことを私の人生はよく耳にするのか。なぜそんな現象を引き寄せているのか。その深い仕組みまでは理解はしていなかったけれど。

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近しい人が何かしらで困っているとき、手を差し伸べたいと感じることは多いかもしれません。それが近ければ近いほど、大切な人であるほど助けたいと感じるエネルギーは強くなります。けれど、エネルギーというものをもっと俯瞰した視点でみていくと「誰かを助けたい」、つまりは「誰かの人生をいい方向にしたい」なんていうのは、私たち自身の傲慢でしかないのです。それは他の誰でもなく、本人が決めることだから。“不幸になる”(*人によって価値観が異なるものなのでここでは鍵カッコにしています)選択肢も本来は許されていていいのだから。

クラニオセイクラル・バイオダイナミクス(頭蓋仙骨療法)やシータ・ヒーリング、ソマティック・エネジェティクスなど、私が近年学んできた施術方法で一貫してとてもいいなと感じるのは、その「助けたい」という「介入が一切ない」ということが前提とされているワークだから。

誰かに対して「助けたい」という介入があると、その想いとは裏腹に、相手が「助けられるべき存在である」ということを肯定していることになります。心配というエネルギーも同じです。「心配する」というエネルギーは、相手に「心配される存在だよ」と伝えるようなもの。ちょっと身体がキュッと縮こまる感じがします。またそれは「かまってもらえる」「世話を焼いてくれる」という依存的なエネルギーを助長することになります。つまり、何かしら困っている状況から自ら脱していくというエネルギーをストップさせ、結果的に根深い共依存を生んでしまうことになるのです。

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MOTOKOさんの講座ではよく「スケープゴート(生け贄)」という言葉で表現されることもありましたが、私も例に漏れず、長らくやっていました。たしか「ヒーラーのゴミ箱をやっている」と、ありがたい吹き矢が飛んできましたが(笑)。自分自身のことを問題処理班、何かしらの捌け口のように扱って、周りの人たちを助けようとしていたのです。問題解決係。私がエネルギーの矛盾を感じていた理由が腑に落ちました。自ら、困っている人、問題を抱えている人を引き寄せていた。周囲から相談事をされることが多かった理由もここにありました。そうやりながら私は共依存という関係、もしくは深い関係になることで相手に影響を及ぼしたいと支配していたのだ、と。共依存とは支配でもあるな、と。

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少し話がそれましたが、風の時代では「修行」が必要ではなくなったように、ヒーラーやセラピスト、そして家族や友人を思いやるひとりの人間として、身をていして誰かを「助ける」という時代は終わっています。数十年前までは、自己犠牲を伴いながらも誰かを助けることが良しとされる集合意識があったり、私たちの数多ある過去世のなかでも長らく自己犠牲的な他人との関わり方をしていたことも多かったと感じます。けれど、私たちは「自立」や「自律」が何より大事となる時代に生きているのです。

よかれと思って行った相手へのお世話、よかれと思って代わりに何かをやったとしても、相手の自立は促されません。むしろ助長してしまう。本当に相手のことを思いやるのであれば、あなたは相手の方の世話を焼くのではなく、あなたがあなた自身の人生を生き始めること。あなたがあなた自身を最優先し、あなた自身の人生の責任を取るようになること、「あなたがご機嫌であること」の責任をとること、なのだと感じます。

そうやってあなたがあなたの人生を歩み始めると、近しい間柄であればあるほど、その変化に気づきます。エネルギーレベルで。もしかすると一瞬は寂しさを感じるかもしれません。ドライな人間だと思われるかもしれません。けれど、本来的な意味での相手の自立を促すことこそが、愛なのです。もしエネルギーレベルで相手の方が影響を受ければ「いいな。素敵だな。自分も自分の人生を歩もう」という選択をすることもあります。そしてそれは相手が決めること。相手の決断に期待を寄せず、ただ信頼する。愛しているよ、と愛のエネルギーだけを送る。それだけでいいのです。

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あなたがあなたの人生を歩み始めることは、あなたの大切な人を応援することになるのです。

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共依存のエネルギーがなくなると、自然と普段の生活のなかで相手のことを考えていることもなくなります。エネルギーと時間はやはり密接です。思い出すことがなくなります。エネルギーの重なり合いが切れて、クリアになったことを祝福してあげてください。誰もが自分の人生に集中すればするほど、勝手にそのエネルギーは伝播して、そのバイブスによって本来の生き方をする人が増えていきます。私たちの行動やエネルギーのうねりとは、私たちが想像している以上の影響力があるのだと感じています。

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今日は長すぎました。端的に綴れられなかったけれど、最後まで読んでくださり、ありがとうございました〜。また!










いただいたエネルギーは大切に循環させていただきます🙏✨