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最高のキクラゲを求めて(愛知県豊川市)

愛知県豊川市でキクラゲの栽培を行う喚田さん(キクラゲの妖精:けっぴー)へインタビューをしてきました。キクラゲへの愛を感じる、とても参考になるお話を聞けたので、皆様に読んでもらえたら嬉しいです!

Q:キクラゲの妖精「けっぴー」というのはなんでしょうか?

喚田さん:キクラゲをより知ってもらいたくて、ある夜ハウスから出て、満月の夜に急に腹の方からウオウオとなって出てきたんですね、それが誕生秘話ですね。

山口:
ピンクとアフロはなぜでしょうか?

喚田さん:
キクラゲも「きくら毛」が生えているということで。ピンクなのはハートフルな愛情いっぱいの妖精で。

喚田さん/キクラゲの妖精「けっぴー」(提供:木耳のお店)


Q:キクラゲ(菌類)を育てる上での難しさはありますか?

喚田さん:
金茸類なので、胞子をすごく飛ばすんですよね。(中略)それで私は育てていく過程でその胞子をある一定以上吸いすぎたせいで、キクラゲアレルギーで咳出るようになって、金茸類あるあるなのかなーていう気がしますね。

山口:
ちなみに始めてどれくらいでなったのですか?

喚田さん:
最初のうちはなんか咳出るかなぐらいな感じでやっていて、途中からなんとなく半分確信に変わっていながらも気づいてしまうと嫌だから、気づかないふりをして、(中略)1年くらいですかね。でも結構早かったと思います。

山口:
食べなくてもそこ(ハウス)に入ったら、ですか?

喚田さん:
はい、そうですね。食べるのは全然大丈夫なんですけど、胞子の方を吸い込むと咳が止まらなくなります。

山口:何か対策はどうされてますか?

喚田さん:
今は他のスタッフの人に中心でおまかせしていて、長時間入ることが確定すれば防塵マスクみたいなのをして(中略)みんなが栽培がすごく上手ですごく愛情持って管理してくれているので、ほぼほぼ栽培の方では入らずやれるようにはなっていますね。

キクラゲのハウス内(提供:木耳のお店)


Q:美味しいキクラゲを作る秘訣はなんですか?

喚田さん:育てる段階で、絶妙な加湿とお水あげるのと、あと空気の入れ替え。すごいあれが難しくて、ちょっとでも空気を乾燥させると一瞬で乾燥きくらげになっちゃうし、結構乾燥気味に育てる方も多いんですけど、うちはせっかく日本で作るんだったらあの肉厚のプリプリがなんかちょっとオススメだなって思ってるというか。(中略)そこにこだわって限界を攻めているので生産量が圧倒的に効率はすごく悪く、育て方としては効率が悪いので。すごく難しいんですけど、でも、ちょっとそこで結構こだわってるところはありますね。

山口:キクラゲは生と乾燥とがありますが、どのように生産を分けていますか?

喚田さん:常に生キクラゲの出荷をメインにしていて、注文分だったりとかを乾燥に回したりとか破れてしまったものだったりとかをそこをよけてスライスして乾燥にして、まあそういったものを佃煮にしたりとか作り続けています。(中略) 通常出しても全然問題ないやつとかも、結構検品ではじいちゃうんですよね。なのでそういったものを加工に回したりとか、あと特選タイプはもう本当に一番いいやつをそのまま乾燥に回して、もう姿からも愛でていただくような形で販売しています。

とにかく肉厚なキクラゲ(提供:木耳のお店)  


Q:1年間の生産スケジュールはどんな感じですか?

喚田さん:1年で、というより、毎週新しいキクラゲが生えてくる菌床栽培とおがくず削って袋に入れてたものになるんですけども、それを毎週新しくハウスに入れて、古くなったのを毎週その分出してくっていうようなスタイルで、年間通してずっと同じサイクルで育てているので、季節に合わせて変える事は、エアコンの温度だったりとか ボイラーの熱を入れたりだったりとか、散水の時間を変えたりってことはあるんですけれども基本的にはずっと同じサイクルで育ててますね 。

山口:温度の調節とかはやっていくうちに、わかるのですか?

喚田さん:
普段からデータを取っているので、(中略)データにより近づけれるような形でやってはいるんですけれども、やっぱり生き物なのでデータ通りに行かない部分もあって、ずっとやってても試行錯誤ですね。(中略)冬になるとちゃんと暖房炊かないと、元気がないというか、おんなじように生えても元気がないというか、春のキクラゲの方が圧倒的に元気だなと感じますね。

山口:キクラゲも生きてますし、環境を整えるのは難しいですね。

喚田さん:そうですね。水分を保つのにすごく敏感なので、20分間あの肉厚なキクラゲに風をちょっと当てとくと、もうダメになっちゃうんですね。 カリカリになっちゃって本当に難しくて。あの状態で大きく育てるのはエアコン入れると風も当たるのでハウス内でも真ん中とすみでは全然環境が違ったりとかしてすごく難しいし、他の農家さんもハウスメーカーさんとかもここまで繊細な植物を初めてと、 びっくりされる方が多いですね。

キクラゲの収穫風景(提供:木耳のお店)  


Q:愛知県豊川市はキクラゲの栽培が盛んですか?

喚田さん:たまたまキクラゲを栽培している親戚がいてそれもあって主人が経験していたので、それを含めてやりたいっていうのはあって(中略)豊川は6、7件の農家さんが見えてすごく多い方だと思います。

山口:生産者同士の横の繋がりは強いですか ?

喚田さん:そうですね、菌床をうちで作ったやつを使ってもらったり、一緒に作業にやったりとかはあるので、(中略)だいぶ強い方じゃないかなとは思います。

山口: 豊川市で良かったとかっていうのはありますか?

喚田さん:
東三河というの日本の中でも野菜の出荷量が一番多くて、農業大国と言われて、農家さんがすごく多いんですよね、圧倒的に他の地区と比べて。そういう意味ではアドバイスとかももらえて、トライしやすい場所なのかなという気はしますね。農地が確保しやすかったりとか。

赤い部分が愛知県豊川市


Q:キクラゲをどんな人に食べてもらいたいですか?

喚田さん:非常に栄養価が高い食べ物なので、小さなお子様からお年寄りまで全てのこの年齢層の方に必要な栄養分であると思ってるんですよね。例えば椎茸とか榎とかって、とりあえず買っとこうと思うんですけれども、キクラゲも(中略)日常生活の中で常に少しずつ食べていただいて、栄養も取れるし美味しいし、元気もりもりになれるっていう形で使っていただけたら 一番嬉しいなっていうのはすごく感じています。

山口:キクラゲの(オススメの)食べ方はありますか?

喚田さん:一番簡単なのはお湯で湯どおしして茹でてもらって、わさび醤油 生姜醤油、あと大葉とあえていただいたりすると非常に相性が良いですね。それが一番簡単で、次におすすめするのがオリーブオイルとニンニクときのこ炒めのアーリオオーリオとかパスタにしていただいたり、非常に美味しいですね。

キクラゲのお刺身(提供:木耳のお店)  



※ 参考情報

● キクラゲを味わうオンラインイベント風景(4/14実施):

● 愛知県豊川市の木耳農家の喚田さんへのインタビューの様子:


● 愛知県豊川市:
古くから門前町として発展しており、日本三大稲荷に数えられる「豊川稲荷」は有名な観光地となっています。農作物では大葉やハーブ、トマト等の農業が盛んで、「とよかわブランド」に認定されているものも多いです。豊年に感謝するお祭りとして、例年11月に行われる「豊川稲荷秋季大祭」があります。お祭り当日は神輿や稚児行列が豊川の街を練り歩き、豊川稲荷に掲げられる大提灯が見どころです。


● 豊川市の喚田さん:
親戚がキクラゲを栽培していたことから始まったキクラゲ栽培。そこからキクラゲの魅力に引き込まれ、もっと多くの人にキクラゲを食べてもらいたいという思いから、キクラゲを使ったわらび餅を提供する甘味処も昨年オープンしています。もっと栄養の観点からもキクラゲを知ってもらいたい、と喚田さんは、今日もキクラゲ栽培に奮闘しています。


● キクラゲのお刺身の作り方:


記事を書いた山口:



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