アシュラ2019 ~秋生と紗来編~

~元ネタ~
平熱43度 Relation vol.2
アシュラ

スピンオフパロディ 「秋生と紗来」

この投稿は平熱43度ファンのいち個人として
投稿する舞台のスピンオフパロディです。


この世界は平和だ。
こんなにも平和な世界がずっと
ずっと続いて行けば新生人種と現生人種が
お互いに補い合い、ずっとずっと世界は
平和なのだろう。
「ねぇ、秋生。秋生ってば。」
「ん?あぁ、ごめん。何?」
「秋生はずっと変わらない?」

「よく分からないけど、
きっとずっと変わらないさ。」
秋生はずっと変わらない。
私の口癖にもなっているこの言葉に飽きもせず、
毎回答えてくれる。
秋生が変わるのが怖い。
私が変わるのも怖い。
でも、きっと秋生は変わらない。
ずっと私に笑顔を向けてくれる。
「俺はバカだからさ。」
秋生はそう言うが、バカなのではない。
私に対して、優しすぎるのだ。
だからこそ、怖い。その優しさがいつか
失われてしまうのではないか。
その優しさが別の誰かに向いてしまうのでは
ないか。
「ごめんね。」
時折、私は秋生の心を読む。
私が新生人種として発現して以降、
私は秋生の心を読んでいた。
秋生の悩み、苦しみ、言葉には出さない
心の叫びをずっと読み続けていた。
「まーた俺の心、読んでるな。」
笑みを浮かべながらケロリと言う。
「だって、、、。秋生。」
そんな時、秋生は優しくとても優しく
抱き締めてくれる。
「紗来はいいよなー。俺の心が読めるんだもん。
俺も紗来の心を読んでみたい。」
「それは、イヤ。」
私の心は秋生で支配されている。
こんな心を読まれたら、きっと生きてはいけない。それでも、ちょっとだけ読まれたら嬉しいかも
なんて想像するのも、また楽しい。
「ねぇ、紗来。」
「はい、コーヒー。」
「あ、ありがとう。」
「・・・・・。」
つい心を読んでしまう。
秋生が何を考え、何を想い、どうしたいか
分かってしまう。この能力を出来るだけ
使わない様にしなければならない。
秋生が考えるこの先を常に私が行ってしまうから。
どのくらいの時が過ぎたのか、
秋生との生活がどのくらいの季節を
通りすぎたのか。私が秋生の心を
読まないようにとの意識を自然と出来るように
なった。
意識さえしてしまえば、また読むことは出来る。
でもそれじゃあ、楽しさも嬉しさも半減して
しまう。
「今なの?何で?何で今なの?」
私の口癖は次第に変わっていた。
相変わらずの二人。

「紗来、いつもレストラン。予約してあるんだ。」
「今日?」
「あぁ。後で合流な。」
電話口で秋夫は多くは語らなかったが、
今日は何かあったかしら。
と時間を見ていつものレストランへと移動する。
「秋生、今日は何?」
「今日はさ、俺が最初に紗来にプロポーズして
ロマンチックじゃないって断られた日。」
「あ、今日だっけ。覚えてたんだ。」
「覚えてるさ。俺の一大決心をだな、、、。」
あの日、私は秋夫のプロポーズを断った。
街中のど真ん中。
テレビがニュースを報じていたあの日。
私の人生は秋生と共にある。
秋生と出会わなければ、秋生との今は、ない。

「紗来、俺と結婚してくれてありがとう。
これからもよろしく。」
「もぅ、なに。秋生らしくない。」

秋生とは色々あったが結婚し
今は二人で暮らしている。
今の私には、秋生無しの世界は私には
考えられない。
この世界は平和だ。
こんなにも平和な世界がずっと続いて行けば、
私と秋生は変わらない。

「もぅ、帰ったら、ね。」
「うん、ワンダーコア頑張るよ。」
「だーかーらー、ロマンチックじゃないんだから。大好き!」

私はこれからも秋生と生きていく。
ずっとずっと。


~秋生と紗来 終~

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