アシュラ2019 ~磐城喜一編~

~元ネタ~
平熱43度 Relation vol.2
アシュラ

スピンオフパロディ 「磐城喜一」

この投稿は平熱43度ファンのいち個人として
投稿する舞台のスピンオフパロディです。

軍事顧問で防衛庁長官『代理』。
なんてヤケクソな人事なんだよ。
全く俺を誰だと思ってるんだ。

「先生、お時間ですが。」

はいはい。今行きますよ。
全くこの男は俺を誰だと思って、、
「磐城先生。」
「あー、もぅ分かった。分かったから。
森山君。君のそういう所、嫌い。」

「お褒めに預り、光栄です。」
本当に褒めているなどとは微塵にも思っていない
事など承知の上だ。
それでも尚、この男はそんな言葉を口にする。

「で、今日は新生人種君との定例会。だったね。
君はいつまで私の護衛、兼監視役なのかね。」

アシュラ、新生人種の革命組織。
革命組織とは名ばかりの復讐と言う言葉に
魅入られた私設組織。

それがこの国におけるアシュラと言う組織の認識。
防衛庁長官殺害事件が起きてもその認識は変わることなく、次に狙われるのは御免だとばかりに長官の席は空白のまま。磐城が『代理』なのも理由がある。過去の自衛隊クーデター計画。
これがあるからこそ、全権を握らせない為の落としどころ。
要するにこの国は、政府は磐城にビビっているのだ。
「ご不満ならどうぞ、あなたが長官の座に就いて下さい。」
何度その言葉を口にしたことか。
結局はアシュラの超能力に、防衛庁長官殺害事件での力の強さにビビっている。
「東京もいよいよ終わりかねぇ。」

安全保障会議後の総理の言葉に、
これからの身の振り方を考えなければならない。

「先生、どうぞこちらに。」

森山に案内された場所はアシュラとの定例会の場。簡素な会議室の一室。レンタルオフィスのようなものだ。

「磐城さん、しばらくです。」
座席の距離は心の距離。とは誰かが言った言葉か。会談を続けるうちにその距離は次第に近くなり、最低限の空白地帯(安全距離)を残している程度となった。

「さて、元気そうだね。三沢君。」

磐城が総理の代理なら、三沢君人もまたアシュラの代表、雪森茜の代理であった。
「今日は私からプレゼントがあってね。」
「先生、余計なことは、、、」
「まぁいいじゃないか。さ、受け取ってくれないか。」

森山が止めに入るよりも早く、半ば強引に三沢君人にあるものを渡す。
三沢君人は渋々ながらに受け取ると脇に控える越川に渡す。

「これはこれ。ですよ。」

会談が終わり森山の監視から逃れると、準備に取りかかる。

『アシュラ一斉摘発作戦』

この作戦は諸刃の剣だ。
腐敗した政府に新生人種と対等に
争う余力は、恐らくはない。
2年前に揉み消した自衛隊クーデター計画がここに来て役に立つとは。
「東京が混乱の発信源になる時がきたな。」
「森山君は命令とあらば、それに従うまで。
だったよね。」
「その通りですが、何か?」
「それならば話は早い。今すぐ自衛隊と連絡を取り、作戦に取りかかりたまえ。」
「、、、は?」
「聞こえなかったのかね?今すぐに行動に移したまえ。」
混乱している森山を部屋に残して執務室へ。気分がいい。
「最高の気分だ!」

俺の人生をかけてでも、娘は必ず救い出す。娘が助けられるのなら、自身の政治生命など、どうでもいい。

新生人種は病気ではない。遺伝子レベルで進化した人類なのだ。治らないのなら、全ての新生人種を解放してやる。

それだけが幸せになれる
道だと信じて。

~磐城喜一 終~

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