アシュラ2019 ~三沢君人編~

~元ネタ~
平熱43度 Relation vol.2
アシュラ

スピンオフパロディ 「三沢君人」

この投稿は平熱43度ファンのいち個人として
投稿する舞台のスピンオフパロディです。


新生人種と呼ばれる事に抵抗はない。
むしろボクには有難い「名前」だった。
東京の日本の世界の新生人種達が集い、
現生人種のいない世界を作る。
どれだけ素晴らしい事か。
実験台にされる事もなく、
超能力を畏怖され陰口を言われる事もない。
まさに楽園じゃないか。素晴らしい。

茜さんを代表にすることでボクは
自由に動く事が出来る。
越川は残念だったが仕方がない。
あいつの暴走は厄介だ。
代わりに紗来さんが居てくれるのだから。

「くくく。ははははは。」

思わず笑いが出る。
施設内にいながらにして状況の把握は容易に
出来る。ここは居心地がいい。

今月もアシュラには同志が集まってくる。
また、その活動に参加の意思を示してくる。
当然だろ。
心を読んでしまえば交渉ほど楽な仕事はない。
ダメなら切ればいい。
以前よりのメンバーは元より、最近では何処に
誰がいるか把握出来るようになった。
連絡手段さえあればボクはここにいる。

他のテレパスに直接指示を出せるのは非常に
都合がいい。やはりチームにテレパスを加える
事は有益だった。

現生人種達がなにやら画策している様だか、
ボクと面識さえあれば彼らの心を読む事は出来る。そう、分かりやすく言えばチャンネルを切り替える要領だ。

「現生人種による、新生人種の掃討作戦があります。紗来さんは京介君たちと茜さんを連れて念のため避難をお願いします。」

紗来さんの能力は素晴らしかったが余りにも
感情に左右されやすく、また好戦的ではない。
恐らくは戦争の現場には向かない。
ここからはボクの出番。

茜さんも紗来さんと同じように予知は出来るが
戦争には否定的だ。
しかも予知は当たってしまう。
その結果、越川を失う事に繋がった過去がある。
どれだけ手を尽くしても巡り巡って結果だけは変わらない。

予知させなければいいのだ。
ボクのアシュラが負けるハズがない。

そう、負けるハズがないのだ。

なぜならボク達は新生人種。
現生人種にはない、力がある。
物理的にどれだけ鉄壁でも精神的な鉄壁は有り
得ない。ヒトには心がある。
心があるからこそ読める。
だから負ける事などあるハズがない。

「さぁ、始まりますよ。」

ヒトの一生において、絶対はない。
出来る限りの可能性を探り、
手を尽くしても絶対はない。

それが現実。

「くそ!くそ!!」
「あぁぁぁぁぁぁ!!!」

ヒトには心がある。
心があるからこそ読める。
だから負ける事など有り得ない。

有り得ないハズが、戦場では起こっていた。

心がない。そんな事は有り得ない。
有り得ない事態が、戦況を悪化させる。

そう、現生人種は新生人種への対抗措置として
ヒトではない兵器。
機械を戦場の前線へ送り込んだのである。
機械、無人機による無差別攻撃。認識したものを、ひたすら攻撃する兵器。心が読めない物質。

ヒト成らざる兵器は、着々とその成果を挙げていく。雨が降りヒトには余りにも不利な状況。

負けるハズがない。
夜になればヒトの視界は奪われりるが機械には
それがない。今やワイヤレス充電が当たり前の
世界。恐らくは動力は電気だろう。
燃料切れの心配もない。

掃除ロボットだって自分で勝手に巣に戻る。
弾薬も同じく切れれば勝手に補充されている
だろう。

「くくく。ははははははは。」

悪化する戦況を見つめながらボクは
笑っていた。圧倒的に不利な状況の中、
ボクは笑っていたのだ。


~三沢君人 終~

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