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ハクソーリッジと浦添グスク

映画「ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)」をご存じでしょうか?

2016年にアメリカ合衆国でメル・ギブソン監督により作られた映画です。2017年の第89回アカデミー賞で録音賞と編集賞を受賞しました。

浦添グスクとハクソーリッジを見てきました。

公園入り口にある看板の右側の道を行きます。

道沿いの赤い葉っぱの低木はクロトンです。
クロトンの原産地は外国ですが、沖縄でよく見かけます。
カラフルな葉っぱが目をひきます。

しばらく行くと右手にこのようなものがありました。

伊波普猷(いはふゆう)のお墓です。
沖縄学の父と呼ばれる民俗学者です。

伊波普猷の墓

浦添グスクが見えてきました。

ここは前田高地という高台です。

沖縄戦のとき日本軍はここに、洞窟・トンネル・トーチカなどの陣地を作ったそうです。

浦添グスク

浦添グスクのすぐ下に壕を見つけました。現在中に入ることはできないようです。

こちらにも少しだけ城壁がありました。

浦添グスクは城壁がほとんど残っていません。
発掘調査により、かろうじて見つかった城壁の切り石を元に一部復元されたそうです。

城跡とは地形上、重要な位置にあるそうです。
浦添グスクも首里城も激戦地になってしまった理由がうかがえます。

那覇の街並みを眺めることができました。リュークスタワーと呼ばれる30階建てのツインのタワーマンションが見えます。

さらに先へ進むと広場がありました。琉球松が植えられています。

ここは愛國知祖之塔跡(あいこくちそのとうあと)だそうです。
愛知県沖縄戦遺族会等により、1962年に建立された塔がありました。
現在は糸満市平和祈念公園内に移されています。

こちらは尚真王の長男である尚維衡(しょういこう)の浦添家の屋敷跡かもしれないとのことです。発掘調査で敷石が確認されました。

崖のそばにある小さな石碑を見つけました。
説明板はありませんでした。

石碑のそばにはこのようなものが……

US ARMYによるSuevey Markだそうです。
どのような目的で設置されたのか調べてみましたが、よく分かりませんでした。

下を見ると足がすくむような崖になっていました。
まさにハクソーリッジ。切り立った崖です。

石碑に彫られているのは仏像のようです。

ハクソー・リッジを説明する看板がありました。

ここにはたくさんの外国の方も訪れていました。
この日、わたしが見たのは若い白人の男性が多かったです。
きっと米軍の関係者でしょう。
彼らはここに来て何を思うのでしょうか?

わたしは二度と繰り返してほしくないと思うのですが……。

浦添グスクの正殿跡かもしれないという遺構がありました。

ここから先は立ち入りできないようです。
左下へ降りる階段を見つけました。

前田高地平和之碑がありました。山三四七五部隊(歩兵第三二連隊)第二大隊の遺族会が設置したそうです。

こちらはディークガマと呼ばれる場所です。鍾乳洞が陥没してできたとのこと。
戦後に戦没者の遺骨が納められていたそうです。現在遺骨は糸満市の摩文仁(まぶに)へ移されています。

浦和の塔という納骨堂には、浦添グスク跡を中心に亡くなった軍人や民間人約5000人が安置されたと書かれていました。

ここには慰霊のための碑がたくさん設置されています。

ところで最近読んでいる本があります。
イギリスのハリー王子が書いた『Spare』です。
2023年1月に出版されました。
英語は苦手ですが電子書籍だと翻訳しながら読めるので便利ですね。

衝撃の内容でいろいろと物議を醸しているようです。
ハリー王子はアフガニスタンへの従軍のあとに、戦争のトラウマに悩まされたことが書かれていました。
王族ですらそのような目に合うのかと驚きました。

戦争というものの恐ろしさを改めて考えさせられました。

NHKの100分de名著という番組では、こちらの本が紹介されていました。

ジーン・シャープさんは、権力の暴力には非暴力で立ち向かうべきだと主張しています。
だけど、そのためには戦略的に考えて立ち向かわなければならないそうです。
戦略をたてずに、ただ平和を訴えているだけではダメだそうです。

番組を見てずいぶん示唆的だなと思いました。
平和を守るためにできることは何でしょうか?

ハクソーリッジと浦添グスクを見て考えさせられました。

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