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支援事例「自分でできる青色申告」

令和 5 年 7 月 9 日 沖縄タイムス経済面掲載

どんぶり勘定から脱却

◆ 企業名 T社
◆ 業 種 製造業
◆ 所在地 非公表
◆ 資本金 非公表
◆ 創 業 非公表
◆ 従業員 非公表

【相談】
 個人事業主のT氏は創業から二十余年間、毎年確定申告の時期に1年分の収支をまとめ申告を行ってきた。2022年は大きな受注が決まり喜んだものの、納税がいくらになるのか見当がつかず、不安になり相談にみえた。

【回答】
 確定申告には節税効果の高い青色申告制度がある。この制度をフル活用すること、経営成績をリアルタイムで確認ができるようになることを目指し、会計ソフトの導入を提案した。
 導入に当たって、市販されている会計ソフトを選ぶ際のポイントを説明し、自分が使いやすいソフトで入力を進めてもらった。決算額確定後はソフトの案内に従い青色申告書を自身で完成させ、電子申告が行われた。
 売り上げが過去最高となり、当初納税額が100万円前後になりそうだと資金繰りを心配されていた。会計ソフトのガイドにしたがって青色申告制度のメリットをフル活用した結果、納税額は10万円以下となった。
 個人事業主の青色申告に必要な市販の会計ソフト利用料は年間平均1万5千円程度である。経理経験がなくても作成から申告まで出来るよう工夫されており、費用対効果は非常に高い。
 年1回、申告の時期にまとめて領収書等を入力して確定申告を行う事業者は多い。この申告作業が終わらないといくら儲かったのか、赤字なのかもわからない。大まかに現金の出し入れが行われるこの状態を、いわゆる「どんぶり勘定」と呼ぶ。正確な決算書等を作成できず、場合によっては余計な税金が発生することもある。
 同社は現在、適時に収支の入力が行われ、リアルタイムに試算表が確認できるようになった。融資相談の際に金融機関で会計ソフトの試算表を一緒に見ながら説明ができたとの報告も受けている。どんぶり勘定からの脱却で、設備投資や人の採用など、今後は数字に基づく適切な経営判断を行うことができることが期待できる。
 当初、売り上げ拡大の相談でみえたT氏は地道な周知活動、高い技術力が評価され、売り上げは堅調に増加している。今後もあらゆる経営課題に対応するため、他のコーディネーターと協業しながら多面的な支援を行っていきたい。
(県よろず支援拠点コーディネーター・税理士 友寄亜由子)。

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12543459.html

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