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支援事例「アフターコロナに向け今すべきこと」

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令和 3 年 10 月 10 日 沖縄タイムス経済面掲載

優先度決めて事業計画

 ◆ 企業名 P社
 ◆ 業 種 飲食業
 ◆ 所在地 宮古島市
 ◆ 資本金 非公開
 ◆ 創 業 非公開
 ◆ 従業員 非公開

【相談】
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、来店客も売り上げも激減した。テイクアウトも考えたがランニングコストがかかってしまう。アフターコロナを意識して今やるべきことを教えてほしい。

【回答】
 相談者は、宮古島の繁華街のはずれにある居酒屋店主。開業当初からリーズナブルな料金とボリュームのある料理が地元客の高い支持を得てきた。新型コロナウィルスの影響が長期間に及ぶと予想し、資金繰りを安定させるためにセーフティーネット4号の認定を受け、金融機関から融資を受けることができた。
 「資金繰り対策は整ったが、今アフターコロナを意識して何をすべきか」。相談に来られた店主の意識は前向きだった。ウィズコロナでの心構えは「勝つ」のではなくて「負けず」に生き残っているこが大切である。マーケットで生き残るには、ランニングコストを削減し、損益分岐点を下げて商売を組み立てていくことが求められる。
 経費を削減するためにITを活用して作業効率を改善した事例と、金融機関の借り換えでキャッシュフローを改善した事例を紹介した。また、売上高やコスト、在庫などの指標を大きい順にランク付けし、優先度を決めて管理する「ABC分析」によって客単価を上げる手法を詳しく説明したところ、さっそくメニューを改定し、新たに3千円コースが盛り込まれた。
 さらに、中長期の事業計画を立てるよう促し、売上目標や客数、客単価などの計画づくりを提案。相談者のお店が選ばれるための1.商品2.サービス(接客)2.店作り―の3つについて、「今できてないこと」「今できていて、さらに発展させられること」の整理から始めることにしている。
 単なる居酒屋では支持されない時代がくるかもしれず、売れ筋メニューをさらに強くするために地域で唯一の、特徴ある看板メニューを出していかなければならない。コロナ禍で一気に加速した、消費者の「サステナビリティ(持続可能性)」に関する意識の高まりに、居酒屋としてどう対応していくかという課題も明確になった。
 経営者として「ピンチをチャンスに変える」という強いメンタルを持つ相談者に寄り添いつつ、残された課題を解決していきたい。
(県よろず支援拠点コーディネーター・砂川淳一)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12055157.html

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