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支援事例「土産の新商品・命名で助言を」

令和 6 年 6 月 2 日 沖縄タイムス経済面掲載

伝統菓子も時代で変化

 ◆ 企業名 有限会社りゅうほう
 ◆ 業 種 食品製造販売業
 ◆ 所在地 那覇市
 ◆ 資本金 1千万円
 ◆ 創 業 1988年
 ◆ 従業員 3人

【相談】
 思い切ってサーターアンダギーにチョコクリームを入れたい。伝統的な作り方の人気商品はあるがコロナ禍の後変化を求められていると思う。ネーミングもデザインも売り上げに直結するのでアドバイスが欲しい。

【回答】
 同社は沖縄土産品の菓子製造を行っており、現会長が知人から依頼で事業を買い取ったものの、販路はなかった。しかし今では那覇空港から県内観光拠点をほぼ網羅している。商品数は24点を超え、その中の「サーターアンダギー」と「ちんすこう」は自社で製造しているが、県外製造の仲卸商品は7割を占めている。
 これは沖縄素材を使った県外製造土産品が県内市場にあることを意味する。市場の現実と自社が目指すべき目標にはまだ乖離(かいり)がある。代表の田中俊浩さんは、琉球の食文化を代表する伝統菓子2商品をまず設備投資し自社製造にした。
 今回の相談は主力商品のサーターアンダギーの売り場が競合商品も含め縮小傾向にあったため、新たな商品開発の考え方についてである。土産品には伝承と伝統を混同しているケースが多い。変えてはいけないのは後世へ引き継ぐ創生技術の伝承で、「伝統」は時代に合わせたニーズを先取りしたものであることをあえて説明した。
 新商品のチョコクリーム入りのサーターアンダギーは新しい沖縄らしさとして観光市場から受け入れられるはずである。ネーミングは工夫が伝わるような説明文調もありと提案したら「沖縄の伝統菓子サーターアンダギーの中へチョコクリームを入れちゃいました」に決定した。デザインは、チョコクリームが見えるように2つに割った写真を入れるよう提案をした。

「沖縄の伝統菓子サーターアンダギーの中へチョコクリームを入れちゃいました」

 このように自社製造商品をブランド化するためには「ちんすこう」や「サーターアンダギー」の一般名称を付けるのではなく、登録商標になるためのネーミングの考え方が必要である。特許庁に登録された商標を事前に検索できるJ‐PlatPatの活用も提案した。観光商品のブランド化を進めるためにも引き続き応援していきたい。
問い合わせは有現会社りゅうほう、電話098(857)7238
(県よろず支援拠点コーディネーター・嘉数純)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12738861.html


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