電気料金はこのまま上がり続けるの?

お久しぶりです。すでにホットな話題ではなくなっていますが、先月末も世間を騒がせた電力料金。まだまだ関心事項ではあるようですのでみてみたいと思います。

電気料金、経産省に値下げ命令の権限なし 燃料費調整額での対応は困難

”ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格高騰の影響で、電気料金の負担軽減策が参院選の争点に浮上している。燃料価格の増減を一部プランで電気料金に反映させる「燃料費調整額」が増加し、値上げが続いているためだ。値下げを求める声も上がるが経済産業省に値下げを命令する権限はなく、負担軽減の具体策は見通せない。”(産経新聞Web版より一部抜粋)

そもそも燃料費調整額とは?

沖縄電力H Pより

せっかくなので、沖縄電力さんのHPより抜粋してみました!(「わかりにくい!」とは言わないでください、、、かつて私が管理していたページのまま。。。)

とりあえず、「燃料費調整単価」なるものがあります。その単価というのは、毎月の貿易統計の数値によって上下する仕組みになっているのです。ちなみに、貿易統計は政府が発表するものなので、電力会社では操作できません。

そもそもなぜ燃料費調整制度があるの?

私の勝手な理解ですが、これはこれまでの電力システムの根幹である「安定供給」に関わるところかと思います。
「電力会社が安定的に燃料を調達できること」がなければ、電力を安定的に(使いたい時に使えるように)供給できなくなるリスクを回避するために、燃料費の上下に関するリスクは制度的に回避できるようになっています。(リスクを回避する代わりに、還元もできるようにもなっている。)
つまりは、燃料費が上がると通常の民間企業だったら調達を一時的に抑えたりすることで「価格を保ちつつ供給を減らす」か、「価格を上げながら供給を減らさない」ようにするなど経営の自由があります。

全ては「安定供給のため」

しかしながら、電力会社(ここでは旧一般電気事業者と呼ばれる大手電力)が勝手に電力供給を絞ると社会的な影響が大きいため、「安定供給」を確保するために
「燃料の価格は料金に転嫁できる仕組みにする代わりに、供給を減らすことはしないでね」
という約束が交わされたのです。(誰と誰の間かというと難しい。。。)
しかしながら、「電力の全面自由化」となった今、どこまでこの制度が必要なのかは議論の余地がありますし、また燃料費調整制度が嫌な方はその他の電力会社を選ぶ自由もあるので、批判の対象にはならないのかなぁと思ってもいます。
ただし、「消費者保護」の観点から実はこの燃料費調整単価には上限が設けられています。なので、それ以上の燃料費になると電力会社がカバーしないといけないことになります。。。。赤字になったとしても、燃料を調達し続けて、あるべき単価(しっかりと人件費や将来への投資も含めた価格)では売れないという現実もあります。

どこまで燃料費調整単価は上がるのか?

新電力ネットHPより

しかしながら、全面自由化の後にはこの「上限」がない料金メニューも多く出てきています。
沖縄だとグッドバリュープランや従量電灯Plusがそれですね。
「電気料金単価を安くする代わりに、お客さんにもリスクを取ってもらいますよ。」と。
私からするとまあ経済合理性を考えると、真っ当な経営な気もします。

「あれ?でも上の図を見ると沖縄の単価は上がり続けているけど、上限はどこ?」

そんな声が聞こえてきました。。。
そうです!!私も「これはやばいぞ!」と思って沖縄電力のHPを確認しました!!
そうすると、こんなプレスリリースを発見!

沖縄電力HPより

え?うそ?そんな優しいことしてくれるの?感動。。。。
だって、契約上はそのまま単価を上げていいんですよ?
私だって安い電気料金にしたくて選んだメニュー。。。ごめんね。ありがとう。
って思いました。

そう思っていた矢先、、、、、

沖縄電力HPより

あれ?単価上がっている。。。。。

ちょっと謎めいてきたのでこの件については一旦確認をしておきますね。

経産省が値下げはできないのは当然

これは当然ですよね。
経産省が電力自由化を推し進めたわけですから、電力会社が自由に料金を決めるということは当然の権利です。
ただし、消費者保護のため既述の通り上を残した電気料金メニューもまだ各社ちゃんと残しています。このメニューについては、経産省はある程度の権限は持っていますね。
なので、このニュース記事の見出し「電気料金、経産省に値下げ命令の権限なし」はやっぱりミスリーディング。。。

答えは「どこまで上がるかなんて誰もわからない」

そうです!だって原油の価格、石炭の価格がどこまで上がるかなんて、分かったら先物市場で大儲けできますよ!

とはいえ、分かっている範囲での答えは以下の通り。
沖縄でも答えは二つです。
「燃料費調整単価の上限がある電力料金プランは今以上は上がりません。」
「燃料費調整単価の上限がない電力料金プランは分かりません。」

みなさん、簡単に電力プランは契約できますが、しっかりと中身は理解しておきましょう。
と言っても、沖縄ではなかなか選択肢がないので、比較して選べるかというと難しいところですが。。。。。

ではでは。

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