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家庭水田をやりたい人、現る。

前回の記事を見て、「来年から自分で田んぼをやってみたい!」という方が複数、現れました!複数、っても二人ですが。すごいことです。今日は我が家の米事情や、田んぼの生き物をご紹介しつつ、家庭水田の魅力を掘り下げたいと思います。

自分が食べたい品種を選んで作る

海士町で栽培されているうるち米は、コシヒカリ・つや姫・きぬむすめ、といったコシヒカリ系の品種が主ですが、我が家では3年前からササシグレ、昨年からは加えて亀の尾という品種を育てています。

どちらも古い品種で、化学肥料を使って育てると病気になりやすかったり、品質が悪くなったりで、他の品種に切り替わった経緯があるそうです。でもその反面、肥料なしの栽培には向いているように思います。

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酵素玄米と、白米。いろんな食べ方を楽しんでいます

コシヒカリに比べると、どちらもあっさり、さっぱり。個人的には香りはササシグレ、食感は亀の尾が好みなので、今年からは、炊くときに比率を変え混ぜてみようと思っています。

玄米は1升、白米は5合ずつを炊き、茶碗に半々で装う、というのが定番なのですが、子供たちは玄米が好きで、写真を撮っていたら、あっちぃ、と言いながら手をのばしていました。

白米は7分づきくらいで、1〜2日経つと黄色っぽくなりますが、不思議なことに、味は炊きたてとあまり変わらず。たぶん1週間くらい保温しても普通に食べられると思います。

また、麹をおこせば、味噌、甘麹、塩麹・・と、食卓の幅が一気にひろがります。

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麹の出来次第で、味噌が美味しくなったりしておもしろい。

品種の違いは麹にも表れ、例えばササシグレの麹はやさしい甘味があり、亀の尾の麹は旨味が強い。品種で麹を使い分けるのも面白いです。

副産物も役に立つ

たとえば藁づとで納豆を作って、巻いてみたり。(海苔も自家製造できるのは島ならでは)

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納豆巻きが食べたくなってきた

自分で育てた藁でしめ縄を作ってみたり。

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籾殻は、くん炭を作って、糠・生ごみなどと混ぜ、発酵すれば、家庭菜園にも利用できる土ができます。まず家庭水田で主食の米を確保しつつ、家庭菜園へ、という流れも良さそうです。


生き物が増えるヨロコビ

田んぼで農薬・肥料を使わなくなると、生き物が増えてきます。田んぼ目線では、戻ってくる、でしょうか。自分の選択ひとつで、生き物が増えると、目に見えない自然に支持されているようで、なんだか嬉しいものです。冒頭の写真は、撮りたいなぁと思った瞬間、現れたイトトンボ。ほかにもイトミミズ・ミジンコ、マツモムシ、タイコウチ・・年々、生き物であふれてきます。

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これはイチョウウキゴケという浮くコケで、小さいハートがだんだん大きくなって二つになり、半円になったら真ん中で二つに割れる、というハート無限増殖のすてきな生き物。昔はどこにでもいたけれど、今は準絶滅危惧種になっているそうです。

虫もコケも、私にとっては、見てほっこりするくらいのものですが、科学技術が進んだ未来では、思わぬ価値を生むかもしれません。

夏休みの生き物観察に、我が家の田んぼをどうぞご利用ください。

次回は、『家庭水田のスケジュール案 2021年版』を考えてみます!

面白かった本:自然栽培vol.17「深すぎて笑える。米と日本酒」

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