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No.1137 からだの天文学

ネットの「教えて!goo」のページに、
「くだらない質問かもしれませんが、
ごはん茶碗一杯分は、にぎりのシャリ何貫分ですか?」
というのがあり、思わずゆかしさにマウスをポチッと押しました。
 
親切さん(その1)
「握り寿司は一貫10g~25gだそうです
お茶碗一杯分が140g~150gになります。
ちなみに寿司ロボット(シャリ玉成形機)は約18g~24gでSS・S・M・Lの設定のものが多いようです。
 スーパーや回転寿司で普通の大きさのお寿司は20g~22gになるのでお茶碗一杯分は7~8貫くらい。」
という懇切丁寧な説明があり、ベストアンサーに選ばれていました。
 
親切さん(その2)
「寿司の達人が握り寿司を作ると米粒がちょうど400粒と言われています。
また、1合の米粒は小学生たちの計測により約6400粒です。」
というのもあり、覚えやすい数字を教えて頂きました。
これぞ、「マイナンバー(米数字)!」なんちゃって。
 
1988年(昭和63年)から続く「探偵ナイトスクープ」という番組だったか、
今から20年ほど前に西田敏行が局長になった翌年の1月の放送でしたが、
「1升マス1杯の米粒の数は、どれくらいでしょう?」
という、ちょっとバカバカしいけど、思いっきり聞いてみたい質問が探偵さんに投げかけられました。
 
そういえば、1斗升、1升升、1合升をとんと見かけなくなりました。
昔、昔の、そのまた昔というほど古くはありませんが、子どもの頃の「毬つき歌」に、こんなのがありましたが、どなたかご存知ですか?
「一もんめの 一助さんは
 一の字が 嫌いで
 一万一千一百石
 一斗 一升 一合マス
 お蔵におさめて 二もんめに渡した…」
こんな風に歌いながら2人目、3人目と毬を渡してゆく遊びです。私たちが子供の頃は、1斗升、1升升、1合升は健在でした。おそらく探偵さんへの質問者も昭和の前半の方でしょう。
 
さて、その答えですが、20年前の学級通信のコラムに書いていました。すっかり忘れていたので、かえって驚いたのは私の方です。探偵さんと依頼人が数えた答えは96,320粒でした。お百姓さんの「苦労満つを」(96320)。

「1合の米粒は小学生たちの計測により約6400粒です。」
という先の親切さんの情報から10倍して、1升は6,4000粒前後かなと予想していましたが、2,000粒ほど外れました。
 
もっとも、どこの地方の何という米の種類かによって、1粒の大きさも重さも少しずつ変わってくるでしょうから、当然と言えば当然の結果なのかも知れません。
 
一体、人は一生にどれだけのコメを食べるのでしょう?それを米粒に換算すれば、恐らく気の遠くなるほど天文学的な数字になるのでしょう。私たちの体は、天文学で出来ている?いつもなら遠い存在の言葉が、急に身近に感じられた次第です。
 
「米(よね)くるる友を今宵の月の客」
 松尾芭蕉(48歳?)
「笈日記」元禄4年(1691年)8月15日、義仲寺無名庵にて。


※画像は、クリエイター・小島ツトムさんのお寿司(1貫)の1葉をかたじけなくしました。喉が鳴るほど旨そうな写真です。お礼申し上げます。