No.1029 その人の文体に「ほ」
1955年(昭和30年)生まれの竹内政明さんは、讀賣新聞に入社し、2001年7月から同紙のコラム「編集手帳」を担当開始した論説委員でした。心温まる筆致と洗練された文体が魅力のコラムニストです。
その竹内氏が2009年(平成21年)に書いたお話です。紹介させてください。
ここ数年、新型コロナ禍により、名刺交換もままならない事態となりました。それでも、カメラでスキャンした名刺を画像データやPDFファイルに変換してメール送信したり、QRコードにして読み込んでもらったり、紙の名刺を郵送したりするなどの方法がとられてきたそうです。やはり、名刺の持つ有用性は変わらぬものと思われます。
形態からすれば「名紙」とあるべきものなのに、なぜ「名刺」と書かれるのでしょう?
また、「日本では、19世紀の江戸時代から名刺が使われるようになった」ということも、そのホームページに教えて貰いました。ヘーボタン乱打です。
「新入社員と思しき若者から突き飛ばされそうになった」体験から、ここまで文章を掘り起こして展開させ、唸らせたり心を温かくさせる竹内氏の文体に、私はゾッコンでした。ところが、2017年に急な病を得て、社会のマス目から身を引いてしまわれました。
目に沁み、心に沁みる文章が懐かしく思い出されることがあります。いつかまた、紹介させてください。お手紙を差し上げたら、こんな田舎者にも丁重なる自筆のハガキをわざわざ書いてくださった、そんな竹内氏のコラムを。
※画像は、クリエイター・よーぺいさんの、タイトル「noteを始めて2週間」の1葉をかたじけなくしました。その前に座ると、身の引き締まる思いがしてきます。お礼申します。