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リモートワークの生産性を高める3つの「変える」

withコロナの時代ももうすぐ1年、ワークスタイルの変化にも慣れ始めた頃でしょうか。
所属するSynamonではリモートワーク推奨の体制で、事業開発を担う私も原則在宅勤務を行っています。

元々、自宅であっても難なく作業を進められるタイプなのですが
「どうせならオフィスより仕事のできる環境を作りたい」
そう思い、生産性の高い環境について色々と調べて実践したのでまとめてみます。
「自宅だと何だか集中できないよー」という方はぜひご参考に。
「何だか」には必ず理由があります。
今回はデスク周りを中心に紹介させていただきます。

はじめに

1番目の光、2番目の姿勢に関してはご存じの方も多い内容かと思います。
かつ、ガジェットが必須ではあるので人によっては敷居が高いかもしれません。
ただ、3の空気はどなたでもすぐに実践できて効果の高いものです。
お忙しい方はそちらだけでも目を通してみてください。
今日から生産性が高まりますよ。
※記事全文は5分程度で読み切れる内容です。

1.「光」を変える

まず、簡単かつ効果が高いものを紹介させていただきます。
それは照明です。
最近はスマートライト Philips Hue普及の影響で、照明と集中力については聞き覚えがあるかもしれません。

生理人類学・人間工学を専門に研究している九州大学の安河内 朗教授いわく、「照明はただ暗いところが見えれば良いではなく、色々な状況に合わせた使い分けが大事だ」とのことです。

眠くなるような単調作業の場合は、脳を活性化させる昼光色の光が良いということになります。
逆に、創造的な作業や集中力を要する作業には脳の活動が活発になりがちですので、あまり興奮しすぎないように平常の状態に引き戻すために電球色が有効なわけです。
引用:安河内朗 『光のPAデザインとは』
http://www.hikariiku.com/mariot-club/eye/pa/index.htm

自分の場合は「単調作業だから昼光色」「ブレストだから電球色」のように状況に応じて逐一変更まではしておらず、「朝起きてから夕方までは昼光色」「夕方以降は電球色」のように時間帯でのざっくりとした運用を採用しています。
これは日中は脳をシャキッとさせるため夕方以降は脳を落ち着かせて夜の睡眠を質の良いものにするためという意識です。
(本当は作業状況に応じて変更までできればいいのですが…)
自分の感覚としては、ざっくりとした運用だけでも脳を最適化できている印象はあります。

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引用:電球・蛍光灯の色の種類「電球色」「昼白色」「昼光色」について徹底解説!
https://www.denkyuya.jp/magazine/297/

突然、睡眠の質なんて話が出てきましたが、「しっかり睡眠がとれているか」は集中力に大きな影響を与えます。当たり前ですが、眠気がある状態だと仕事どころじゃないですよね。日中の生産性を高めるためにも睡眠の質は重要というわけです。
そのため、余裕のある方はデスク周りだけではなく、照明を前述したスマートライトに変更し、家全体で照明の光を管理することをお勧めします。

睡眠に関しては睡眠コーチの友人のnoteを一読ください。
正直、睡眠に難を感じている方は、本noteの内容を実践する前に質の高い睡眠を意識された方が生産性が高まるかと思います。
私自身、彼のnoteを読んで導入したアイマスクと加重ブランケットは睡眠の質を高めるために手放せないガジェットになっています。

デスク周りはスタイリッシュなものをということで、私は下記のライトを愛用しています。
色温度はもちろん、光量や角度調整も容易です。
ワンタッチで昼光色と電球色を切り替えられるので便利ですよ。

2.「姿勢」を変える

次は姿勢です。
少々値は貼るのですが、noteではお馴染み(?)のスタンディングデスクの紹介です。
私は柿本さんのnoteを読んで思い切って購入しました。

当初は「腰の痛さが楽になれば」との目的で購入したのですが、生産性向上にもかなり効いていると感じます。
ただ、下記のような実証結果は存在するものの、スタンディングデスクと生産性の関係性はいまも様々議論されているのが実際のところです。

個人的には定期的に座ったり立ったりして姿勢を変えることがリフレッシュになり、集中力維持にかなり効いていると感じます。立ち姿勢時は眠くなることもないですからね。
メンタリストのDaiGoさんはスタンディングデスクとステッパーの併用をお勧めされていますが、これまた結構なお値段…。
代わりにダイソーで売っていた足つぼマットを使用しているのですが、気持ちが良くてお勧めです。リフレッシュ効果も高いです。

スタンディングデスクは様々あるのですが、個人的には電動昇降式一択です。

当初は、ニトリで半分以下の価格の手動昇降式スタンディングデスクを購入しようとしていました。ただ、手動式では手軽に高さを変えられないため、定期的に姿勢を変えるのが億劫になるかと思います。
実際、使ってみるとわかるのですが、思っていた以上に立ち姿勢を持続するのは疲れます。なので、頻繁に高さを変えられる電動昇降式を全力でお勧めします。
もちろん、予算との兼ね合いになるかと思うのですが、机なんてそうそう買い替えないでしょうし、机+椅子にお金をかけるのであれば、椅子の予算を少し抑えて机に奮発するという選択肢も検討してみてください。
単純に立ちと座りだけではなく、微妙な高さの調整も可能ですので、PC作業時と読書時でそれぞれ適切な高さに変更もお手軽です。
文字通り、見える世界が変わります。

3.「空気」を換える

はい。空気です。
正直、前述した光と姿勢は既に知っている方も少なくないのかなと思っています。
空気に関してはまだまだピンとこない方が多いのではないでしょうか。
ただ、この空気、想像以上に重要です。
外が寒くてエアコンが手放せないこの季節、「頭がぼーっとして集中できない」と感じている方のほとんどが空気による影響かと思います。

空気とは具体的には室内のCO2濃度を指します。
室内のCO2濃度とパフォーマンスについては様々な研究結果が報告されています。

2012年、米国のローレンス・バークレー国立研究所のウィリアム・フィスク氏とニューヨーク州立大学のウシャ・サティシュ氏によって、CO2が脳の機能(意思決定)に与える影響について共同研究が行われました。この研究では、22人の被験者がSMS(Strategic Management Simulation)というテストを受けました。テストは3種類の条件(600ppm、1000ppm、2500ppmのCO2を含む環境)で行われました。600ppmの環境に比べて1000ppmで6項目が低下しました。また、2500ppmの環境では7項目が大幅に低下しました。これにより、CO2が意思決定の過程における実行機能を低下させることがわかりました。
引用:CO2が脳の機能(意思決定)に与える影響
https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=525
ハーバード大学公衆衛生大学院の2017年の研究で、換気率と化学物質濃度、CO2濃度の異なる環境下で24名の知的労働者が作業を行った。
上記の結果、より良い空気を吸うと、研究参加者たちの意思決定パフォーマンスが著しく改善することが明らかになった。
換気率を高め、化学物質の濃度を下げ、二酸化炭素の濃度を低くした環境の中で働いていた時には、9つの認知機能領域にわたって、テストの得点が高くなったのだ。テスト結果が最大の改善を示したのは、いかに情報を使って戦略的決定をするかを試す分野と、危機の最中にいかに計画を立てて覚悟を決め、戦略を練るかを試す分野だった。これらはまさに、知識経済で必要とされるスキルだ。
引用:オフィスの空気が淀んでいると仕事の生産性が低下する
https://www.dhbr.net/articles/-/4858?page=2
<おおまかな二酸化炭素濃度の目安>
350~450ppm   過剰な換気(外気:330~400ppm)
450~700ppm   理想的な換気レベル
700~1000ppm  換気が不十分(室内では1000ppm以下に抑えることとされている※)
1000~1500ppm  悪い室内空気環境(学校環境では1500ppm以下が望ましいとされている)
1500~5000ppm  これ以上の環境で労働をしてはいけない(労働安全基準法では、5000ppmが限度)
5000ppm以上   疲労集中力の欠如(締め切った車の中は、5000ppm以上になることもあるらしい)
※建築物衛生法、建築基準法、労働安全衛生法
引用:チームラボオフィスの空気環境(CO2)を測定して改善している話
https://ch.nicovideo.jp/tks/blomaga/ar932992

いかがでしょう。空気、凄くないですか?
「仕事中や授業中に襲ってくる睡魔は、オフィス内や教室内のCO2濃度の上昇が原因」という研究報告もあるなど、高いCO2濃度は生産性の敵なわけです。
そもそもCO2濃度は、建築物において1000ppm以下(厚生労働省/建築物環境衛生管理基準)、教育施設は1500ppm以下(文部科学省/学校環境衛生基準)に保つように定められています。なので、オフィスは換気能力が高い傾向にあり、空気による影響を感じないことが多いのだと思います。

ここで気になるのは「○○ppmの目安」ですよね。
部屋の広さや人数にも依るので一概には言えないのですが、密閉された5畳程度の部屋に1人という環境ですと、15分もあれば1000ppmを超えてしまいます。エアコンをつけると、ものの数分で到達します。
小学校の先生が口うるさく「換気しなさい」と言っていたことにも納得です。
つまり、換気の重要性をご存じなかった方は知らず知らずのうちに生産性を落としている可能性が非常に高いです。

ただ、みなさんはこのnoteで換気の重要性を知ってしまいました。
知ってしまえばあとは簡単です。対策すれば良いのです。

私はCO2モニターで空気の状態を可視化し、適切なタイミングで換気を行っています。自分で設定したppm値を超えるとランプの色が変わる優れものです。
購入時はモノタロウで1万前後だったのですが、品薄の影響かAmazonではいいお値段になっていますね…。とはいえ、CO2モニターの中では安い方です。逆にこれより安いCO2モニターは上手く計測してくれないこともあります(Amazonで頼んだ安物は機能せず返品しました)。

※2021/01/23追記
noteを書いて一番反響の多かったのがやはりこの空気の項目
「CO2モニター安くていいの無いの?」と質問が沢山来るようになりました。実際に購入した友人のレビューを元に、現状コスパ良くおすすめできそうなものは下記です。温度と湿度の表示も兼ね備えていて便利…!

ただ、あくまでCO2モニターは空気の状態を可視化してくれるだけですので、必須アイテムではありません(ここ大事)
要は定期的に換気してあげればよいのです。
「1時間に1回は換気する」「眠気を感じてきたら換気」など、ご自身で換気のルールを決めることができればCO2モニターは必要ないです。
窓が2つあるなどで、空気の通り道を作れる状態であれば2-3分、窓が1つでも5分程度全開にするだけで基準値レベルの濃度に戻ります。
部屋に換気扇がある場合は、換気扇を回してあげるだけでもかなりの効果があります。あとは、窓やドアを数cm開けた状態でキープするだけでもCO2濃度の上昇が抑えられます。かんたん!

まとめ

以上、生産性を高める方法 デスク周り編でした。
皆さまの「何だか」解消のお役に立てたでしょうか?
いままで会社任せにしていた生産性の高い環境づくりですが、中々奥が深いですよね。
自宅ですし、出来る範囲で好き勝手変えてしまって、納得のいく空間を作りましょう。よきリモートワークライフをー!

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