オキケン

エッセイを書くのが夢だったので叶えにきた40代のおじさんです。

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最近の記事

今をしっかり生きる

右肩鍵盤断裂、それが病名だった。 世間も慌ただしくなってきた年の瀬、じわじわと右腕が痛くなってくるのを感じた。この忙しい時期に病院なんて行ってられるか、と放置していたら痛みが悪化してきた。 ようやく重い腰を上げ受診した頃には年が明けて2ヶ月が過ぎていた。通院してみたものの一向に治る気配はなく、痛みの原因がわからないまま転院を繰り返すこと3回。 最後に行きついた病院で右肩鍵盤断裂と告られた時にはもう桜が散っていた。40代では比較的少ない症状らしい。 体を使う仕事だったため、通

    • 初めての個室とポルターガイストな話

       突然ですが皆さんは心霊現象、例えばポルターガイストと言われるものを信じていますか?私はというとそういった知識も霊感もなく、一点の曇りなく信じていませんでした。  そんな私が今では、「まぁ、心霊現象とかあるよなぁ〜」と思うきっかけになった過去の出来事のお話をさせて頂きます。  18歳という多感な青春時代、私もご多分にもれず悶々とした生活をしておりました。大学に行くほどの学力もなく、また我が家の財政的に実家を離れるという選択肢もないなか、必死に親の脛をかじりまくり、有難いこ

      • 宅飲みと見知らぬ女性の話

        成人して間もない頃のこと、夜中に「今、友人の家で飲んでるから来いよ」と誘われ「んじゃ行くか」と軽いノリで行った事があった。とはいえ僕は車の免許を持っておらず、もっぱらバイクを日常の足がわりにしていたのだった。 当時はトレンディードラマの影響もあってかロン毛の全盛期。そのロン毛にタオルを巻くのが一つの作法というかイケてるシンボルになっていた。僕は短髪だったが、バイクから降りた時ヘルメットのあとがついておかしな髪型になるのが嫌で、必ずタオルを頭に巻いていたのだった。 仲間内からも

        • 幼き頃の素直な私

          確か小学1年生の時、担任の先生に「嘘はついてはいけません」と僕は教えられた。両親からも「素直でいなさい」と育てられ、ああ、なるほど嘘付きはいけないのだ、人はみな素直に生きなきゃいけないのだと子供心に思ったものである。 月日は経ち中学高校と進学するのだが、その頃になって幼少期に教えられたアレはどうも『何か』おかしいという事に気づき始めた。例えば、素直で嘘をつかない僕は不細工な友人に「あなたは不細工だ」と告げた事がある。これが一度だけならいざ知らず、無知で幼い僕の犯行は複数回に

        今をしっかり生きる