見出し画像

【3ワード物語】日本列島、破壊、発注ミス

ランダムな単語3つを用いた物語を考えるコーナー。
本日は、、、

「ランダム単語ガチャ」より


『韓国のスーパーにて』

とあるスーパーマーケットに、2万個のトマトスープの缶詰が届いた。
衝撃の発注ミスに、店長は戸惑っていた。
その様子に気づいたアルバイトのドヒョンは、店長に叫ぶ。

「今すぐ、このスーパーマーケットを閉鎖しろ!」

店長は普段はおとなしいドヒョンが突然叫ぶものだから、驚いた。
ドヒョンは半ば強引に、スーパーの全ての出入口をシャッターで閉ざした。
すでに店内にいた客の何人かが、ぞろぞろとドヒョンのもとへ集まる。
外からシャッターを叩く音もする。
怯える店長に、ドヒョンは言う。

「私は環境破壊団体の幹部だ。ここの従業員に環境保護団体の一員がいるという情報が入り、潜入していた」

2030年、激化した環境保護団体を名乗る集団は、世界中でトマトスープを手に止まることを知らなかった。
その被害は芸術作品にとどまらず、建物や公共物など、市民の生活を脅かしていた。

そんな勢力に対抗すべく、ドヒョンら複数人により立ち上がったのが「環境破壊団体」であった。
環境破壊というのは名ばかりで、実際はただ激化した環境保護団体から市民を守る活動をしていた。

ドヒョンは、斧を握りしめ、2万個のトマトスープを死守した。
そこへ一人の男が近づく。

「私が、発注ミスした。そのトマトスープは私が処分しよう」

アルバイトのソジュンだ。
ドヒョンは、一歩後ろに下がり、より強く斧を握った。

「そんな冗談みたいな発注ミスがあってたまるか。お前が環境保護団体の一員であることはわかっているぞ」

ソジュンは、高々と笑い、人差し指を振り上げた。
周りの客も、じりじりとドヒョンに詰め寄る。

そのとき、グラグラッと大きく地面が揺れた。
あまりの衝撃に全員が転んだ。

スーパーのテレビに速報が流れる。

日本沈没。

環境破壊団体を文字通りの意味で受け取ったアホが、日本列島の真下に巨大な爆弾を仕掛け、日本列島を沈めた。

ソジュンや周りの環境保護団体の輩はびっくりして腰を抜かし、ドヒョンは斧を置き、なんだか申し訳なさそうに照れ笑いをした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?