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陸上競技改革案ver1、6章新しい日本選手権

前章で主要5大会の概論を説明しました。

今日からそれぞれの大会について詳しく見て行きたいと思います。

この章では日本選手権について見て行きます。

※前章にて近畿選手権などについて「地区選手権」と書きましたが正しくは地域選手権だそうです。今は正しく訂正してあります。

日本選手権はどうあるべきか

まず忘れてはいけないのは日本選手権はそれぞれの種目の日本一を決める大会であることです。

表彰

だからこそ徹頭徹尾アスリートファーストであるべきであるし間違っても観客、テレビに忖度をして種目が制限されてはならないと思っています。

3章で時間の長さを指摘しましたが日本選手権ではあまり検討すべきでないと考えます。今年のように3日で開催する(+長距離種目は別日程)のがアスリートファーストであるならばそれが正しいであろうと思います。

逆に種目間が詰まりすぎているならば分割開催なども検討すべきだと考えます。

中継の在り方

各種目の日本一を決める大会、だからこそアスリートファーストではあるが国内のどの大会より注目されるべきです。

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テレビ中継だけですべてを映すのは無理です。すべての種目が配信されるように多チャンネル化したうえでライブ配信をすべきです。

棒高跳びを見たい人、
400mを見たい人、
砲丸投を見たい人、
それらすべての需要に応えることが必要だともいます。

勿論これはテレビだけの時代では不可能でした。

しかし今はYouTubeなどでだれでも発信できる時代です。不可能ではないと思います。

現在の日本選手権への道のり

もう一つ、日本選手権に出ることのできる条件を変える必要があると思います。

今年の日本選手権へ出るための条件を確認しましょう

1.第103回日本陸上競技選手権大会の優勝者(但し、その種目に限る)。
2.参加標準記録Aを突破した競技者。
3.2019年度の地域選手権(東京選手権を除く)において、各種目3位以内に入賞した競技者で、参加標準記録Bを満たした競技者。但し、東京選手権に限り、2020年度大会を対象とする。
4.本連盟強化委員会が特に推薦する本連盟登録競技者。
5.開催陸上競技協会が推薦し、本連盟強化委員会が承認する競技者。

このようになっています。基本的にはA標準突破者かB標準を突破して地域選手権(近畿選手権など)で3位以内に入った競技者が出ることになります。

今年の日本選手権エントリー者のうちA標準を突破して出たものは606人B標準を突破して出たものは101人、その他が2人です

A標準突破者が全体の85%と大半を占めています。

そしてB標準を突破したものにとって現在の地域選手権を勝ち抜くのはそこまで大変ではないはずです。

女子100m、女子走高跳を除いて同地域から3人がB標準のみを突破してエントリーした種目はなかったです。B標準を切ったにもかかわらずエントリーできなかった選手はいるのでしょうか?

言い方を変えたらB標準突破者はほとんどの種目で地域選手権3位以内はクリアできるのです。

これが地域選手権軽視の流れであると考えます。

提言する日本選手権への道のり

私はこのように変えるべきだと考えます。

1、該当期間における種目別ランキング8位に入る競技者
2、地域選手権において各種目3位以内に入賞した競技者
3、ダイヤモンドリーグなど大型国際大会のために地域選手権を欠場しなおかつ1に該当しないもの

とにかく超トップレベル以外は地域選手権に出ろということです。都道府県選手権→地域選手権→日本選手権の流れが王道と考えます。

なぜ地域選手権を重視してほしいか

日本選手権が各種目の日本一を決める大会であるならば例えば近畿選手権は各種目の近畿一を決める大会であるべきなのです。

もちろんそのような大会として盛り上げるのはトップ選手の出場試合などを考えると現状は厳しいです。

では今程度の盛り上がりで地域選手権、良いんですか?
有名選手が全くと言っていいほど出ていませんが良いんですか?
例えば地元の選手が何とか地域選手権から日本選手権の切符を手に入れたとなれば応援したくなりませんか?
日本選手権に出場するための1発勝負ってドラマを生み出しそうだと思いませんか?

一発勝負を競技者に課すことは過度の緊張感を強いることになります。

競技者にとっては辛いかもしれませんが、その経験こそゆくゆく世界大会にてベストパフォーマンスを出す糧になると思いませんか?

そんな考えから地域選手権を重視すべきと考えています。

フィギュアスケートの地域選手権は盛り上がっている

フィギュアスケートの話になりますがフィギュアスケートは全日本選手権で3位以内に入らないと基本的に予選から出場しなければなりません。

例えば去年の全日本選手権で6位だった坂本花織選手(平昌オリンピック6位)、8位の本田真凛(2016年ジュニア世界選手権金メダル)は今年は地域選手権から出て予選を突破しなければなりません。
勿論GPシリーズとの兼ね合いで免除される場合もありますがコロナの関係で今年はないので坂本花織は近畿選手権から、本田真凛は東京選手権から出ています。

そして1点を争う地域選手権、その次の西日本or東日本選手権であと一歩というところで全日本選手権を逃し涙をのむ選手が毎年出ます。

そんな1試合にすべてをかける姿に感動するから今年、フジテレビはネットで西日本と東日本選手権、そしてその前の地域選手権をLIVE配信しています(有料コンテンツ)。

西日本

また2,3年前から特に有力選手の集まる西日本選手権はチケット制(1枚3000円)にしています。(今年はコロナで無観客ですが。)

フィギュアスケートはこうやってコアなファンが育ち実を結んでいます。

日本選手権をコアなファンが「なんとしてでも」見に行く大会に

こちらが2019年の日本陸上選手権のチケット料金です。

チケット陸上

高くて1枚4000円安くて1500円ですね。非常にリーズナブルです。

一方こちらが2019年の全日本フィギュアスケート選手権のチケット料金です。

チケットスケート

一番安いスタンドA席ですら陸上の最も高いS席の2倍です。

競技人口としては圧倒的に陸上競技の方が多いはずです。それで価格差です。さらにフィギュアスケートは抽選販売であり転売によって10倍とかの値段が平気で付きます(転売の良し悪しは置いておいて)。

収容人数の関係などもありますが集客力としては完全に陸上競技はフィギュアスケートに負けています。惨敗しています。

例えばチケットが1枚1万円でも先着ならばクリック合戦になって抽選ならばプラチナチケットになる。

そんな大会を目指すべきではないですか?

そのためにもコアなファンの拡大は必須です。そしてそのために地元の選手へのファンを増やしていくという意味で地域選手権の盛り上がりは必須です。

以上が私の提言する新しい日本選手権です。

次章ではゴールデングランプリ陸上について話します。

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