【コマースチャンネル】ソーシャルコマース/当日配送DeaaS/中古車EC/チャットコマース/店舗棚分析

2021年4月12日 18:44

　先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします（日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!）※コマースチャンネルでも配信中

①商品紹介バイラル型ソーシャルコマース「Meesho」

設立年：2015/インド
調達金額：300Mドル/$2.1B
主要投資家：Facebook, SoftBank Vision Fund, Sequoia Capital Indiaほか
事業概要：
　WhatsApp、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォーム上で売り手と顧客をつなぐマケプレを提供しています。最大の特徴は、”商品紹介のみをして稼げる仕組み”があることです。”商品紹介する人”は出品されている商品で紹介したい商品を選択し、自分の手取り分のマージンを載せてSNS上で拡散します。実際にSNSを通じて購入した人が出た場合、設定したマージンが”紹介人”に対して入る仕組みとなっています。アフィリエイトのソーシャルコマース特化版のようなものです。商材としては化粧品を中心とした女性向け商品が多くなっております。インドではもともとパパママショップが多く、彼らは手数料の高いamazonではなくwhatsupのようなSNSで商品を売買していました。その商習慣に根ざして出されたプロダクトがSNS上で簡単にビジネスを開始できるmeeshoです。出店者は固定費無料で手数料率も1.8％以下とかなり安価にビジネスが開始できるとのことで急成長しています。
一言コメント：
　SNS最適のASPや、SNS最適のmybestなどの領域に関心があるので、とても面白いです！ソーシャルコマースが急成長しているインドや中国とは日本のコンテキストが違うので、日本ならではのソーシャルコマースの誕生に期待です。
記事URL：
https://thebridge.jp/2021/04/softbank-leads-300m-round-facebookbacked-indian-ecommerce-firm-meesho

②オンライン特化中古車販売「Kavak」

設立年：2016/メキシコ
調達金額：485Mドル/4Bドル
主要投資家：DST Global, Ribbit Capital, D1 Capital Partners, Greenoaks Capital, General Atlantic
事業概要：
　オンライン特化の中古車販売会社です。自社で仕入れて在庫し、ECで販売しています。特徴としては、"360度商品画像”、”店舗を持たないため安価”、”自社で点検・整備をしており安心・安全”、”購入後7日間の無料返品保証”、”購入後は自宅までお届け”、”ローン等のファイナンスサービス提供”といった点です。オンラインで自動車を購入するとときに障壁になりうる点を全て解消しています。マネタイズは小売の粗利、ファイナンスでの粗利となっています。南米では自動車の保有率も低く、中古車販売の法整備等も不十分とのことで今後のさらなる成長が期待されます。
一言コメント：
　日本においてはオンライン特化の中古車小売はまだスケール途上のフェーズです。5兆円企業のCarvanaを初め世界中で同様のビジネスモデルが大きくスケールしているので日本での本領域のスタートアップ登場に期待です。
記事URL：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/08/2021-04-07-mexican-unicorn-kavak-raises-a-485m-series-d-at-a-4b-valuation/

③商品棚分析による店舗DX「Trax」

設立年：2010/シンガポール
調達金額：640Mドル
主要投資家：BlackRock, SoftBank Vision Fund, Investec, Sony Innovation Fund, Warburg Pincus
事業概要：
　店舗の商品棚を画像分析するSaaSを提供してます。これにより、欠品状況や陳列状況を可視化・分析することができリアルタイムでの最適化な対応が可能となります。通常は店舗スタッフが目視で確認するので業務効率化にも繋がります。独自の小型カメラやアプリも提供しておりiotテクノロジーを有していることも強みで、これにより、どの棚に何を補充すべきかを即時に店舗スタッフに通知することが可能です。既存の仕組みでPOSがありますが、陳列状況までは把握できないためTraxが用いられる余地があります。メーカー側から見ても小売店で自社製品が正しく陳列されているかというのを把握するのに役立ちます。世界トップ50のメーカーの30が顧客とのこと。マネタイズは、メーカー・小売の双方から頂く形となっています。
一言コメント：
　リテールDXはコロナの影響もあり世界中で注目されている領域です。OMOや無人チェックアウト、値札のダイナミックプライシング化等楽しみな領域が沢山です。
記事URL：
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000054989.html

④小売業者の当日配達を可能にするDeaaS「Swyft」

設立年：2020/カナダ
調達金額：17Mドル
主要投資家：Shopify, Inovia Capital, Golden Ventures, Forerunner Ventures, Panache Ventures
事業概要：
　どんな規模の小売店舗でも当日配送が可能になるDeaaS（Delivery as a service)を提供してます。Swyftは運送業者と小売を繋ぐマーケットプレイスです。小売にはshopify連携やAPIも提供しており既存システムとのつなぎ込みを容易にしています。また、運送業者にもソフトウェアを提供しており、彼らの業務の効率化を図ることで通常の配送料よりも30%安価な価格を実現しています。実際即配にもかかわらず、小規模店舗であれは通常の配送（即配ではない送料）よりも安価な配送料を実現しているとのことです。20年4月以降18万件の荷物を扱い、粗利率は82％とのことです。今回shopifyも出資していることからもshopifyがロジスティクスを強化したいことが伺えます。
一言コメント：
　ギグワーカーの発展により、DeaaS領域は日本においても注目領域ですね。当日配送の一般化や食品EC化率の向上などの基盤になっていきそうで楽しみな領域です。
記事URL：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/08/2021-04-07-swyft-raises-17-5-million-to-bring-same-day-delivery-to-all-the-retailers-that-arent-amazon/

⑤クレジットカード＆リワードアプリ「CRED」

設立年：2018/インド
調達金額：215Mドル/2.2Bドル
主要投資家：General Catalyst, Ribbit Capital, DST Global, Greenoaks Capital, Sequoia Capital India
事業概要：
　インドの富裕層向けにクレジットカードを提供しています。決済するごとにリワード（CREDポイント）がもらえ、提携店舗で利用することが可能です。また、高級ブランド製品を集めたプレミアムEC等のサービス提供をするなど、決済にとどまらない機能を提供し顧客ロイヤリティを高めています。インドのクレカ市場で22%ものシェアを占めているそうです。インドでは、クレジットカードは一般的ではなく（デビットカードが主流でクレカの15倍の発行枚数）、あえて、こうした領域にフォーカスする戦略をとっているのが特徴的です。今後、インドの経済が発展していくにつれてクレカ保有率も向上していくことが見込めるためさらなる成長が期待されます。
一言コメント：
　決済手段を押さえリワードを駆使しながらECとの連携を強化するというのは、ヤフー、楽天もやっている勝ち筋ですね。特定セグメントに支持される決済手段を提供し、そこを基軸にコマース等の領域にクロスセルしていくのは日本のスタートアップでも適用可能そうです。
記事URL：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/07/2021-04-06-indias-cred-valued-at-2-2-billion-in-new-215-million-fundraise/

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