競合優位性タイトル

ピッチ・プレゼンは魅せ方が鍵~参考になるIR資料④競合優位性編~

 YJキャピタル(ヤフーのベンチャーキャピタル)の大久保です。本シリーズは、投資基準8選に対応する形で、プレゼンの際に参考になりそうな資料の備忘録です(随時更新)。今回は投資基準のPart4”競合優位性”に対応してます。PMFのパートとも性質上にているので参考ください。参考文献まとめはこちらです。資料は主に、上場タイミングで公開する「成長可能性に関する説明資料」から抜粋してます。

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メルカリ:
他ECサイトと比較しても、圧倒的なユーザーエンゲージメント(利用時間)となっていることを説明してます。質的KPI(リピート、利用時間、CVRetc)での競合比較は良いフォーマットです。

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メルカリ:
GMV成長率、そして、ユーザー認知で圧倒的に競合を上回っていることを説明してます。競合優位性では、量的KPI(売上、UU、顧客数etc)でアピールすることが多いです。

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ベース:
圧倒的シェアNo1 を上手く可視化してます。上手なのは、「直近1年以内にネットショップを解説した」という母数の絞り込みをしており、かつ、マクロミルで独自に本データを作成することで、圧倒的シェア1位になるデータを揃えている点です。「シェアNo1」というのは印象も高いので、自分のサービスがどこのセグメントでシェアNo1であるかは常に意識するべきでしょう。

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SanSan:
国内SaaS全社のMRRと比較することで、国内SaaSのNo1であることを可視化してます。さらに、右図では、appannieのデータをもとに、ビジネスSNSNo1 であることも可視化してます。独自に取得したデータで、国内最大級のSaaSであることをアピールするのに成功していると思います。

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SanSan:
市場シェア+導入大手顧客のロゴを用いることで、圧倒的強者であることを説明してます。シェア82%の図も、名刺管理SNSという調査を元に可視化しており、できるだけ対象市場のセグメントを限定することで高いシェアをアピールすることができます。

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SanSan:
前述スライドで圧倒的シェアを確保していることを可視化しつつ、本スライドで、伸びしろはまだまだある事がわかります。

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フリー:
シェアをsimilarwebのUU数で独自試算しています。また、右図もentrepediaをもとに、有力スタートアップを定義し、シェアを定義しています。各自シェア計算を工夫していて面白いです。必ずしも顧客シェア・売上シェアではない点が面白いです。

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マネーフォワード:
左図で、会計事務所に対するシェアという独自算出で58%の数値を算出すると同時に、右図では、クラウド会計の全体におけるシェアを可視化しています。

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マネーフォワード:
会計事務所のシェア(事務所数ベース)ですが、前述スライドとも数値が結構違います。母数のとり方で数値がここまで変化するのは面白いです。右には地域ごとの会計事務所を記載してます。

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カオナビ:
伸びていることと同時に、シェアを可視化してます。社数シェア、及び、売上シェアで可視化しており比較的直球的なシェアを用いているのが特徴です。

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カオナビ:
企業規模別に社数を可視化、そして、各セグメントごとでのシェアを可視化してます。エンタープライズをしっかり取れている点が素敵です。

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ハウテレビジョン:
コチラは難関大生における圧倒的な強みを可視化してます。右図は独自算出のシェアで面白い表現ですが、高学歴人材を確保できていることが一目瞭然です。

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ジーニー:
市場規模の時系列の推移とジーニーのシェアが分かるようになっている点がわかりやすいです。特にシェアが拡大しているのがわかりやすいです。


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UUUM:
競争力の源泉である”人気youtuber”の獲得シェアを可視化しています。特徴的な切り口ですが、コアコンピタンスを客観的に定量化、可視化できており面白いです。

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wantedly:
テクノロジーカンパニーであることをアピールするべく、Qiitaストック数ランキングを用いているのが特徴的です。

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wantedly:
SNS要素を用いて効率的に集客できるかどうかは重要な競合優位性ですが、それを、広告費比率を用いて可視化しています。

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メルカリ:
米国における多種多様なC2Cコマースとの比較図です。縦軸に特徴を記載しており、すべての点で勝っていることをアピールしてます。

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ポート:
メディアを分類し、それぞれの特徴を2軸で説明しており分かりやすいです。2軸共に、メディアならではの切り口で面白く、また、一番右列において、ポート社の優位性の説明がされており、相対的にメディアビジネスの中でどのような立ち位置をとっているかが、わかりやすく表現されてます。

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メタップス:
こちらも、各社比較を機能別に行っています。重要なのは、縦軸が顧客に対して価値あるという点です。違いを表現するだけではなく、それが顧客にも価値があるかどうかを考えるのは常に重要です。

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ギフティー:
バリューチェーンごとの競合のマッピングです。バリューチェン全体を可視化することで、自社の相対的な位置を表現することができます。業界知見が浅くても分かりやすいです。協業の可能性や、他の代替商品も記載されており分かりやすいです。

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PRTIMES:
競合優位性の観点で、新規性の説明も有用です。既存手段の特徴をもとに、PRTIMESの優勢生を説明しており分かりやすいです。

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ポート:
2軸マッピングのフォーマットです。表だと情報量が多いこともあるので、2次元での表現をすると理解がしやすいです。それぞれの象限の説明も右表で補足説明されており分かりやすいです。



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