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ソーシャルコマース5大分類-満を持してのソーシャルEC元年へ

はじめに 

 こんにちは。YJキャピタル大久保です。私は元々ヤフーショッピングで働いていたこともあり、コマース領域全般を見てます。ツイッターメルマガやっているので宜しければぜひ!本ブログは以前実施したソーシャルECのwebinarをもとに記事化してます。YJキャピタルの李さんのブログも大いに参考にしているのでぜひ御覧ください。
 ソーシャルECという言葉は長らく存在していたかと思いますが、”今まさに日本でも花開くのではないのか!”、と考えてます。そういった内容を記事化してます。本記事では海外の事例や、日本市場における勝ち筋の仮説をご紹介します。時間のない方は以下サマリだけでもご査収ください✍

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ソーシャルコマースとは

 ソーシャルECとは一言でいうと「SNS要素を持つコマース」のことです。ほぼ全てじゃないか、というツッコミが聞こえますが、そのとおりだと思います。ただ、集客チャネルの一つとしてSNSを活用しているというよりも、”プロダクト”に内包されるイメージです。例えば、共同購入やライブコマースといったものです。
 そんなソーシャルECですが、日本での市場ポテンシャルは2兆円にも及ぶのではないかと、大胆な予測をしてます。推計背景は、中国170兆円の市場においてソーシャルECの比率が12%に及んでいるというデータがあるためです。日本17兆円の市場を鑑みると2兆円と推計できます。ワクワクする規模です。

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 ではなぜ、中国では爆発的に2015年以降に成長したのか?、ですが、端的には、インフラが急速に整ったためでです(通信速度向上、スマホデバイス普及、SNS普及、モバイル決済の普及)。これにより、モバイル×SNSを通じた購買、ディスカバリー購買(非目的購買)が当たり前になりました。

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そんな中国では多種多様なプレイヤーがソーシャルEC企業として存在しています。今回は5つの領域の代表企業について簡単にご紹介していきます。

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①共同購入型ソーシャルコマース

 共同購入型ソーシャルECとは、”一緒に買うと安くなる”という共同購入の仕組みを導入しているジャンルです。こちらは言わずとしれたPinduoduo(拼多多)などの企業がいます。Pinduoduoは創業5年で時価総額10兆円を超えるおばけ企業となってます👀詳細を話すときりがないですが、下記概要です。ECは一般的に、集客→接客→追客といった要素で打ち手を考えますが、Pinduoduoは、集客の点で、
リファラルの活用(誰かと一緒に買うと安くなる)、接客・追客の点でゲーミフィケーション(毎日ゲームしたくなる)を見事に実現してます。何より、安いことは最大のウリになっており、アリババやJD等大手もこのモデルを模倣するほどです。

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②KOL型ソーシャルコマース

 KOL型ソーシャルECはKOL(インフルエンサー)を活用するジャンルです。上場企業もいくつかあります。中国においては、Ruhnn(如涵)、米国においてはREVOLVEといった企業があります。ruhnnは、EC版のUUUMのような企業で、下記が概要です。KOL型ソーシャルECということもあり、KOL数といったKPIが置かれています。特徴としてはKOLが売ることに専念できるように後方支援を行っていることです。一方のREVOLVEは自らが前面にたってECのマーケットプレイスを保有しエンドユーザーとのタッチポイントを保有する企業です。”出店者がKOLブランドのZOZOTOWN”のようなイメージです。

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③コンテンツ型ソーシャルコマース

 コンテンツ型ソーシャルECはインスタグラムのようなSNSからそのままモノが買えるというジャンルです。tiktok等の短尺動画SNSからの購入等もコンテンツ型ソーシャルECかと思います。最近は各大手SNSのEC参入が活発になっており盛り上がっているジャンルでです。下記は、中国の代表的なコンテンツ型ソーシャルECであるRed(小紅書)です。未上場ではあるもののアリババ・テンセント共に出資している注目の企業です。コンテンツ型ソーシャルECにおいてネックとなりがちなCVRの低さという課題も、投稿時に商品DBとの紐付け機能が充実しており見事です。

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④会員制型ソーシャルコマース

 会員制型ソーシャルECはコストコのように会員費を払うことでモノを購入できるソーシャルECのジャンルです。「小売の利益以外のマネタイズポイントを作ることで最低価格を実現する」というコストコが実施している勝ち筋のオンライン版で実現するような戦略です。雲集(Yunji)は集客についても、友人を紹介すると、紹介した人もお得になるといった仕組みを巧みに組み込むことで急成長しました。ただ、直近ビジネスモデルの再構築をしていて会員制というより、マケプレ型に移行しているとのことです。

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⑤コミュニティ型のソーシャルコマース

 コミュニティ型ECは、コミュニティ単位で生鮮品/日用品といった商材を共同購入するジャンルです。日本で言う生協のようなイメージです。下記、十荟団(NICE TUAN)は創業2年で$100Mも調達している注目企業です。住民代表がコミュニティ内の取りまとめを行い、まとめて注文することで安く購入できる仕組みとなってます。また、ラストワンマイルも個別に配送するというより、配送拠点に住民が取りに行くモデルが主流となっており、生鮮ECで最も収益性が高いモデル、とも言われています。

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日本においてどうか

 日本市場においてソーシャルECがどうか、という点については、満を持してこれから来てほしい!と思っているところです。下記は今くる理由の概念図です。かなりざっくりしていますが、昨今のEC界隈のトレンドを見ていると、本当に今から来る気もしてきます。

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  各領域においての勝ち筋仮説の考えをまとめています。言うは易く行うは難し、といった項目もありますが、これらをプロダクトで実現していくスタートアップが楽しみです!各項目の詳細については個別に議論したいので、起業家の方でご関心あれば、ツイッターでDMください!

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下記も、今後の各領域の今後の楽しみな部分を記載してます!僕自身そこまで詳しくないので、このあたりの情報は常にアップデートしたいと思ってます!ということで、このあたり議論してくださる方は、ツイッターでDMください!!

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おわりに

 今回はソーシャルコマースに関する分類について、また、日本での展開可能性について記事化しました。まさに日本でもこれから盛り上がる(盛り上がっている)領域だと思うので、この領域に挑戦されるたくさんの起業家/関係者の方々とお話できることを楽しみにしてます。
 ソーシャルコマースに限らず、B2C、B2B幅広くコマース領域見ておりますので、いつでもご連絡ください!

おまけ

 こんなブログも書いているので、よろしければ!


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