【コマースチャンネル】レストラン向け仕入れapp/Shopifyブランドロールアップ/返品・交換効率化SaaS/集合住宅向けラストワンマイル配送/ダークストア

2021年7月31日 15:36

EC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします（日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!）下記メルマガでも配信してます。

①レストラン向け仕入れapp「Choco」

設立年：2018/ドイツ
調達金額：100Mドル(Series B)
主要投資家：Insight Partners, Bessemer Venture Partners, Coatue, Left Lane Capital, Atlantic Labs
事業概要：
　レストラン向け仕入れ効率化アプリを提供してます。紙での発注作業の煩雑さ、発注ミスなどの課題、そして、複数の仕入先とのやり取りの煩雑さ（3-11の仕入先を使うのが一般的）などの課題をワンストップ仕入れPFを提供することで解決しています。モバイルUXにも優れ、直接サプライヤーとチャットをしながら仕入れ注文するチャットコマースが特徴となってます。レストラン、サプライヤー共に、appは無料で提供されており、既存の取引先とのコミュニケーションツールとして導入される形となっています。マネタイズは、サプライヤー側からのERP接続等で実施。現在1.5万のレストラン、1万+のサプライヤーがおり、10万+注文/月が流通しているそうで、この1年で取扱高も4倍に成長しました。最終的なゴールとしてはサプライチェーンの最適化により、フードロスを削減することにあるといいます。
一言コメント：
　既存の取引先とのコミュニケーションの一括管理という切り口、そして、マネタイズポイント、面白いです！中長期的には新たな仕入先とのマケプレ的要素も担っていきそうです！日本でもB2BのDXはまだまだ期待！
記事リンク：
https://agfundernews.com/choco-raises-100m-series-b-funding-to-streamline-restaurants-ingredient-purchasing.html

②Shopifyブランドロールアップ企業「Openstore」

設立年：2021/米国
調達金額：30Mドル(Series A)
主要投資家：General Catalyst, Khosla Ventures, Founders Fund, Atomic
事業概要：
　Shopifyブランドのロールアップ(買収して拡大)企業です。Thrasioを代表とするAmazonブランドのロールアップ企業が急拡大する一方で、Win Brands Group, Pattern Brands、Harry’sなどShopifyブランド版ロールアップ企業も出てきております。こちらも同様に複数ブランド間でのオペレーション(CS、ロジ、マーケetc)を標準化・効率化しポートフォリオ経営をしております。エントリーから最短1日で買収オファーが届くスピード感をウリにしています。今後は既存の買収プレイヤーと異なり、shopifyデータの連携により全自動で即時オファーを出すことを計画しており、それにより、競合よりも数多くのブランドを束ねていく可能性を秘めています。shopifyを用いたブランドは120万にも及んでおり、市場ポテンシャルは十分にあるとのことです。
一言コメント：
　M&AのオファーをAIで即時査定面白い！EC市場全体が伸びていく中で投資先を分散して数多く買収するポートフォリオ戦略は、投資企業の考え方ですね！
記事リンク：
https://www.cbinsights.com/research/openstore-series-a-funding/

③返品/交換効率化SaaS「Loop Returns」

設立年：2017/米国
調達金額：65Mドル(Series B)
主要投資家：Shopify, CRV, Lerer Hippeau, FirstMark, Renegade Partners
事業概要：
　shopifyブランド向けの返品・交換の効率化SaaSです。”買い物と同様のUXで返品・交換体験を提供する”ことをコンセプトにしています。ユーザーは返品/交換をネット上ECサイト上から可能となります。返品よりも交換で得られる金額が多くなる設定になっていたり、代替商品をレコメンドしたりと、交換を促すようなUXを提供しています（交換のほうが返品よりコスト面で10倍望ましい）。また、フローの中で返品/交換理由等のアンケート機能もあり、EC企業からすると顧客理解に繋がります。そして、loopは他のツール（３PLやCRMアプリ）との接続性も高く、既存システムを活用しつつシームレスな形での導入が可能な点も特徴です。既に顧客数は700社に達し、数百億円の返品を処理しているとのことです。米国では返品率が20-30%にも及ぶと言われており、shopifyがReturn Magicを,affirmがReturnlyをPaypalがHappy Returnsを買収するなど購入後体験のDXは非常に注目されている領域です。
一言コメント：
　購買後の体験向上はかなりの注目領域！日本は返品率が現時点では5%程度と低いものの消費者保護・EC体験向上の観点から今後確実に伸びていくと思われる！
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/07/21/loop-returns-locks-in-65-million-series-b-led-by-crv/

④集合住宅向けラストワンマイル配送「Fetch Package」

設立年：2016/米国
調達金額：50Mドル(Series C)
主要投資家：Ocelot Capital, Signature Bank, Social Capital, Silverton Partners, Signal Peak Ventures
事業概要：
　集合住宅向けに、ラストワンマイル配送サービスを提供しています。fetchが居住者宛の荷物を預かる倉庫を運営し、その拠点から、住民が2時間枠で指定した時間に配送するサービスを提供しています。ものの流れとしては、EC企業→fetch倉庫→自宅といった一旦迂回する形になってます。これにより、住民は細かい時間指定で荷物を受け取れるようになり、集合住宅管理者としても荷物の管理が不要となり手間・時間が削減されることになります。マネタイズは1世帯あたり$10-15/月を管理者からいただくモデルのようで、すでに一部市場では黒字化しているとのこと。。2020年には350万配送をし、21年には800万配送に達する予定。既に18万世帯、650コミュニティが16の米国内市場で利用しているそう。ECの加速により荷物管理のコストは日に日に大きなっていることが急成長につながっており、今後新市場への進出を計画しています。
一言コメント：
　ラストワンマイル周りで数多くのビジネスができてますね。ラストワンマイル特化のas-a-serviceは注目領域！ローカルデリバリーの経済圏がこれから5年で大きく進化しそう
記事リンク：
https://www.finsmes.com/2021/07/fetch-package-raises-60m-in-funding.html

⑤ダークストア「Gopuff」

設立年：2013/米国
調達金額：1000Mドル(Series G)　@$15B
主要投資家：Fidelity Management and Research Company, Anthos Capital, SoftBank Vision Fund, Accel, Eldridge
事業概要：
　ダークストアの最大手サービスとなっています。米国650都市にいくつもの小型倉庫を保有しそこから周囲数キロの範囲で30分配送を提供します。仕入れから配送まで垂直統合し、また、データ・ドリブンなMD、UX設計をすることで究極の購買体験を実現しています。商品数は2400SKU程度で日本のコンビニと同程度で主に若者に支持されています。送料は一律$1.95であり、プレミアム会員になると送料の優遇や、獲得ポイントのブースト等が受けられます。直近では、M&Aを加速しており（20年11月：酒屋チェーンBevMo、21年5月：英国ダークストアFancy、21年6月：フリートマネジメントrideOS）新領域への展開も進めています。売上は昨年比3倍の$1Bに2021年は到達する想定だそうです。当該領域はヨーロッパでは多数のスタートアップが、米国内でもDoordash等が攻勢をしかけており、Gopuffのシェアが下がっていると言ったデータもあるようです。ただ、グローサリーECは巨大成長市場であり、さらなる成長が期待されます。同週にはJOKRという新たな米国ダークストアも大型調達しており引き続き注目領域。
一言コメント：
　日本でもZHDが参入するなど大盛りあがりな領域。グローサリー領域は巨大市場なので、スタートアップの躍進にも期待！
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/07/22/filing-instant-grocery-startup-gopuff-is-raising-750m-more-at-a-13-5b-valuation/

その他こまちゃん調達

一般コマースニュース

・卸仕入れサイト「orosy（オロシー）」運営、プレシリーズAで1.8億円を調達——SIG、Light Street Capitalのパートナーらから
https://thebridge.jp/2021/07/spaceengine-pre-series-a-round-funding
・口コミを店舗改善に活かせる「口コミコム」運営、Coralなどから3.3億円を調達
https://thebridge.jp/2021/07/mov-jpy330m-funding
・家計簿プリカ「B43」、後発スマートバンクの勝ち筋はどこに
https://thebridge.jp/2021/07/how-smartbank-overcome-the-challenger-bank-moat
・Yahoo！ショッピング、支払期限が2ヵ月後になる「ゆっくり払い」開始　EC未利用者に安心を提供
https://eczine.jp/news/detail/9396
・国内ユニクロ事業のEC売上は3Q累計で1000億円を突破、EC構成比は15.8%
https://netshop.impress.co.jp/node/8913
・YouTubeが一部クリエイターを対象にライブストリームからのショッピングを試験的に開始
https://jp.techcrunch.com/2021/07/22/2021-07-21-youtube-to-pilot-test-shopping-from-livestreams-with-select-creators/
・インフキュリオン、「後払い決済サービス」に関する利用動向を調査約6人に1人が利用経験あり、新たな決済手段として浸透
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000031359.html
・イギリスのオンライン家電量販店AO、2020年売上は62%増の2,472億円、5年後売上2倍以上を目指す
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/71591
・Rent the Runway confidentially files for IPO
https://www.retaildive.com/news/rent-the-runway-confidentially-files-for-ipo/603613/
・印Reliance Retailがローカル検索Just Dialの支配的な持ち分を約516億円で取得
https://jp.techcrunch.com/2021/07/19/2021-07-16-reliance-retail-acquires-majority-stake-in-just-dial-for-469-million/
・ウーバーイーツにウォルト、ゴリラスも…ドイツでネットスーパーとフードデリバリーが融合している事情
https://diamond-rm.net/overseas/89273/
・ウーバーが食料品宅配サービスを全米400以上の市や町に拡大https://jp.techcrunch.com/2021/07/20/2021-07-19-uber-expands-its-grocery-delivery-service-to-more-than-400-us-cities-and-towns/
・さらに成長するインドのeコマースを動画やクリエイターの力でサポートするSimsimをYouTubeが買収
https://jp.techcrunch.com/2021/07/21/2021-07-19-youtube-acquires-indian-social-commerce-startup-simsim/

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