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私たちは、「都市衛生のプロフェッショナル」を目指します。

1960年に創業したシェル商事は、オフィスや店舗での害獣・害虫対策や水・空気の浄化、食品衛生をはじめとする、法令に則った環境衛生管理業務を行う会社です。清潔で害虫のいない空間、安全でおいしい水や空気……これらが当たり前にある日常を維持していくために。
そしてもうひとつ。忘れてはならないのが、未来へ残す地球環境を、今よりも少しでも美しくすることです。これらを同時に実現させるために、建物の中だけではなく「都市衛生のプロフェッショナル」企業をめざし、私たちは新しい挑戦を始めました。そこで、私たちの業務のことや取り組みへの想いを、これから少しずつ皆さまにお伝えしていこうと思います。


対処と予防が美しい未来をつくる
「公衆衛生」が私たちのしごと

私たちのミッションは、人々が安心して快適に暮らすために、都市の衛生環境をまもるサービスを提供することです。これは創業から変わりませんが、時代の移り変わり・環境の変化とともに、理想とする手段やサービスが変化してきたように思います。

例えば、病原体をもっている害虫・害獣への対応は、殺鼠剤や殺虫剤による「駆除」から、問題が起こる前に防除する「予防」へとシフトしています。

そもそも、害虫・害獣もひとつの命です。人間の都合で繁殖しやすい環境をつくり、見つけたら化学薬品で殺し、命をゴミのように捨てている。行為として美しくないと感じていました。

こうした状況改善の糸口は、害虫・害獣それぞれの性質を知り、なぜ害虫・害獣がそこにいるのかを理解することです。そのうえで、建物や都市を設計する段階から害虫・害獣の侵入経路を断つデザインや生息しにくいデザインにする。それ以前に、日々の清掃のやり方を変えるだけで解決することもたくさんあります。これは単に人々の健康や地球環境にダメージを与える薬剤の使用を減らすだけではなく、駆除よりも圧倒的にラクですし、気持ちのうえでもすがすがしい解決法ですよね。

このように都市の未来を予測して、まずは予防の観点で環境デザインや暮らしのなかでできるアプローチを考えていく。これから、私たちが大事にしたい「公衆衛生」の考え方です。

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激動の時代のスタンダードとは?
環境と共生する、持続可能な事業に

1970年に日本で害虫防除が建築物衛生法に組み込まれてから、約半世紀。害虫・害獣防除の分野では法令に基づく方法で、トラップや殺虫剤・殺鼠剤を使用しながら、衛生的で快適な空間を実現してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行するという、これまでにない大きな変化により、私たちは突然これまで当たり前にあった安全で快適な暮らしが奪われました。

このウイルスは病原体を媒介する生物が人間なので、害虫・害獣と同じ方法で対処、予防をすることはできません。さまざまな情報が飛び交い、誤った情報が独り歩きしている状態でもありました。そこで私たちは、改めてどんな感染経路なのか、そしてその断ち方について医療現場の専門家にアドバイスを受け、海外の事例も研究し、何ができるかを検討しました。

当初、お客様からのご要望の多くは「とにかく殺菌剤を散布してほしい」というものでした。しかし「このウイルスの感染経路断つ」という視点から考えると「拭き上げによる消毒がもっとも効果的」。そして、たとえプロフェッショナルが消毒したとしても、「日常清掃の一貫として、各自がこまめに消毒する」ことが不可欠です。

このときに感じたのは、誤った安心感を与え人々の命を守る確証のないことは、事業として行うことはできないという強い想い。そして、環境や公衆衛生に関する正確な情報をいち早くキャッチアップして、それを広く確実に伝える手段をもっていたいと痛感しました。

わたしたち目指す公衆衛生は、適切な情報と手段をもって感染経路が都市の中で確立しづらい環境を創ることなのです。

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私たちの使命を実現するために
会社の仕組みをアップデートする

私たちのしごとは環境を良くするためのサービスである以上、環境汚染に繋がる薬剤を多用したくないという想いが常にあります。そのために取り組んでいるのは、こういった自社の考えを社員に伝え、お客さまとも意識をすり合わせながら、社会全体で環境への理解・関心を深めていける新しい仕組みづくりです。

その第一歩として、まず、自社のワークフローをいちから見直し、時代に合わせてアップデートすることを試みています。そして、それを実行し、評価して改善。さらにその結果を次の時代のスタンダードとして社会に発信していく。このサイクルを継続して行うことが、これからの時代に求められる持続可能な事業の姿だと考えています。

この取り組みによって見えてきたのが、「都市衛生のプロフェッショナル」という企業としての新しい立ち位置です。害虫・害獣対策や水質検査、空気環境測定などの従来の事業は継続しながら、環境衛生を遵守するためのまちづくり、社会への情報発信、公衆衛生の底上げなどより広い視点で関わっていくことをめざします。

そのために、感染管理や疫学などを含めた環境衛生分野のプロフェッショナルを社内に増やし、専門知識を深めていきたいのです。コロナ禍にあっても社員の安全を守りながら、お客さまに常に正しい公衆衛生サービスを提供していく。同時に、ビルメンテナンスサービスの向上につながることにも期待しています。

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新しいサイクルが回り始めた先に
私たちが展開する事業

シェルグループは、公衆衛生を軸とした建築物衛生事業、食品衛生事業、都市衛生事業を展開してまいります。

建築物衛生事業は、建築物全体の衛生環境を守る事業です。建物内の水や空気を介して繁殖する微生物や細菌などを定期的に検査。害虫・害獣対策から水質検査、空気環境測定についてのサービスを提供しています。

そして、これから特に注力していきたいのが、食品衛生事業と都市衛生事業です。これらの事業は、私が2018年に立ち上げた8thCAL(エシカル)という会社と連携して取り組んでいきたいと思っています。

飲食店などの食品を扱う施設の環境ディレクションに特化したのが、食品衛生事業です。細菌やノロウイルスをチェックしたり店舗の衛生診断を無料で実施し、問題がある場合は改善方法をご提案。2021年6月から全ての食品関連事業者に「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理」が義務付けられたことから、衛生管理計画導入支援サービスもスタートさせます。

8thCALは予防の観点から公衆衛生に取り組む会社ですが、主に商品開発事業と広報事業を行っています。例えば、トコジラミの予防・早期発見のためのツールや教育システムの開発、また、害虫・害獣をテーマにしたアートの公募展「害蟲展~ワルモノにされたイキモノたち~」を主催し、命の循環や存在意義を考えるきっかけとなる活動も展開しています。

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さらに今後は、8thCALで企画した新しい環境衛生ビジネスを、シェル商事とともに展開していくことも考えています。私たちはこれらの事業を循環させ、未来に向けて真摯に取り組んでまいります。

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