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アビスパ福岡サポーターいっぱい作戦

 J2昇格年の2020年に夏に加入し、いまや押しも押されぬアビスパ福岡のエースとなった山岸祐也がふと呟く。

長袖の王子様

いつか満員の中で試合がしたい。

 その言葉にアビスパ福岡が動く。
 平均9000人ちょっとの来客者数のベススタに2万人観客をぶち込むべくアビスパ福岡2万人プロジェクトを始動した。


 実際アビスパ福岡が2万人観客を入れたことはあるのだが、悲しいかな昇格年以外は基本的に低迷期を過ごすのがかつての我が軍。

 直近の鹿島アントラーズ戦で9500人だったことを考えると、来た人が1人ずつ知り合いを呼べばかなり達成に近づく目標であり20000人は絵空事ではないような気もする。

 おそらく今ベススタに通ってるサポーターは、長らくサポーターを続けてる人だけじゃなく、ここ数年でサポーターになった人も少なくはない。ある意味収容率50%あたりの感覚がベースになっていると思う。
 コロナ禍の一席空け配置はのびのびできてあれはあれで快適だったことは、感想のひとつとして否定できないしね。

 ただ今年のアビスパは一味違う。
シーズン前に立てた目標の
・リーグ8位以上
・天皇杯ベスト4以上
・ルヴァンカップベスト4以上
この目標まであと1歩という状況、相手がリーグ優勝に向けてもう負けられない本気の横浜F・マリノス、という好条件が揃った以上、プロジェクトを立ち上げて満員に近い集客をができるかというミッションは今後のビッグクラブを目指すことができるかどうかの試金石になっていくと思われる。はず。


 この巨大プロジェクトを見据えてアビスパ福岡が成し遂げられるか、否か、懸念点を整理したい。

 クラブ成績の好調の波に乗ってこの短期でドデカいプロジェクト打ち出したアビスパ福岡には1人のサポーターとして全面賛同であることは添えておく。

1.日本シリーズ開幕

 福岡にはご存じ大正義スポーツエンターテイメントチーム、福岡ソフトバンクホークスがいる。今年は大補強にも関わらずいまいち成績が奮わない状況だったが、悲しきかな混パ。CSの2席を3チームで争っている状況である。


 地域の他競技が盛り上がるのはいいじゃないかと言われるかもしれないが、問題はうっかり15ゲーム差つけられたオリックスをCSで倒して日本シリーズに進出した場合、パリーグ本拠地つまりPayPayドームで日本シリーズで開幕するのだ。

日本シリーズ日程

 ホークスファン兼アビスパ福岡サポーターは当然スタジアムとドームをハシゴかテレビ観戦だとは思うけど、ライトな層に1日2試合別競技の観戦はなかなかハードだと思う。

 ここにホークスの日本シリーズがバッティングしてしまうとスタートからかなり厳しい戦いになることが予想される。

2.電波状況

 ベスト電器スタジアムに限らず地方のスタジアムは往々にしてありがちだが、急に人が集まることで通信状況が完全に死んでしまい、一度はぐれたら連絡が取れない状況に陥る。試合開始ごろにはdocomo回線は間違いなく使えないと思っていい。auは問題なく使える。ソフトバンクは知らない。ごめん。

 ベススタではスタジアムグルメの支払いを全て電子決済にしているため、通信不能=支払い不可を意味するので、ここはどうにか対策をしてほしいところ。当日だけ現金解禁は難しそうだけど。


 せめてキャリアごとの通信状況予測をSNSで周知しつつ、2つの入場口に看板を立てて再度準備を促す等会計時に携帯とにらめっこするお客さんを減らす方法があれば。


3.動線問題

 アビスパ福岡は以前は入場→スタグルゾーン→コンコースだったが、現在はスタグルゾーン→入場→コンコースの区画分けになっている。そこで起こるのが試合前の入場待ちとスタグル探しの人で入場ブース前の大混雑。もう一つはハーフタイムにスタグルを買いに行った人の再入場時の混雑。

アビスパ福岡HPより

 野球観戦に慣れてる福岡県民はふらっとスタグル買いに行く人も多いと思う。
 代表戦の日産スタジアムでハーフタイムのトイレ待ちで戻れず香川のゴールを見逃して悲しい思いをした自分のようなお客さんはできるだけ減らしてあげたいと思う。特にアビスパは得点が少ないからね。

4.アクセス問題

 ベスト電器スタジアムは最寄駅が地下鉄福岡空港になるが、現状そこからスタジアムに向かうには30分弱の徒歩かシャトルバス、西鉄バス、タクシーの4択になる。シャトルバスは現状でもかなり待ち地時間があるので、できることとしては増便してもらうのが1番だとは思うが、そこはクラブの交渉次第になると思う。

ゆくゆくの理想は昔みたいに天神博多からホークスと同じようにシャトルバスを出してもらえるようことだとは思うけど、まあいきなりは贅沢というもので。

 せっかくスタジアムで楽しんでもらうための準備をしても、到着がギリギリになるとお客さんに楽しんでもらえない。スムーズなアクセスをクリアできれば試合を含めたトータルでお客さんに楽しんでもらうことは今のアビスパにはできると思っている。今後も集客を増やしていくには避けて通れない問題だとは思うので解決策を見出していきたい。


最後に

 色々と水を差すような懸念点を挙げてはみたものの、素人が思いつくような懸念なんて運営側が考えてないはずがないわけで。長年アビスパ福岡を応援してきた身としては今回のプロジェクトにはとてもワクワクしている。

 2万人を埋めるためにサポーターが知り合いに声をかける、その行動だけでも数万人がアビスパがJ1にいて、マリノス、レッズ、ガンバ、フロンターレ、アントラーズたちと戦っているということを知る。

 それは県民の中のアビスパの立ち位置からすればとても、とても大きな広告効果だと思う。


 満員のベスト電器スタジアムでJリーグの顔とも言える横浜F・マリノス相手に躍動するアビスパの選手たち、声を枯らして応援するサポーター、魂を削ったプレーに目を輝かせる子供達をもし見ることができたらそれは夢のような得点だっことだと思う。


 それに、言ってしまえば今回のプロジェクトで多少のゴタつきは出ると思うし、出ていいと思う。ここ数年でアビスパ福岡は少しずつ観客を増やし、タイトルの可能性もあり、来年J1で戦えることも決まっている。

ここぞのビッグフラッグ

 チャレンジするにはまさに今。

 このプロジェクトで来てくれた人2万人がさらに人を呼び、来場者が増えるであろう来シーズンに向けて、クラブには色んなチャレンジをしてみて欲しい。

 ピッチ上では選手が、ピッチ外ではクラブスタッフたちが、サポーターが、アビスパ福岡が次のステージに進む一歩を踏み出すための1日になるはずだから。

 国立競技場にタイトルを取りにいくアビスパ福岡の選手たちを、2万人のサポーターが背中を押して俺たちの博多の森、ベスト電器スタジアムから送り出せることを願って。

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