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エンブレムにアレばつける前に

 アビスパ福岡を応援する皆様お元気ですか。
 激動の2019年を乗り越え、歓喜のジェットコースターだった2020年に昇格して3年目、ようやくアレを口にしてもバチが当たらないシーズンがやってきました。

写真はイメージです

 思えばJ1に帰って来て3年、ヒールクラブとしてJ1の先輩面した他サポから色んなありがたい声を欲しいままにした我がクラブ、やっとここまで来ましたね。


 初年度は降格枠埋めるはずなのに変にリーグを荒らして嫌がられ、ジョンマリがリフティングで怒られ、フアンマ劇場を開演して怒られる。
 2年目はキーパーをイニエスタのマークにつけ、無抵抗でゴールを献上し、フアンマが劇場を開演して怒られる。
 3年目はフアンマの移籍でさすがに怒られないだろうと思ってたら勝手に伊藤涼太郎を新トトロに売り払って怒られちゃいましたね。

 ホベルトに心を奪われた小学生がアビスパ福岡を応援し始めて20年、まさかこんな年が来るとは思っていなかったのでちょっとアレをつける前にアビスパ福岡の愛すべき所を自分なりに整理しようかと思います。


1.強くない

アビスパ福岡、なんと強くない。

4年ゼミの生態

 強くないチーム応援してて何が楽しいんだよと思われるかもしれないがこればっかりはどうしようもない。そりゃ強いに越したことはないんだよ。ホークスとか強いもんな。


 長谷部監督が来る前までは、4年間J2に潜み、1年J1を見学しに行けばまたJ2に戻る、5年サイクルのセミみたいな生活を20年送っていたのは有名な話だが、とてもとても強豪とは言えないエレベータークラブが俺たちのアビスパ福岡である。

 日本代表どころか海外移籍すら突然変異スーパートミーを除けばA代表は遥か昔まで遡る我がクラブが今、残留争いと別れを告げ、カップ戦とはいえ頂点への挑戦権を得られているのは11人全員が相手からゴールを遠ざけ、シュートを防ぐために魂を削っているからに他ならない。

守護神コンビ

 身体を投げ出してキーパーが触れる確率を1%でも上げようと土と芝に塗れるDF陣はめちゃくちゃかっこいい。シュートブロックに成功した時の咆哮たるや、録音して月曜朝のアラームにしたいくらいのものです。効果は未知数。

博多の待ちガイルことグローリ軍曹

 北の国みたいにたくさん点が入る試合だってそれはおもしろいと思う。そりゃそうだ。サッカーってそういうスポーツだもんね。
 でも、全員が虎の子の1点を泥まみれで守り抜く姿は一度でいいから見てみてほしい。

その1点でビッグクラブとの試合を取った時の相手の監督やサポーターの「内容では勝ってた。」「アンチフットボール」「魅力も先もないサッカー」の声はどんな称賛にも勝る心地良いせせらぎに聞こえてくるはずだ。



ちなみにアビスパ福岡の勝ちパターン、1発当てて撤退防御か、耐えて耐えて終盤に一気に相手を飲み込んで勝ちが多いからギャンブル大好きな人にはマジでオススメ。脳内麻薬ビシャビシャで出るスタジアムマジで最高。


2.所属選手のキャラのバランスがいい


 特にここ数年のアビスパは長谷部監督の好みかキャラ立ちする選手が多い構成となっているのでここで一部を紹介したい。

1.イケメン枠
 山岸祐也、佐藤凌我、山ノ井拓己ほか

 泣く子も黙るイケメン枠。顔サポだろうがなんだろうが女の子だろうがおじさんだろうがメロメロにしてしまう選手たちである。ちなみに何故か独身が多い。

次郎丸のプリンス

2.男が惚れる漢
 奈良竜樹、湯澤聖人、前寛之、井手口陽介ほか

 愚直なまでに課されたタスクに突き進む男がついていきたくなる漢たち。圧倒的な男人気に、その活躍にはスタンドの男たちから野太い声をあがる。全員目つきが悪いとかじゃないよ。

博多の漢奈良



3.ちいさくてかわいいものたち
 鶴野怜樹、紺野和也、重見柾斗、西村活輝ほか

 アビスパ福岡は今まで年齢層の高いナイスミドルが多いチームだったが、ここ最近は若手の起用も増え、ちいかわたちにアビスパの未来を夢見るサポーターも増えてきた。

アビスパ一大勢力福大閥

4.外国籍の選手たち
 現在ではグローリ、ルキアン、ウェリントンのブラジル国籍3人になってしまったが、昇格初年度は出場枠5人しかないのに8人も抱えた上に全員がそれぞれキャラ立ちするという奇跡が起きていた。アビサポは皆クラブのお財布の心配をしていた。

助っ人特殊部隊

5.福岡人
城後寿(久留米は福岡)、金森健志、佐藤凌我ほか

 バンディエラ城後寿を筆頭とする県民会だが、ここ数年でようやく勢力を拡大した。石津の退団もあった中で、次郎丸中から佐藤凌我、東福岡から佐藤凌我と同級生の小田逸稀の補充に成功した。他にも福大閥が着々と拡大しており、地元密着をより強めている。

筑陽学園のプリンス金森健志



 顔からでも、プレーからでも、関係性からでも、ストーリー性からでも、今のアビスパはどこから食べても美味しいと思う。ぜひ一度ご賞味願いたい。

小田と佐藤凌我の東福岡コンビが今メディアも取り上げたことで1番人気のコンビだと思われているが、実は1番人気は田代と田代のフォルムに惚れ込んだグローリのコンビだ(当社調べ)。

3.タイトル童貞

 そんな我らのアビスパ福岡ですが、4回も昇格したのにJ2ですら優勝したことがありません。弱くてかわいいですね。故に当然エンブレムの上はスカスカです。悪く言えば何も手にしていない、良く言えばこれから全部が初めての経験。何でも手に入れられる。

大谷翔平がメジャーで初の記録をバシバシ立てていますが、やっぱり初めてってのはいいことです。

Jリーグもルヴァンカップも天皇杯もACLもCWCも何も手にしたことない我らがアビスパ福岡。伸び代ですね。

ちなみに今年はアビスパ福岡だけがリーグ、ルヴァン、天皇杯の三冠の可能性を残しているチームで、10月8日に川崎フロンターレと天皇杯準決勝、10月11日、15日に名古屋グランパスとルヴァンカップ準決勝を戦います。

歴史が変わる瞬間を見逃すな。


ダービーでこれ掲げて怒られたいね


 アビスパ福岡が初めてのタイトルを手にし、大分トリニータに先んじられた九州クラブのタイトル獲得数に追いついて九州の盟主としての威厳を取り返しましょう。


最後に

 アビスパ福岡を好きな理由をいくつか並べてはみたものの、やっぱり生まれ育った福岡の名前を背負って戦う選手たちはみんなかっこいいし応援したいのが博多っこというもので。

アビスパ福岡を昔から愛している人、
知り合いに誘われて最近好きになった人、
チャント歌うのが好きな人、
アビスパのサッカーを見るのが好きな人、
ゴール裏からアイドル経由でアンバサダーになったお姉さん、
顔ファンお姉さん、
勝負しろおじさん、
バックパスするなおじさん、
ユースヤクザ、

スタジアムやDAZN、熱量もサポートのしかたも色々あるサポーターが少しずつアビスパ福岡っていいクラブだよって広めていくことで、いつか、町の人捕まえて聞いたら監督とエースくらいは答えられるような日が来るといいなと思っています。

 ちょっとずつ変わり始めているアビスパ福岡、少しずつ増え始めたアビスパ福岡のサポーター、今後もふと、アビスパへの想いが冷えてしまう時もあるかと思うけど、そんな時にも無理にアビスパを見る必要はなくて。

 それでも、ちょっとだけ勇気が欲しい時、嫌なことを忘れたい時、そんな時に気がつけば足を運んでしまうスタジアムにベスト電器スタジアムになることがささやかな夢です。

さあ、準備は整いました。30年近く寂しかったエンブレムを飾りつける時は今です。

博多の人間ならこんな勝ち馬に乗らない手はないですよね?
恐れることはない。

オイサ。

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