【MUP】心を動かすマーケティング
皆さん、こんにちは!ういんぐです。
今日は「マーケティングにおける感情操作の重要性」についてお話ししていきます。
今の時代、書店に行けば多くのマーケティング本を目にします。僕も、今まさにマーケティングを学んでいるところですが、多くの理論やフレームワームがあり、マーケティングの奥深さと難しさを実感しています。
しかしながら、結局のところマーケティングに欠かせないのは、「人」にアプローチするという本質の理解だと思います。要するに「心を動かす」ということです。人の心の動きを知り、活用することが根底になければ、ビジネスはうまくいきません。
そこで今日は、「人の行動心理に訴えかけるマーティングとは何か」という、マーケティングの要について学んでいきましょう。
この記事を読めば、次のポイントについて理解を深めることができます。
・どうしてマーケティングがうまくいかないのか
・人の「本質」を突くマーケティングの極意とは
・人の心を動かす為に必要な方程式とは
それでは、今日も一緒に学んでいきましょう!!
1.売れない時代に感動を売る
突然ですが、現代の人々が1日に受け取る情報量がどのくらいかご存知でしょうか。
なんと、江戸時代の1年分、平安時代の一生分と言われています。くわえて、今世の中に出回っている情報の約9割が過去2年間に蓄積されたものであり、目まぐるしいスピードで情報がアップデートされています。
日々、これほど多くの情報に接する機会があることを裏返せば、消費者行動も同様に変化のスピードを増しているということです。
1920年より長らく、消費者の購買行動の定説とされていたのは「AIDMA(アイドマ)の法則」で、消費者が商品・サービスの購入に至るまでのプロセスは、次の5段階とされていました。
しかしながら、インターネットの普及に伴い、消費者の購買行動は大きく変化します。
2005年からはAIDMAの法則を補完するモデルとして、「AISCEAS(アイセアス)の法則」が台頭します。特徴的な変化は、製品やサービスに関心をもった消費者は、まずインターネットやSNSで「検索」し、口コミや類似品等の情報を収集し「比較」して、購入後にはその評価を同じくネットやSNSで他の消費者と「共有」するということです。
今はモノ余りで、作れば売れるという時代は既に過去のものです。多くの選択肢と情報が得られ、消費者の方がスマートになっている時代です。企業は単に説得するだけでは、消費者に受け入れてもらえません。消費者が欲しくないものはどんなに安くても売れないのです。
しかしながら、一方で爆発的な人気を集める商品やサービスが次々に誕生していることも事実です。
それらに共通するものは一体何でしょうか。それは、人々の心を動かせているか、つまり、感動を与えられているかということです。人はいつの時代も感動を求めています。TDLやUSJが発展を続けるのも、人々に感動を与え、多くの共感を得ているからです。
時代の変化とともに消費者の購買行動も変化しますが、人の本質はそう簡単に変わらないものです。小手先のマーケティングテクニックに頼るのではなく、そういった人の本質を理解し、消費者に感動を与えることができれば、ビジネスは必ずうまくまわっていきます。
2.感動を起こす為の3ステップとは
マーケティングにおいて、消費者の心を動かす重要性について理解できたところで、ここからは具体的にどうすれば感動を提供することができるのかについて解説していきます。感動を起こす為には次の3ステップを実践しましょう。
(1)シンプル化
(2)心理的法則
(3)MKT三原則
順番に詳しい手法を解説していきます。
(1)シンプル化
この「シンプル化」を効果的に実践したのが、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏です。ジョブス氏は広告やマーケティングの天才と呼ばれていますが、その能力を大きく飛躍させたきっかけはピクサーでの経験だと言われています。
その以前に、ジョブズ氏が手掛けたマッキントッシュの新聞広告は9ページにも及ぶ大作で、マッキントッシュの性能の高さを詳細に記したものでした。当然、全ての記事に目を通す消費者は少なく、この新聞広告は失敗に終わります。業績不振を問われ、ジョブズはアップルを追放されますが、アップルの株を売り払った資金の一部を流用し買収したのがピクサーです。
ジョブス氏は、このピクサーでの経験を通じて、良いCGアニメーションを作っても「ストーリー」がないと価値がないということを学びます。
その後、倒産寸前のアップルに返り咲いたジョブス氏は、アップルの広告キャンペーンを「Think different」とシンプルなスローガンに改め、大成功を収めます。製品の性能を細かく宣伝することをやめ、アップルの信念を伝える宣伝にシフトしたことで、多くの消費者の共感を得ることにつながりました。
ジョブズ氏は次のように語っています。
世界はとても複雑で、ノイズの多いところです。人々に私たちのことを覚えてもらうチャンスはそう多くありません。どの会社にとってもそれは同じです。だから、人々が私たちについて知っておいて欲しいことを明確にする必要があります。
この言葉のとおり、今の時代の起業、マーケティングは何かに追加して完成が来るのではなく、取り除いて完成が来る時代です。モノ余りの時代だからこそ、消費者はシンプルで分かりやすい商品・サービスを求めています。
店舗、広告、ホームページを見直し、これらが徹底できているかを再確認しましょう。例えば、文字で商品・サービスの説明をするのではなく、チャート図を用いて視覚化する、提供フローもシンプル化する等、取り除けるものがないかを検討するが重要です。
(2)心理的法則
ここで出てくるのが、次の3つの概念です。自身の体験を踏まえて考えてみてください。
①バンドワゴン効果
「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」という心理が作用し、他人の所有や利用が増えるほど需要が増加する。
②スノッブ効果
「他人とは違うものが欲しい」という心理が作用し、簡単に手に入手できないほど需要が増し、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減少する。
③ヴェブレン効果
「価格が高ければ、その商品・サービスの価値も高いだろう」という心理が作用し、見せびらかしの消費につながる。
どうでしょう、少し違和感を感じた人はいませんか?その違和感とは隠された矛盾です。
例えば、①バンドワゴン効果と②スノッブ効果を比べた時、①みんなが持つと欲しくなり、②みんなが持つと欲しくなくなるということになります。
つまり、この3つの概念はそれぞれ独立したものではなく、掛け合わされることで効果を発揮するということです。実は、大手企業の有力マーケターはこういった心理的法則をうまく活用しています。
例えば、先ほどの①バンドワゴン効果と②スノッブ効果を掛け合わせるとどうでしょうか。この法則をうまく利用しているのが「ご当地キティ」です。
ハローキティは誰もが知っている、持っている有名なキャラクターです。そこに、ご当地限定という希少性を持たせることで「皆んなが持っているから人気、しかも珍しいからもっと欲しい」という相乗効果をもたらすことができます。
また、①バンドワゴン効果と③ヴェブレン効果を掛け合わせることによる効果はどうでしょうか。例えば、権威性のある人が高級ブランドを宣伝すれば、「あの人と同じブランドを使いたい」、「あの人が愛用しているなら私も欲しい」と、消費者の所有欲をより掻き立てることができます。
つまり、①バンドワゴン効果、②スノッブ効果、③ヴェブレン効果を掛け合わせることで、消費者から注目を集める為の「皆んなが選ぶ×特徴×希少性」という方程式を導き出すことができます。この方程式を基に、お店や商品、サービスのキャッチフレーズを考えてみてください。
(3)マーケティング三原則
これは、どうしたら見てくれるのか、どうしたら聞いてくれるのか、どうしたら動いてくれるのかを考えるということ。言い換えると「見ザル、聞かザル、動かザル」の消費者を、どうすれば振り向けることができるかということです。
マーケティングがうまくいかない原因はお店の規模が小さいから?、お店が豪華じゃないから?、それとも特別な商品がないからでしょうか。
違います、何度も繰り返すように「感動がない」からです。驚き、ワクワク、嬉しい、怖い、ハラハラといった感情を掻き立てる努力を続けない限り、マーケティングはうまくいきません。
大企業も、人々の感情に訴えかける広告に力を入れており、理解広告から興味広告に変化しています。先に例に挙げたアップルと同様に、ナイキの「Just do it.」のブランドスローガンは、今では誰もが知る有名なフレーズになっています。
何が言いたいのかと言うと、第一に人々の関心を引くことができなければ、良い広告であっても日の目を見ることはないということです。
その為に、「意外な場所」に心を動かすキャッチコピーを散りばめましょう。意外な場所とは、床、トイレの中、森の中、お皿の底等、とにかく消費者を「えっ?」と思わせることができれば、仕掛けとして大成功です。
広告の打ち方も非常に重要です。人は自分が追加で得るよりも、今あるものを失う恐怖感に心を動かされます。これをプロスペクト理論と呼びますが、例えば、「今サブスクに入会すれば10,000円お得です」と言うよりも、「今サブスクに入会しないと10,000円損します」と宣伝したほうが消費者の心を動かしやすいです。
さらに、感動を引き起こすには、基準を人間にしないように心がけることが欠かせません。ヤモリでもカメでも、パクパク反応してくれるかを基準にすれば、心に働きかける広告を打つことができます。理解に基づく「知動」ばかり意識している限り、人の心は動きません。感情を動かす「感動」を届けることが、今求められているマーケティングの本質であることをしっかり理解しましょう。
すぐに役立つテクニックは、すぐに役立たなくなります。時代が変化しようとも、重要なのは本質であり、生物としての人を理解することに他なりません。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。感動を起こすマーケティングについて、理解を深めることはできましたか。
では、今回のセッションのまとめです!
★人はいつの時代も感動を求めている。人々に感動を与え、多くの共感を得ることができればビジネスは伸展する。
★今の時代の起業、マーケティングは何かに追加して完成が来るのではなく、取り除いて完成が来る時代。
★心理的法則の方程式「皆んなが選ぶ×特徴×希少性」をキャッチフレーズにする。
★理解に基づく知動を意識している限り、人の心は動かない。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇♂️
おわり。
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