肩めった刺し
それは自室から始まった。
その日は幼馴染が勝手に遊びに来ており、部屋でワイワイ騒ぎながら漫画を読んだりしていた。
少し経つと、SNSから昔好きだった女の子から連絡があり、
近くまで来ているという。
ウッキウキで幼馴染に「友達きたからちょっと待ってて」と言い、
2階の自室に彼を残し、玄関前で待っていた『その子』を家にあげた。
私の家は1階が広く何もない。
そこで最近の話をしたり、昔話をした。
いい雰囲気になり、一度だけ軽くキスをして「幼馴染が遊びに来てるから様子を見てくるね」と2階に戻った。
自室に戻ると後輩が二人増えており、寝そべってくつろいでいた。
「おう!◯◯ちゃん(私のこと)おひさ〜」
とのんきに言った後輩Aと漫画を読んでいた後輩B。
あったことない幼馴染とも仲が良く、漫画から目を離さないBに対し2人して
「お前いつまで漫画読んでるんだよ。カエレカエレ〜」と
冗談めかして煽っており、後輩Bは「えぇ・・・」と言った間の抜けた表情。
それを見てまぁいいかと自室を出て、『その子』を迎えに行き、
リビングに通した。
リビングには両親と知り合いだったような気がする女の子Cがおり、
Cは「私、△△!」と『その子』に話しかけはじめた。
『その子』は「△□?」と繰り返すが発音が難しいのか上手く言えない。
『その子』は日本以外で育っていた「日本語の上手な子」なのだが「見た目はアジア人」のため
どこか、からかっているように見えなくもない。が多分本人は真剣である。
「違う。△△」
「□△?」
このやりとりを後2回繰り返した。
Cは「も〜だから違うっていってるじゃん。」
と語尾を強くしながらもちょっと呆れた声で言うとおもむろに立ち上がり、
近くにあった赤いボールぺんで『その子』を刺した。
「違うっていってるじゃんか〜どうして言えないの〜?」とのんきに言いながら何回も刺した。
『その子』の白いワンピースに赤い点がポツポツと増えていくのをみんなが一瞬眺めていた。
私はハッと我にかえりCを羽交い締めにして押し倒した。
『その子』は痛いのか、痛くないのか「あっ、あっ、」と刺されるたび気の抜けた声しか出さないし、
固まっている父親には「さっさと『その子』を応急手当しろよ」!と私が叫んだ。
父親は「あっ、」と言って我に帰り、救急箱を取り出していた。今思えば、父親だと思っていた人は実際の親とは似ても似つかなかった。
「なんで抑えるの?あの子がふざけるから悪いんじゃんか〜」というCを羽交い締めにしながら
「俺がパニックだよ!!」と叫んだところで目が覚めた。
2021/9 夢のメモより
私なんかにサポートする意味があるのかは不明ですが、 してくれたらあなたの脳内で土下座します。 焼きじゃない方の。