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【読書記録】チョウセンアサガオの咲く夏

タイトル:チョウセンアサガオの咲く夏
著者:柚月裕子

米崎地検の検事・佐方貞人の事務官をつとめる増田陽二。高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会した増田は、同じく同級生の木戸とその夜旧交を温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったという伊達には、ある秘密があった……。(「ヒーロー」)
〈佐方貞人〉シリーズスピンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、著者初のオムニバス短編集。

Amazon商品ページより引用

11編の短編+解説からなる短編集。
シリーズ作品のスピンオフ作品も収録されているけど、そのシリーズを知らなくても読める。

柚月裕子先生は「孤狼の血」シリーズを執筆している作家さん。
「興味はあったけどシリーズものはハードル高いから、短編集ならとっつきやすくて良いな」と思い購入。
装丁の美しさと、帯に書かれた「美しい花には毒がある」の文字も惹かれるものがあった。

しかし全編通しての総合的な感想を言うと、正直物足りなかった。
早々に結末が読めたり、最後まで読んでも特に心が動かされない話が多かった。

それでもグッときた作品もあって「泣き虫の鈴」「泣く猫」「ヒーロー」は好きだった。
この3編の共通点を自分なりに考えると、登場人物の心情や人物像が他の話よりも深く描写されている点かなと思う。

文体そのものはとても読みやすくて、間を置かず最後まですいすい読めた。

それを踏まえて、この先生の作品は短編よりも中~長編の方が魅力的なのではないかなと感じた。
(私はとりあえず「孤狼の血」と「最後の証人」を欲しい本リストに追加した)

オチ含めて綺麗にまとまっていたので、通勤通学や何かの待ち時間でサクッと読める作品を求めている人には良いと思う。

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