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Loohcs高等学院の校長に就任しました

私がLoohcs高等学院に携わってちょうど2年になる今月、校長に就任することになりました。

この2年間、私は教務以外のあらゆるロールで学校運営に携わって来ました。
1期生に合格発表をすると同時に、このまっさらな新規校を選んでくれた学生と保護者のみなさんの信頼に応えたいという気持ちで、今日までやってきた自負があります。どんな立場であろうと、学生たちが成長できる学校にするために最大限コミットするという想いは変わらないので、「校長をやってほしい」と言われた時も、仲間たちが私にと言うのであればと、一切迷うことなく引き受けました。

一切迷うことなく、はちょっと嘘ですね。32才で未婚の私は、結婚と出産どうしたら良いんだろうなとは思いました。学生たちに校長就任の話をした時も、何よりも先に「おかちゃん結婚諦めたの?」と聞かれました。「ううううううん。そりゃね、私も考えたよ。でもさ、今の段階で相手もいないのに断るのも違うじゃん?」と言うと、「たしかに。」とみんな納得していました。在宅ワークも増え、働き方はいかようにもトランスフォームできる時代になって来ました。将来子どもを授かることになったら、卒業生や在校生に手伝ってもらいながら働く形を模索しようと思います。

前置きが長くなりましたが、私が目指す学校像について書きます。

学生が成長できる学びの場をつくる

ルークスの学生たちは、自分が何が好きであるか、将来何になりたいのかをふつうに話します。人の趣味嗜好や夢を「そうなんだ」と受け入れる文化ができています。教員との距離も近く、勉強も運動もスマホのゲームも、学生と教員が競い合うのが当たり前です。まずは学校が一人ひとりの学生にとって安心して通える場となることを目指しています。

学び舎としては、渋谷区という東京の最先端の街を拠点にしつつも、地方の暮らしや自然との接点を多く持ちたいと考えています。人は、自分が体験したことしか本当の意味での納得感は得られません。例えば「自然守ること」を本気で考えるためには、前提として「自然が好き」でなければなりません。日本各地、いろいろな暮らしがあることも知ってほしい。環境としての多様性にも触れ、視野を広げてほしいと考えています。

また高校は中等教育の出口にあたり、1番社会に近い位置にある学校です。平たく言えば、資本主義社会の中で生きていく力を意識した教育機関である必要があると考えています。WEB制作などのスキルはもちろん、膨大な情報の中から正しい情報を読みとる判断力も必要です。体験し、考え、形にし、その先へと繋がる力を育める学校を目指します。

学校という枠の中にいる利点は、無限に失敗ができることです。ルークスでは自分でやらなければ学習も活動も進みません。上手く行かなければやり方を変えれば良いし、途中で飽きたらやめてもいい。だから何にでもトライしてほしいと思っています。そのために学生たちには、「もっと学校という場を使い倒すように」と伝えています。

教職員が生き生きと、学生よりも学ぶ環境をつくる

ルークスはまだ開校2年目で課題も多く、目の前にいる学生たちを見ながら、彼らと話しながら試行錯誤している状態です。しかし、手前味噌ながら現場の人間全員が「こんなに良い学校、ほかにはない」と思っています。カリキュラムの内容、学習手法、教員の関わり方、すべての判断基準は「学生にとって価値があることか」「学生の成長につながるのか」という点です。

本校では教員の役割をモチベーティング・マネジメント・ファシリテーション・ティーチングの4つだと定義しています。ルークスは今まで学校教育で重きを置かれていたティーチングは中心に置かず、必要に応じてしかおこないません。Educationの語源は引き出すことですから、教員(Educator)は学生たちの知的好奇心や向学心を引き出せる人でなくてはなりません。そのためには、学生たちよりも教員の方が圧倒的に学び、学ぶことを楽しんでいる姿を見せることが必要だと思います。また、好奇心が溢れ出す状態を生み出すためにも、本校ではグループティーチングを採用しています。学生の情報共有や、誰がどういうアプローチをするかということは、毎週の全スタッフMTGで一緒に考えます。個人が課題を抱えすぎることなく、やるべきことに集中できる環境をつくりたいと考えています。

私は教職員こそが、学校の魅力であり価値だと信じています。教職員は学生たちが1番長い時間を共に過ごす大人ですから、楽しく生きる大人のロールモデルとしてと学生に寄り添ってくれることを願っています。仕事熱心な本校の教職員は、休日も仕事の時間に当てがち(もしくは勉強をしがち)ですが、休日を上手く利用して趣味の時間を謳歌することも並行して大切にしていきたいと考えています。教員の働き方、学校組織のあり方も、全てにおいて最高のものをつくっていきたいと考えています。

開かれた学校をつくる

学びの場を学校内に留めない、ということはルークスの一つの指針です。コロナ禍の中で、全面オンライン授業の時期を経たからこそ、どこにいても学ぶことはできると実感したのと同時に、オフラインの学校という場所の重要性を強く感じるようになりました。今後もっと学びの場に変化をもたらし、学校外での学びの機会を増やしながら、色々な方にご協力をいただきながら、より良い学校を創っていきたいと思っています。

またルークスは現在、学校法の枠外で運営しています。縛りが少ないからこそ、良いと思う教育の形をたくさん試すことができます。そして本校で実践して得たメソッドをほかの学校にも広げていきたいと考えています。

最後に、多くの人に携わっていただきながら、ほかの学校とも協働しながら、より良い学びの場をつくり広げていきたいと思っております。今後ともどうかご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2020年11月27日 
岡 佑夏

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