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EVERYDAY大原美術館2023 vol.8「コックリさん、コックリさん」

突然だけど、指ハートを考え出した人、すごい。
2010年ごろから韓国で広まったそうだが、人差し指と親指だけで、LOVEを表現できる。なんと気軽で愛らしいことか。
手で作るハート、どん!っていうより、小さなハートをみんなにたくさん、届けるイメージに好感がある。

ハートそのものって、LOVEを意味していなんだっけ?
語源的にはもちろん、心臓??心ってところから、心のある、心のこもった、心にある、「思い」ってことからLOVEに行き着いたのかなと想像してみた。
何よりこの、「ハート」の存在。世界中の人がおそらく認識する強いシンボルであることにそのパワーを感じる。

ジム・ダイン作「少女と犬II」

ナカムラさんの「少女と犬Ⅱ」

落書き

昔、昔、まだ固定電話があった頃、電話をしながらこんな落書きを書いたことを思い出した。当時は電話の隣には、小さなメモ帳とボールペンが置いてあった。固定電話には家族全員の電話がかかってくる。取次をするために、メモがあった。

特に夜の長電話ではメモ帳の落書きは繁忙期を迎えた。この時のメモはもうメモではない。丸をたくさん書いてみたり、斜めに線を走らせたり。何かを描くというより、自分の意識とは別に手が勝手にペンを走らせていた。

意図的なモチーフ

6色に区分けされ色を配したハート。
意味するところはわからないが、目に飛び込んでくる。
前述した通り、ハートはすでに強いシンボルであることは間違いない。
見る側も描く側も、ハートの意図性やイメージを認識するし、認識されることをわかって描いている。

私には、ナカムラさんの絵より少し小さく、弱く感じた。それは大きさの問題であり、インパクトのこと。目立ちはするが、この作品の主役ではないと思った。

次に何が描かれているのかが、気になるところだ。
「ゾウ」がいる。
「絵筆」がある。
「手」がある?
「花」がある?
「鳥」がいる?
たくさんのモチーフがそこにはある。おそらく全てのモチーフは何からの意味を持たせようとすれば、持たせられる。

答えは外にある

でも、何だかそうは思えない。ゾウは、何か強さや特権の象徴でしょ〜、
絵筆は・・・。何だか嘘くさいし、そんな絵は楽しくない。
(とその時は思った)

最初の落書き線に思いを戻してみる。
線の調子が、落書きじゃない。まぁ、当たり前と言えば、当たり前だ。
落書きが美術館にドーンと飾られるわけがない。
線の調子は、大きく3パターン。しかも良いリズムでペンが走っている。
何かを隠したかのように見える人もいるだろうし、何も考えず気持ちよくペンを走らせただけとも見える。

題名は少女と犬Ⅱ

少女も犬も描かれていないない。
ペンを持ったのは少女だったのかもしれないと思い始めた。
ペンの歩みは犬の足取り?
その足はどこのモチーフへ向かうのか、手綱を引くのは少女、
歩き・走り回るのは犬。
予想できない動きは、勝手にどこかのモチーフへぶつかる。

コックリさん

それは昔、昔、小学校(もしくは中学校?)の放課後、クラスで流行ったあの遊び。魔界とつながるあの遊び。
誰かの意思とは関係ないように見える動きは、背筋も凍る鉛筆の魔力。

そう、二度と同じものは作り出せない少女と犬のコラボ作。









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