不確定日記(新馬場)
シルクスクリーンの工房に行ってみないか、と誘われて行ってみた。
駅からの道沿いの神社では河津桜が満開で、濃いピンク色の花を多くの小鳥がついばんでいる。メジロは小さいがヒヨドリは重くて動きも激しいので枝が揺れ花弁が舞う。咲いているあれを食べ物として見ると、風景はまったくうららかではない。
デジタル製版は時間がかからないし、作業手順もマニュアル化されていてわかりやすい。刷る作業自体が楽しくなり、くだらない落書きをハンカチとポーチにたくさん刷った。何か売るものを作るならもう少し計画してから来ようと、同行者とまたの約束をする。人と同時に同じ作業をするのは久しぶりで、教えてくれる店の人への質問の仕方や刷る数など、私の「用心深くなさ」が際立った。
インクが乾くまでの間に行ったカフェで、店主であろう夫婦が私たち二人分の飲み物と軽食を両手に持ってソロソロと階下の厨房から二階まで上がってきたのが意外で少し笑った。お盆というものがなくなってしまった世界では生活のスピードがだいぶ落ちそうだ。
刷ったものを畳んで小雨の中帰った。帰宅ラッシュと重なった満員電車を出るとぐったり疲れていて、帰って2時間ほど眠った。
そんな奇特な