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不確定日記(文学フリマ東京38)

 キャリーバッグで即売イベントの出店をしに行くのははじめてだった。旅行に行く時も、いつも2泊程度までならトートバッグで行くようにしていたのは、車輪があると移動が不自由な気がしたからだけれど、最近、多少の動きにくさよりも、重いものを持つ方が辛い、ということに気がついた。出店のための小物や、グッズの在庫の入ったケースをコロコロと押して歩くとちっとも辛くないのが不思議だった。

 浜松町駅のモノレール乗り換え口はだいぶ混んでいて、うっかりするとエスカレーターを降りるスペースがなさそうなくらいで、挟まりそうで恐ろしかった。不安な顔の旅行客らしき人を列に入れた。今度はホームの列に並んで、しかしうっかり空港快速に乗ってしまい、あわてて降りてまた列の後ろに着き直した。

 流通センタービルの前で、同じスペースで「ランバーロール」を販売するおくやまさんと落ち合う。スペースに着いて、とにかく送った本がきちんと届いているかが不安だったので、段ボールを探す。あって、それ以上の心配はあまりなかった。開場後は盛況で、とにかく人が多く、本は結構売れた。

 昼食用に、前日焼いた鶏肉とサニーレタスのとマーマレードとギリシャヨーグルトのサンドイッチを持ってきていたので、休憩室で食べる。弁当を作るのが久々だったので、なんとなく社会の一員になれたような気持ちになって食べた。
スペースに戻りがてら欲しかった本を買おう、と思って遠い方の会場に行ったが、財布を開けたらお金をそんなに持ってきておらず、知り合いのスペースを数件回ったら時間もあまりなかったので、そのまま戻ってしまった。

 何人かの友人も来てくれ、一人は「間違えて空港に行ってきたから」と東京土産のお菓子をくれた。私も間違えかけた、というのを忘れた。

 もう何日も前から、イベント終わりのビールを楽しみにしていたので、タバブックスの宮川さんに誘ってもらって嬉しかった。会場を出ると、パレスチナに向けてのスタンディングをしていた。少し雨が降っていた。

 ブースに寄ってくださったかた、本やグッズを買ってくださったかた、今までの作品の感想をくださったかた、ありがとうございました。12月の文学フリマにも出る予定です。

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