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みんなそれぞれの地獄があっていい

このnoteはリアルの友人たちにも公開している。

noteを書き始めた時、高校時代の友人からこう言われた。
「インスタ見てるといつも幸せそうだと思ってたけど、こんな辛い経験をしていたんだね」

私がインスタに投稿しているのは、行った場所や食べたものなど楽しいことばかりだったので、そう思われたことに特に意外性はなかった。

友人がそうやって、私に感想をくれたことが嬉しかった。

自分自身もそうだけど、自分はつらい目に遭っていて、他人はとても幸せで平和そうにみえる気がする。

仏教でこんな逸話がある。

幼い我が子を亡くした母親が、お釈迦様に「息子を助けてください」と頼む。

お釈迦様は「1人も死人が出たことがない家から白いケシの実を貰ってきなさい」とおっしゃった。

母親は「ケシの実ならなんとかなる」と町中の家を訪ねるが、家族が亡くなっていない家は見つからなかった。

「自分の子どもだけが死んだと思っていたが、町中のみんなが家族の死の悲しみを受け入れて生きているのだ」と、死はどこの家にもあることに気づかされたのだった。

・・・

この逸話とは少しズレるかもしれないが、私はみんなそれぞれが「誰にもわかってもらえない辛さ」を持っていていいと思う。

生まれも育ちも、その後の環境も、出会った人も、全く同じ人はいない。

血を分けた親兄弟でも、一生を誓い合ったパートナーでも、お腹を痛めて産んだ我が子でも。
辛いことで本当に分かり合えなくていいと思う。

夫に、私の双極性障害の辛さはわからない。
「大変だなぁ」とは思うらしいが、ここまでは頑張れるとか、休んだらよくなる、助けを求めた方がいいとかハッキリとしたボーダーラインがわかるわけではない。

しかし夫はいつも、私が辛そうにしていると「辛いね」「いつも頑張ってるね」「きっと良くなるよ」と優しい言葉をかけてくれ、可能な限りゆっくり休ませてくれる。

私にだって、夫の仕事の大変さはわからない。言わないだけで、本当は何か思うところがあるかもしれない。
それでも、わかってあげたいとか無理に聞き出そうとかはせずに、いつも労って感謝をして、一緒に過ごせたらいいと思う。

お互いに辛さがわからなくても、こうやって寄り添ってくれるだけで心は軽くなるし、私も夫のような人の気持ちに寄り添える人になりたいと思う。

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