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実はほとんどの人が「プロジェクトマネージャー」である Ⅻ/Ⅻ

本シリーズでは、私たちが日常生活の中で無意識にも採用している視点を、プロジェクトマネジメントのスキルや表現に置き換えて考慮してきました。言語化されたそれらのスキルをもとに、私たちが日々の生活をより豊かに、効率を図れる可能性について検討することには、高い価値があります。

この第十二部では、これまでに構築したスキルをもとに、個人のパーソナルブランディングと自己表現の重要性に焦点を当てて考慮します。

私たちが日々の中で築いている人間関係や、社会的なつながりは、自己という「ブランド」の形成にも寄与しています。自己の価値を他者に伝えることから、個々の社会的な立場を強化する方法について考えてみましょう。

第十二部:パーソナルブランディングと自己表現

パーソナルブランディングは、自己の強みや情熱、価値を明確にし、それを他者に伝えるプロセスです。それは、単に外見や印象を手元で管理する以上の意味を持っています。
例えば、ビジネスの現場におけるプロジェクトマネジメントに際しては、プロジェクトの目標をどのような取り組みをもって達成するかを計画した後、それを関係者に「どのようにして伝えるか」を検討します。プロジェクトの価値を効果的に伝えることができれば、それは関係者の信頼や尊敬に繋がり、プロジェクトは成功に向けて進みます。また、それは目先のプロジェクトを超えて、新たな機会も捉えられる、未来の可能性の創出にも繋がります。

それでは、パーソナルブランディングとは何かから、その具体的なアプローチまでを、考慮してみましょう。

自己価値の評価

パーソナルブランディングにおいて、自己の価値を効果的に表現するための第一歩は、自己評価から始まります。これは、自分の強みやスキル、経験を明確にし、それらをどのように社会的な場や職場で表現するかを計画するプロセスです。特に日常生活での役割から学べるスキルや経験を、具体的なアクションプランに落とし込むことが重要です。

1. 自己評価の実施

まずは、自身の内面と外面の両方から、自己評価を行います。内面的な評価では、自分の価値観、情熱や目標を振り返ります。外面的な評価では、コミュニケーション能力やリーダーシップ、専門知識など、社会的な場面でどのように自分を表現しているかを分析します。

例えば、パーソナルブランディングの視点においては、職場や日常生活で担うタスクや役割をただこなすのではなく、現在の自分がどのような技能やスキルを習得しているのかを、俯瞰して考えます。言い換えれば、それは自身の職務経歴書を時折見直し、最新の状態にアップデートする意識を持つようなイメージです。過去から現在までの自身の経歴を整理し、その経歴をもとに現在の自己評価を実施します。

2. スキルと経験のマッピング

日常生活で磨かれる多くのスキルは、職場や社会活動でのプロジェクトマネジメントにも役立ちます。具体的には、家庭の日々のスケジュールを管理する能力や、家族や関係者間の意見の調整を行う協調性、予期せぬ問題(例えば、親族や家族のアクシデントや病気)に対応する能力などが含まれます。これらはすべて、社会的な場面におけるプロジェクトを円滑に進行させるために必要なスキルとも直結します。

たとえば、旅行の計画に際し、参加者全員のスケジュールを調整したり、それぞれの期待に応じた活動を計画するプロセスは、職場でのプロジェクト管理やイベント計画においても基本となる技術です。これらの経験やスキルをリストアップし、それぞれがどのようにプロフェッショナルな環境にも適用可能かを考慮することで、パーソナルブランディングを強化するための材料を作成することができます。

3. ストーリーテリングの活用

自己のブランディングにおいて、個人のストーリーを語ることは非常に効果的です。これには、過去の挑戦、成功、学びなどを織り交ぜた話が含まれます。自分の経験を物語ることで、他者との共感を生み出し、より深い印象を与えることができます。

自己評価に際して、職務経歴書のアップデートを例に挙げましたが、ストーリーテリングの活用の視点に際しては、その経歴を重ねた過程における背景、思いやエピソードを織り交ぜて、貴方の人生の物語を表現するイメージです。

4. フィードバックの活用

1から3により整理した内容をもとに、家族や友人、同僚に、実際に話してみる事も効果的です。彼らからのフィードバックを積極的に求め、自身のブランディングがどのように伝わるかを認識します。これにより、必要に応じて自己表現の方法を調整したり、さらに魅力的なパーソナルブランドを築くことが可能になります。

自己の価値を正しく評価することで、個人としての魅力や能力を最大限に活かすための基盤(パーソナルブランド)を形成し、それを適切に表現することで、日々の生活から職場まで、どのような環境でも自分の立ち位置を明確にし、影響を与える役割を担います。

自己の価値を伝える

次に、明確にした自己の強みや情熱、価値感を他者に伝えるプロセスについて考えます。このプロセスにおいては、自分の能力をどのように活用し、どのように伝えるかを計画的に考える視点を持つことが重要です。

オンラインでの自己表現

現代において、SNSは非常に強力な自己表現のツールです。例えば、個人が自宅で実施したリサイクルやDIYの活動をSNSで共有することで、環境への配慮や創造性を発信し、同じ関心を持つ他者やコミュニティとの繋がりを持てる可能性があります。また、それにより、もとは個人のものであったエコへの意識や創造力が、社会的な繋がりや新たな取り組みを生み出す切欠となる場合があります。

オフラインでの影響力の強化

オフラインでの個人ブランディングも重要です。地域コミュニティのイベントや市民活動に参加することで、自己の社会的な立場を確立し、影響力を強化することができます。例えば、地域の教育に対する深い関心や知識は、関連する活動への積極的な参加や、教育委員会の会合等への参加や発言といった形で表されるかもしれません。それにより、教育関連の役割における信頼性や専門性が、他者に認識されるようになります。

継続的な自己改善と評価

パーソナルブランディングは、一度きりの活動ではなく、継続的なプロセスです。自己の行動や外部からのフィードバックを定期的に評価し、必要に応じて調整することが重要です。

例えば、地域のボランティアグループでの活動を通じて、自分の組織力やコミュニケーションスキルが優れていることに気づかされる場合が考えられます。これに際しては、先ずその自覚をもとに、そのスキルを強調し、地域のイベントの企画や運営に積極的に関わることで、自己の価値を周囲に示すこともできますが、同時に、参加者からの意見を聞き、反映させることで、本来の目的であるより魅力的な取り組みの作成に貢献できるかもしれません。

自己の価値を伝えるプロセスに際しては、オンラインやオフラインの機会を効果的に選択し、一連の働きかけにより、個人の影響力を高め、信頼性と専門性を高めることを目指せます。

まとめ

本章では、パーソナルブランディングと自己表現に焦点を当て、自己の価値を正しく伝え、社会的な場面での立ち位置を強化する方法を検討しました。このプロセスは、自己理解を深め、自己の強みや情熱を明確にすることから始まります。これにより、私たちは自分自身の価値を認識し、それを効果的に社会に伝えることができるようになります。

パーソナルブランディングの実践は、オンラインおよび、オフラインの両方の環境で自己を表現することにより、個人の影響力を高めます。この影響力は、職場や地域社会、さまざまなネットワーク内での活動においても、自分の立場を明確にし、尊敬や信頼を築くために重要です。

最後に、パーソナルブランディングは一度きりの活動ではありません。それは継続的な自己評価とフィードバックを通じて進化し続けるプロセスです。常に自己改善を実施し、新たなスキルを学び、より良い自己表現を目指すことが重要です。

この章が、皆さんのパーソナルブランディングの見直しや、自己表現を強化する切欠になれば幸いです。自己の価値を正確に伝えることが、日々に新たな機会を開き、より充実した人生にも繋がりますように。❀

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