見出し画像

キャリアカウンセラーのおかちんです。

今日はどんな一日でしたか?



今日は久しぶりに本気の暑さを感じました。

何をしてても、どこにても暑かったですね(^^;

日中何度も、上着も脱いでシャワーを浴びたくなります。


で、ふと『北風と太陽』のお話しを思い出しました。

イソップ物語のなかでも有名なお話しですね。みなさんもご存じのことかと思います。

さて今日は、この「北風と太陽」の二人を深堀りしてみます。


北風の高い自己肯定感

北風は「自分の吹く風で物が飛ばせる」という経験をしてきました。それも1度や2度ではありません。もはや「自分には吹き飛ばせないものはない」というくらいの自信を持っていたはずです。

それは、勝負を先に仕掛けたこと、太陽より先んじて前に出たこと、などからわかります。きっとその時の北風は自信に満ちた、生き生きとした表情だったでしょう。

ところが上着を飛ばすどころか、旅人はしっかり押さえてしまいます。想像していた結果とはかけ離れた状況に、自信はグラグラとゆらぎ、心の中に不安が広がります。

「なんで? どうして?」

そう思えば思うほど焦りは大きくなり、ますます自分のやり方に固執します。それでも旅人には通用せず、最後にはあきらめることになります。こうして北風の自信は打ち砕かれ、自己概念は大きく揺らぎました。


北風は高い自己肯定感を持っていたのではないでしょうか。でもそれは、誰かの役に立つ得られる自己有用感自己効力感ではなく、自分には力があるという一点集中の自信だったのではないでしょうか。

もし、この風を吹かせることで誰かが「ありがとう」と北風に言っていたら、そんな人を喜ばせる経験をしていたら、もしかすると勝負の行方は違っていたかもしれません。そもそもどちらが強いかと、太陽と競い合おうとすら思っていなかったかもしれません。

「オレ様」となってしまう前に、誰かが北風の心に働きかけていたら、貢献するという経験をしていたら、北風はどんな人に成長していたのでしょう?


太陽の高い自己効力感

太陽は「自分の熱さで人は服を脱ぐ」という経験をしていました。それもニコニコと微笑みかけていることから、人の服を脱がせることをうれしいこととして感じているのだと思います。

きっと、作物が育ち、洗濯物が乾き、暖かな中で人々がうれしそうにしている様子を見て、「自分がほほ笑むと人も微笑む」という経験を積んでいたのではないでしょうか。

そのうえで、北風に言葉で示すのではなく、結果を見せることで気づかせようとしています。もしかすると太陽もおごりがあったかもしれません。北風が力づくで脱がせようとしていることがわかったからこそ、「どうせ脱がせっこないでしょ」という気持ちがなかったとは言えません。

でも、太陽には高い自己効力感があります。それは、人の役に立つことで得られた自信とも言えます。そして、人は自分の微笑みで必ず上着を脱ぐという確信を持っていました。



ものの見方・捉え方と焦点の当て方の違い

「あの人の上着を脱がせた方が勝ちにしよう」と北風は言いました。

このとき「上着を脱がせる」という言葉を、二人は違った捉え方をしています。

北風は「吹き飛ばして上着を脱がす」と捉えています。力づくで吹き飛ばすという「上着」という物に焦点を当てています

一方で太陽は「旅人自身に上着を脱がせる」と捉えています。旅人が上着を脱ぎたくなるのはどんなときかと考え、「旅人」に焦点を当てています


この二人はもともとこんなものの見方・捉え方をしていたのでしょうか?

それは違いますよね。先ほど述べた通り、これまでの経験の積み重ねがあって、こんなものの見方・捉え方に至ったと考える方が自然です。

北風は、物に焦点を当てたくなるような、自分の力がいかに強いかを感じるような経験をしてきたのでしょう。

太陽は、人に焦点を当てたくなるような、自分が人に以下に影響を与えるかを感じるような経験をしてきたのでしょう。


こうやって二人のこれまでの経験(=物語)に意識を向けると、決して北風が悪くて太陽が正しいという単純なお話しではないように思えます。

むしろ北風の生い立ちや経験に思いを馳せると、何かしてあげたくなるわたしがいます。

「あなたはこの戦いにどんな自分を見たのでしょうか」

そんな問いかけをしてあげたくなります。



イソップ物語は経験代謝の宝庫

今日はあまりの暑さと太陽のギラギラした光に、おもわず北風と太陽のお話を思い出したことから、こんなブログを書いてみました。

引用したのは『イソップ物語』です。非常に面白い話ばかりで、子どものころには教訓が込められたお話しとして、教育図書として読んだ方も多いのではないでしょうか。

それをいま、大人になって読み返すと様々な視点で捉えることができます。

また、キャリアカウンセラー視点で読むと、『経験代謝の宝庫』とも言えるくらい、「ものの見方・捉え方」「焦点の当て方」「自己概念の影」がちりばめられた事例集に見えてきます(笑)

例えば、北風と太陽を他の方が読んだなら、きっと違った視点で語ってくださるはずです。今日のわたしのブログも、わたしの『ものの見方・捉え方』が色濃く表れているはずです。

そんな違いも楽しみつつ、また経験代謝を追いかけて物語を読んでみたいと思います。


明日も暑い一日になりそうですね。たまには太陽さんにはお休みいただき、北風さんに涼しい風を吹かせてほしいですね。




明日も佳き日でありますように@おかちん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?