Drive My Car



アカデミー賞外国語映画賞で受賞した村上春樹原作の映画。
結論から言うと、とてもいい映画だった。ただ、映画館で3時間座りっぱなしで見るのはしんどかったと思う。配信されて休み休みだから最後まで見れた。

主人公の家福悠介、運転手の渡利みさき、役者であり妻の不倫相手である高槻耕史、そして亡くなった妻、家福音の贖罪の物語である。
それぞれがそれぞれに深い後悔を抱いており、そしてそれに向き合うべき過程を描いている。

私は映画館でなく部屋で見たので、途中からベッドに横たわりながら、家福悠介と渡利みさきの会話だけを聞いていた。その会話が心地よく、聞いているうちに声だけで役柄の心境に沿えるような感覚になった。車の中の会話を聞いているだけで、それだけがいいと思った。

思えば海外のロードムービーも似たようなもんだ。旅の途中にたわいのない会話をするだけだ。邦画だがとても洋画っぽい構成だったように思える。

好きな男性の部屋にストーキングする話が面白い。そこで自慰行為していたら、やってきたのは他の空き巣。犯されそうになったから殺したのに、日常にある変化は防犯カメラが設置されただけ。
浮気相手との不貞行為を夫に見られた音は、「これで終われる」と思ったのに、見なかったことにされ、変わらない日常が続いていってしまった。防犯カメラは実際に家福悠介が置いたのだろう。

「ワーニャ伯父さん」とヤツメウナギの女子高生とドライブマイカー3つの糸が絡まり合った味わい深い映画だった。ただ3時間はきつい。

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