民意を政治に反映させる方法
議会と官僚の関係において、重要なのは国民の声を政治に反映させるのは誰かということにある。官僚は行政府の一員として活動し、彼らは試験で合格して今の職にある人たちだ。一方、議会を構成する議員は立法府の一員であり選挙によって国民の信任を得て職に就く。どっちが国民の意思を政治に反映させる役職にあるかは明確だ。
官僚はあくまで行政府の一構成員でしかない。ゆえに国民のために働くということよりも、自分のこと、さらには所属する組織、部署、課についての方が身近で気になることだ。政府は「国民のために政治を~」なんて言うのは確かにそうなんだけど、官僚にその意思が必ずしもあるかという点はあまり期待しない方がいい。しかし、議員はそうもいかない。有権者に選ばれた利益代表なのだから当然、有権者の声を国政に届け、反映し成果を挙げなければいけない。もしできなければ信任をなくし次の選挙で落選してしまう。だから国民の声を反映させるためには国民が議員の仕事ぶりを確認して場合によっては落選させることが必要なのだ。
かつて自民党が民主党に大敗して政権交代が起きた時、自民党はもう一度政権を担うべく奮起し民主党を攻撃し続けた。その原動力は政権を奪還する意思に他ならない。民主党が当選した選挙区の奪還、政権の奪還、この意思こそ自民党が政権復帰した一要因である。
では現在の野党に必要なのは何か。それは与党の揚げ足取りではない、国民に政権を取る意思をアピールし、議席を増やすための建設的な議論を行い、行政を監視、対案によって優劣差を見せ、国民の選択肢になることである。これが与党と行政府を監視する真の議会の役割だ。そしてこれを実現するには国民が議会を監視する必要がある。不当な行為を行う行政府に加担する議員を落とし、国民に不利益を与える議員を落とし、そして国民のためになる議員にチャンスを与えること、これを有権者は行動で示していかないといけない。このような手順を繰り返した末に国民の声を社会に反映する政治が実現するのである。
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