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涙の無駄遣い

ちょっと最悪な夜だった。母親なのに感情が暴走した。

家に帰って、いつも通り食事を用意して、少し仕事の返信をした。さあ、晩ごはんを食べよう!と言いたかったけど、スープを煮込みたかったので食事の前にお風呂へ入ることにした。

でも、子ども達はヒカキンに夢中で全く話を聞いてくれない。そもそも、youtubeは1日30分までという約束なのに、1時間経ちそうだ。イライラする。

「もうテレビを切って、お風呂に入ろう」と何度言っても、こちらを振り向きもしない。ソファできゃはきゃは笑っている。ヒカキンが呑気にタピオカを食べている。もう、腹立つ。

「じゃあ、ママひとりでお風呂入るから、勝手にすれば」とそのまま1人でお風呂に入る。2人は「え~ごめんなさい…」と言っていたけれど、ゆっくり入りたいからいいや、とそのまま浴槽へ沈む。

問題はここからだ。お風呂を出て、リビングからまだヒカキンの声が聞こえてくる。頭が痛い。さっきはっきりと注意したのに、ごめんなさいと言っていたのに、そのままYoutubeを見ているではないか。

かっちーーーーーーーん。

「何してんの?もうテレビにママになってもらえば?」ガチギレする私を見ると、子ども達はすぐに泣く。泣いているけれど、それが反省ではなく防御であることを私は知っている。

私「さっきママはどうして1人でお風呂に行ったか知ってる?」
息子「しってるう。ぼくたちがひかきんをやめなかったからおこったぁぁ」
私「で、ママがお風呂入っている間なにしてたの?」
息子「ひかきんを…みてたけどーー!それは、ねねがみてたぁぁ」
娘「ちがうでしょ!!〇〇くんでしょ!!涙」

言っていることが無茶苦茶だし、罪をお互いに擦り付け合っていてどうしようもない。それに部屋が地獄のように散らかっている。片付けが終わってからテレビをつけるという約束も完全に無視している。

「泣いてるのだって、自分が怒られてるからでしょ?本当のごめんなさいだったら、テレビずっと見てないでしょう。お片付けの約束だって無視してる!謝ってるだけで、意味ないじゃん!」残念ながらこういう時の私の精神年齢は11歳くらいだ。

怒りを鎮めるため、私は出来上がった料理を黙々と食卓にならべ、「今日は勝手にふたりで食べて。お話したくない。」と言って2階に籠城した。物理的に離れないと、怒りが膨張する。はあ。もうやだ。

しばらく階下から2人のすすり泣く声が聞こえ、やがてしゃべりながらご飯を食べる音が聞こえ、なにやら朗読が始まった。「まま、ほんとうにごめんなさい」寸劇でもするのだろうか。策士か。

その後「ママー!」と呼ばれたが無視していたら、2人が2階へ上がってきた。手にはそれぞれ手紙を持っている。さっきの朗読は手紙を書いていたのか。ようやく気持ちが落ち着いてきたので手招きして抱き寄せる。2人はまたわんわん泣いた。どうして私がいじめたみたいになるのだ。いっつもこうだ。

手紙にはこう書いてあった。

【息子】
① てがみ
ままへ テレビ1じかんみてごめんなさい。ほんとにごめんなさい💛
② てがみ
ぼくのきもちがわかりました。テレビやめないでごめん

【娘】 ※一部抜粋
けんかはわるいことをしたからだから、それをずっとくりかえしているわたしがわるい。ごめんなさい。でも、もし、テレビがお母さんになっても、わたしのお母さんとは言えない。たしかに、テレビはすきだよ。でも、見ているだけで、毎日いっしょじゃない。わたしのことをそだててないから、ほんとうのお母さんは、わたしのぴったしはママだけだから。ママがわたしをきらっても、わたしはママがずっとだいすきだから(ごはんおいしかったよ)

色々ツッコミたいところはあるのだけど手紙を書いて謝ろうとしてきたのは初めてだし、反省の気持ちが伝わってきて、感情を抑えられなかった自分が情けなくなった。

テレビを見たことに怒ってるんじゃなく、約束を守らなかったことを怒っているんだけど、全然伝わっていない。そもそも、お風呂に入ることにしたのは私の勝手だし。母親失格だなぁ。涙が出る。

そうして3人で抱き合って仲直りをして、息子の手紙の話で笑いながら階段を下りたら、1階は何ひとつ片付けられておらず、地獄のように汚いままだった。

(いろんな意味で終わり)

#日記 #子育て #育児 #失敗



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