7月8日
7月7日。七夕。
織姫と彦星は会えただろうか。
憎いくらい綺麗な星空へ思いを託す。
逆さま向いたてるてる坊主と共に。
「1年に一度くらいがちょうどいい」
そう言って出て行った人を待つ私はおかしいのか。
「晴れてないと会えないらしいから、てるてる坊主作った。私のは効力ないみたいなんだけど」
あれから一年が経つのか。
本当に効かないてるてる坊主は、逆さに吊るしても綺麗な星空。
晴れようが雨がふろうが会えてるはずの私たち。
織姫と彦星だって、雲の上にいるからほんとは天候なんて関係ない。知ってるよ。
ちがう。
ちがう。
てるてる坊主を逆さまに吊るしたのは昨晩の私。
朝つるしたてるてる坊主が夜になるにつれ憎く、晴れてるのに来ないあの人を責めてしまいそうで。待っている私が惨めになりそうで。
怖くなって逆さまにしたんだ。
一晩経てどもまだ来ない。
ついに朝が来たけれど、
てるてる坊主を片付けて、窓際へたてば、
あのひとがいた。
「間に合ったでしょ」
と知らない雨の匂いを纏って。
私の七夕は今日から7月8日になった。