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2020年読んで面白かったマーケティング・心理学系の本10冊

2020年は巣ごもり時間が増えて、読書が捗りました。数えてみたら年50冊以上、週1冊ペースで本読んでました。

このnoteでは、今年読んでみて面白かったマーケティングや心理学に関わる本を10冊まとめます。僕(@okapo192)自身は、IT企業でマーケティングやらコンテンツ管理をしてるので、一応この辺りが専門分野です。

興味あるものがあったら、年末年始のお休みに1冊でも読んでみてください。そして、面白かったらTwitterとかで感想でも語りましょう。もしくは毎週月曜に銀座の蔦屋書店に出没してるんで、そこで語りましょう。

1. SHIFT:イノベーションの作法

会社の先輩に紹介して読んでみた一冊。この本、まず高い。電子書籍にして4,455円…。だがしかし、2020年1番の衝撃でした。

著者の濱口秀司さんは、世界的に有名なビジネスデザイナーで、USBメモリーやイントラネットの発案者として有名。この世に存在しないイノベーションをどのように「強制発想」するかという視点が面白い。

特にBreak the Biauや、Structured Chaosの概念は、ビジネスマンとしておいて押えておくと、noteやSNSの投稿1つを取っても、世の中に刺さるコンテンツは何か?という視点が見えてきます。

2. イシューから始めよ

元マッキンゼーのコンサルタントで、現Yahooの役員、最近はNewsPicksなんかで見かけることの多い安宅和人さんの本。2010年発売のロングセラーですが、遅ればせながら読了。

イシュー(仕事で取り組むべき課題)の質を高めることで、パフォーマンスを上げようという話。100個やるべき仕事のうち、ケリを付けなくてはいけない2〜3の仕事に焦点を当てなきゃいけない。

最初の紹介した濱口さんと安宅さんの共通点は、数字ではなくて、グラフや図のイメージ図を多用することで、この辺りが知的生産をする上で重要なんだろうと感じてます。僕もipadでお絵かきしてるけど、難しいですね…。

3. 信頼学の教室

同志社大学で心理学部の教授を勤める、中谷内一也さんの著作。芸能人の不祥事やらネットの炎上やら「信頼とは何か?」が問われる中、じわじわと人気を高めてきている本です。

この本は、学者さんの本とは思えないほど、笑えます。ちょこちょこギャグを挟みながら、親しみやすい具体例(桃太郎やDJポリス)を用いて、「信頼」を説いていくので、内容を飲み込みやすいです。

印象に残ったのは、信頼を獲得するのは、価値観(損得勘定の一致)や感情の共有が何よりも重要。その上で、自ら人質を差し出す(身銭を切る/自分で紹介する商品を使う)のが大事な点です。

4. 論理的美術鑑賞

オードリーの若林さんが紹介してて買った本(彼が紹介した本は全部読んでる)。アート業界でビジネスを手掛ける堀越啓さんの著作。

僕は美術館なんて行ったことないような人間だったんですが、小説家の原田マハさんに出会って、美術館巡りにハマりました。小説でアーティストの人生や時代背景を学んで美術館に行くのえらく楽しいなと思い、その感覚を研ぎ澄ますために「論理的美術鑑賞力」を磨こうと思った次第です。

今の時代に残るアートには残る理由があるわけで、魅力的なアートには現代人に刺さる何かがあるわけで。そのインサイトは何だろう?と、考えることにマーケティングに使えるアイデアが眠っていたりするなと感じてます。

5. マーケティングの仕事と年収のリアル

マーケターとして1年くらい働いた後に「自分の年収って平均的にどうなの?」とか「30歳までにどうなれば良いかな?」とか、将来の解像度を上げたくて読みました。

最近マーケターになりたい人が増えてきた印象ですが、どの規模の会社か、To CかTo Bかなど、イマイチ違いがわからない人も多いと思います(僕もでした)。大企業、ベンチャー、事業会社、支援会社、それぞれの規模・業態でマーケターして働くメリットやデメリットを包括的に把握できます。

具体的な年収の水準はもちろん、スペシャリストかジェネラリストか?といったキャリアパスのパターンを描けるので、マーケターを目指す人、現時点でのマーケターとして働いている人の必読本です。

6. マーケティング思考力トレーニング

マーケティングの本って、どれも教科書っぽくて、読んで終わりになることが多いです。しかし、この本はむしろ読んでからがスタート。アウトプット(マーケティングトレース)が前提になってるので、読んで終わりにはならない実用的な本です。

マーケティングトレースは、黒澤友貴さんが提唱する、実在する成功企業や事業のマーケティング法則をフレームワークに当てはめて分析する手法。自分の身の回りの商品は、どのようにして自分の元に届いているのか?という、マーケティング目線で世界が見えるようになります。

▼僕自身、今も受講している英語コーチングサービスのProgritのマーケティングトレースをnoteでアウトプットしています。

7. 影響力の武器

マーケティング力を高める上で、心理学の知識は、非常に重要になってきます。特に、セールスライティングの分野で効力を発揮することは、アフィリエイター時代に実感しました。

影響力の武器は、社会心理学の古典的な1冊。どんな人を好きになるか、どんなものを買いたくなるかなど、人間の意思決定が何に影響されているかを学べます。

インフルエンサーのnoteを読む人なら「権威性」「希少性」「返報性」なんてキーワードを良く聞くかもしれませんが、全てこの本に書いてある心理現象。分厚くてタフな本ですが、一読の価値あり。

8.  僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

『影響力の武器』を読んでから、心理学系の本を10冊以上読み漁ったんですが、その中でも1番面白かったのがこちら。オンラインゲームやSNSやギャンブルと言った「依存症ビジネス」と心理学に焦点を当てた一冊です。

現代に焦点を当てているので、とても読みやすく、そして残酷なほどに依存症ビジネスの構造が見えてきます。YouTubeやゲームをやっていて、気付いたら数時間見てしまうのには、自分たちの怠惰もありますけど、制作者たちが心理学を使いこなしているのも要因なんですね。

ポジティブに捉えると、依存症になるメカニズムを自分の目標設定に落とし込めば、自分を継続に鬼にすることもできます。僕はこの本に出会ってから、筋トレも英語の勉強も、1年以上継続できています。

9. ヘンテコノミクス 行動経済学マンガ

ヘンテコノミクスは、「行動経済学」の知識をマンガで気軽に学べる一冊です。「行動経済学」と聞いて、ちょっと小難しい印象を受けるなら、入門書として面白いです。それでいて、玄人も復習するがてらサラリと読めて面白いです。

デフォルト効果のヨーロッパの臓器提供のくだりとか、認知的不協和の解消の酸っぱいブドウのくだりとか、行動経済学の本読んでだら10回は出会う「あるある」の小話にも、もれなく出会えてます。

10. 人は悪魔に熱狂する

データサイエンティストの松本健太郎さんの1冊。松本さんの本は全部読んだんですが、こちら「人は悪魔に熱狂する」が1番読みやすくて、かつ1番クセがあるな〜という印象を受けました。

個人的には、松本さんの著書から「インサイト」の概念を学んで、自分が目の前のものを買った理由はなんだろう?と深掘りする習慣が身に付きました。特にこの本では「悪魔」の部分、ドロドロとした欲望に着目しているのがポイント。人は動かしやすいのは、天使でなく悪魔と把握しておくと、マーケティング施策が尖ります。

最後に

2020年は結構お堅い本を多めに読んだので、2021年はアートとか哲学をしっかり学びたいなと。「人の心に刺さるものは何か?」という問いを考えるにあたり、やっぱ表現の世界にどっぷり浸からなきゃなと感じてるこの頃です。教科書ばっかり読んでると、頭かたくなりますし。

次回のnoteでは、2020年に買って良かった物を書こうかなと思います。今年から定住を始めたので(汗)、ドラム式洗濯乾燥機を始めとして、健康や時短のために「物」にかなり投資しました。

一生懸命学んだマーケティングや心理学の知識を生かしつつ、読んでいただける方の物欲を刺激できたらな〜とか思ってます。

▼一生のうちでのお気に入りの本についても書きました。


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