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新鮮な世界#3




キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る。
久々の授業が終わった。
久しぶりに受けた授業は全く意味が分からなくて
終始ずっと外ばかり見ていた。


律「んーーーー…はぁー…」

大樹「どう?久しぶりに出た授業は」

律「全く意味が分からんかった。」

大樹「だろうな。ずっと外見てただろ」

律「あ、バレた?」

大樹「バレバレだ。ったく…それだと出席した意味ないじゃん」

律「だってマジで意味わかんねーもん」

大樹「はぁ…そのままだと色々やばそうだな」

律「俺全然危機感無いわ」

大樹「持て!今からでも持て」

律「はーい頑張りまーす」

大樹「今度一緒に勉強するか」

律「ほんま?やったー!めっちゃ恩に切りますわ」

大樹「簡単に恩を切るんじゃない」

律「はーい。あ、俺トイレ行ってくるー」

大樹「場所大丈夫か?」

律「んー…迷ったらRINKするわー」

大樹「ぜってーしろよなー」

律「はいよー」


トイレに向かう途中で知らない人と歩く朱璃君を見つけた。
こういう場合って声を掛けてもええんやろうか…
もし声を掛けたら嫌な顔をするかもしれへん…想像しただけで傷つくわ
しかし、知らない顔してトイレに行ったら…それはそれでモヤモヤするな
うーーーん…めっちゃ悩む


「なぁ、あれって朱璃の友達?さっきからしかめっ面でこっち見てんだけど」

朱璃「え?あ、りっちゃんだ!りっちゃーーん」

律「え、あ、よ、よぉ!こ、ここで会うとはき、奇遇ですなーあ、あははは」

朱璃「りっちゃん焦り過ぎて可愛い」

「へー…君も朱璃のアレか?」

律「へ?あ、アレ?アレとは?」

朱璃「違うよー!りっちゃんは昨日出来たお友達」

「あ、そうなんだ。」

律「初めまして、昨日友達になった加賀律です。」

「初めまして、朱璃の彼氏です。宜しく」

朱璃「ちょっと!あのね、りっちゃんこれは」

律「ふ、ふふ二人の時間を割いてごめん!!俺教室帰るわ!じゃあ二人の時間楽しんでー!」

朱璃「あ!待って」


うわあああ!やってもうたー!
せっかくの恋人との貴重な時間を割いてもうたー


律「だーいーきーくーーーん」

大樹「え、え、何、ど、どうしたの!?」

律「大樹君、大樹君、大樹君」

大樹「はいはいはい、聞こえてるから一旦落ち着け」

律「すーーーーはーーーーあんな俺朱璃君と恋人さんとの時間を割いてもうた」

大樹「は?意味が分からん。てか、トイレは?行ったんやないん?」

律「あ、忘れてた。行ってくる!」

大樹「もうすぐしたら授業始まるから早く済ませろよー」

律「任せときー」

大樹「何も任してねーての、てか朱璃に彼氏いたっけ?」


律は案の定教室を忘れて授業に遅刻し
昼休憩までずっと凹んでいた。