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初めての女装#4


俺はきっと今汗が凄いと思う。
何故なら啓太君にブラを着けようとしているからだ。
いや、女装部だから部活動だから悪い事をしてるわけではない
しかしですよ。まさか、このタイミングで帰って来るとは思わないじゃん
そのまさかですねー。

何故か俺だけ正座させられてるのは理解できないけど


大樹「で、これはどういう状況だ。」

律「いつまで待っても三人が来ないから悠翔君と啓太君と俺で荷物出して整理したんだよ。それでも来ないから暇だしせっかく出したから、先に始めてたんや」

大樹「遅くなったのは申し訳ねぇ…それでも、何で悠翔と啓太がブラを着けてんだよ」

律「何でって女装するからだよ。」

大樹「そ、そうだけど…早くないか?」

律「そりゃ、最初は出すつもりはなかった。でも、服の中が男物のパンツって考えると抑えれなかった。だって、それは女装とは言えないんだよ!」

大樹「お、おお…か、顔が近い…」

律「ごめん。でも、俺は女装するなら下着から身に着けるべきだと思う」

大樹「その気持ちは分かるけど…初心者にはハードルが高すぎだと思うんだが」

律「女装にハードルは関係ないさ!必要なのは気持ちと知識」

大樹「だとしても下着は早すぎだって」

亮太「二人とも何をそんなに言い争っているんだ。」

大樹「亮太お前からも下着は早すぎだって言ってくれよ!って、もう着てる」

亮太「ああ、二人がどうでもいい事で言い争ってる時に着替えた」

大樹「どうでもいいって…え、じゃあ下着も?」

亮太「もちろん、着けてるが?何か問題か?」

朱璃「りょーちゃん見て見て!フリフリパンツ履いてみた」

亮太「うん、すごく似合ってるぞ。後は内面も可愛くしたらもっとだと思う」

朱璃「僕内面も可愛いもん」

亮太「さっきまで鬼のような顔してただろ」

朱璃「あれは…仕方ないもん…」

律「あ、そう言えば…あの、朱璃君は彼氏さんに女装部に入ってる事知ってるん?」

朱璃「彼氏?…あー!あれは彼の冗談だよ?僕は皆のアイドルだからフリーだよー」

律「…え?あ、あー!冗談、冗談か~良かったー…何かホッとした。二人の大事な時間取ってしまった感半端なかったんだよな」

朱璃「確かに、聞いた瞬間トイレに行かずダッシュで教室戻ったもんね。」

律「あ、あれは…罪悪感とパニックで…あー、めっちゃハズっ!」

朱璃「りっちゃん可愛い~」

大樹「りっちゃん可愛いは解ったから服着なさい!風邪ひくだろ」

朱璃「はーい。あ、大ちゃんブラ着けて」

大樹「は?何で」

朱璃「何でも!ほら、早く着けないと脱毛剤ぶっかけんぞ」

大樹「喜んでぇー!」

亮太「律も着ないのか?」

律「俺?もちろん着るで!」

亮太「もしやるなら、先にお手本を見せるのがいいと思う。そっちの方が知識もより早く入ると思う」

律「なるほど!さすが優等生君やな!よし、張り切って着替えるでー」

亮太「それにしても、このパンツは俺のサイズには少しとばかり小さいな…飛び出てくるぞ」

悠翔「亮太どうした?」

亮太「どうやらパンツのサイズが合わないようだ。小さい」

悠翔「あー…亮太デカいもんな。」

亮太「悠翔もだろ、そう言う悠翔はどうなんだよ」

悠翔「俺?普通のだからフィット感しかない」

亮太「おま…交換しろ」

悠翔「は?やーだ!俺これでいい」

亮太「俺のも良いけどな。上げても下げても出てくるぞ」

悠翔「やだわ!ぜってー着たくない!」


こうしてパンツ騒ぎの中無事に活動が始まった。
しかし、パンツが小さいからか歩きづらく少し不便だな。
律は慣れだと話していたが慣れるのか?疑問しかない。